私(西村幸太郎)の一連のブログ記事です。私がどういう人間なのか、どういう活動をしているのか、どんなことを考えているのか、どんな知識やスキルを持っているのか、信頼に足る弁護士か、などなど、たくさんの疑問をお持ちの方もおられると思います。そのような方々は、是非こちらの記事を御覧ください。

ハンセン病問題の解決を願うつどい

平成28年12月23日,豊前市同和福祉センターにて,「ハンセン病問題の解決を願うつどい 対談;ハンセン病家族裁判~地域が問われている」が開かれました。私も参加しました。

対談するのは,ハンセン病家族裁判原告団長の林力さんと、「生まれてはならない子として」の著者宮里良子さんです。

ハンセン病は,現在は完治する病気ですが,歴史的には,根強い差別にさらされ,隔離政策まで実施されてしまった病気です。私も,直接見たこともなく,司法試験の際に勉強した程度で,経験に基づく生の声を聴いたのははじめてでした。大変勉強させていただきました。

対談の中で,いまの日本の人権教育はつまらないというご指摘がありました。 日本の人権教育というのは,部落差別,同和問題に端を発しているといっていいと思う。教科書にも厚く書かれる。ただ,逆に,きちんと書いておきさえすればいいというようにもみえる。教科書には,差別はいけないよという趣旨のことが書かれる。国の責任などにはほとんど触れられない。一方で,ハンセン病の問題は,すでに解決済みの問題のような扱いだ。過去に,隔離政策をとったというような,歴史的事実は変えられない。なかったことにはできないのに。…

質疑のなかでも,日本の人権教育の在り方についての熱い議論が交わされており,大変参考になりました。

お話のなかでは,先般提起されたハンセン病家族裁判の弁護団の一員である松尾先生から,裁判の経過のご説明をいただきました。先日,国からの答弁が出ており,私が理解したところによると,「差別を助長したことは認めるが,差別をつくりだしたことは否認する。国が作り出すまでもなく,社会的に差別は醸成されていたものだ。」という内容だとのことです。こちらの裁判の経過も見守ります。

林力さんの著書「父はハンセン病患者だった」を購入したので,引き続き勉強し,裁判の経過も追いかけたいと思います。


ブロガー: 弁護士西村幸太郎

豊前の弁護士です。