- 交通事故にまつわるお困りごと
- 人の死にまつわるお困りごと
- 企業・経営にまつわるお困りごと
- 高齢の方にまつわるお困りごと
- 男女の関係にまつわるお困りごと
- 仕事にまつわるお困りごと
- お金にまつわるお困りごと
- 犯罪にまつわるお困りごと
- その他のお困りごと
交通事故にまつわるお困りごと
質問:交通事故に遭いました。初めての経験なので、わからないことだらけです。相手方の保険会社から交渉を申し込まれているのですが、そもそも、法的に、どのような点が問題になるのでしょうか。
回答:
ひとくちに交通事故といっても、どのような交通事故かはさまざまで、多くの点が問題になり得ます。交通事故に遭われた方は、そのショックに重ね、このような問題に対処しなければならなくなり、二重の意味で大変な目に遭うことが多いです。
そもそも、どのような事故だったのか。相手方に、賠償する責任があるのか。責任があるとして、賠償額はいくらが適切なのか。後遺症が残って仕事ができなくなったことを、どのように評価してもらえるのか・・・。
交通事故事件を適切に扱うには、このような多くの問題に対応するため、法律の知識はもちろん、保険の知識、後遺症を把握するための医学の知識など、さまざまな知見が必要となります。
弁護士に依頼することにより、これらの知識を得て、適切な解決を目指すことが可能になります。
ぜひ一度、弁護士にご相談ください。
質問:弁護士に依頼すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。
回答:
もちろん事案によりますが、たとえば、請求する側では、多くの場合、弁護士が交渉すると、保険会社の提案額より、解決金額が上がります。保険会社も営利企業ですから、保険料はほしいけれども、保険金(損害賠償金)は払いたくないという心理が働くこともあるでしょう。損害賠償金額の算定にあたって、大きく3つの基準(①自賠責基準、②任意保険基準、③裁判基準)がありますが、保険会社は、比較的金額の低い②任意保険基準を用いて交渉する傾向にあるようです。しかし、弁護士は、最も金額の高い③裁判基準を用いて交渉することができます。結果、多くの場合、保険会社の提案額より、解決金額が上がることになるのです。ご依頼者様が、「適切な賠償をしてもらっていない」と感じているとき、ストレスのたまる交渉事から解放され、弁護士に対応してもらえる点も、依頼するメリットだと思います。
実際のところ、事故に遭ったというだけで混乱していらっしゃる方が多いと思います。どうすればよいのか、弁護士に相談といっても、弁護士がなにをしてくれるのか、わからない、なんとなく不安だという方もおられると思います。そこで、当事務所では、主に被害者側についてですが、弁護士が対応できることをまとめて おりますので、以下のPDFを、参考にされてください。
交通事故被害者の悩みと、ワンストップサービス.pdf
質問:まだ治療している最中です。治療がおわってから、治療費その他の賠償金の支払いを請求しようと思っています。いつ、弁護士に相談するのがよいでしょうか。
回答:
できるだけはやく相談することをおすすめします。交通事故に遭遇した場合、さまざまな書面をそろえなければならなかったり、保険会社とのやり取りを強いられたりなど、その後の処理に忙殺されることも少なくないようです。たとえ、ご依頼者様にまったく落ち度がなくてもです。煩雑な手続に対し、はやい段階からの対応が可能であるとともに、その後裁判などに発展する可能性なども考えて、適切な賠償を受けるための証拠をそろえるアドバイスを受けることもできます。時間がたつと、物そのものがなくなってしまったり、どんどん価値がなくなってしまう証拠もあるので、注意が必要です。治療がおわらないと、損害額を確定できないため、治療がおわってから相談し、交渉や裁判を行うという例もあるようですが、できるだけはやい段階で相談することを強くおすすめします。
参考までに、どのような損害が問題になり得て、その損害の立証のためにたとえばどんな証拠が必要なのか、一覧表にしていますので、必要に応じお目通しください。
損害及び必要書類一覧表.xls
人の「死」にまつわるお困りごと
質問: 私も、高齢になりました。今後のことが心配です。子どもたちのため、私の死後にもめないよう、遺言書を作成しようかと思っています。どのようにして作成したらよいのでしょうか。
回答:
ひとくちに遺言書といっても、自筆証書遺言、公正証書遺言など、遺言書の形式は、複数用意されています。
それぞれ、法律で、遺言書が有効であるための要件が、厳格に定められていますので、これを誤ると、かえって、遺言書の有効性をめぐる紛争を生じさせてしまいます。注意が必要です。
たとえば、1番簡単な方法は、自書の方法による自筆証書遺言になりますが、これが有効であるためには、遺言者が、①全文、②日付、③氏名を自書し、押印しなければなりません。
おすすめは、専門家と一緒につくる公正証書遺言です。手続の流れや書くべき内容など、お気軽にご相談ください。相続が「争族」になることを事前に防止するため、お手伝いができると思います。
また、その遺言の内容を、実際にどのようにして実現するかも問題となります。いわゆる遺言執行者に関する相談もおうけすることができます。
質問: 父が他界しました。悲しみに明け暮れていたところ、親族から遺産分割の話があり、不動産をだれがもらうのかなどでもめています。どうすればよいでしょうか。
回答:
遺産分割においては、遺言がないかどうかのチェック、だれが相続人になるのかのチェック、どんな財産が遺産に含まれるのかのチェック、その遺産をどのように金銭的な評価をするのかのチェック、相続人がすでに本来ならば遺産に含まれ得た財産を取得していないかのチェック、相続人の個別の貢献を反映させるべきかどうかのチェック、実際にどのようにして遺産をわけるのかなど、検討しなければならないことがたくさんあります。
相続人全員で合意が成立し、遺産分割協議書を作成できればよいですが、裁判所を利用し、遺産分割調停を行うこともあります。
ご相談のように、わけづらい不動産の取り合いがはじまることは、よくみかけるケースです。だれかが不動産を取得するかわりに、ほかの相続人は、その人から一定のお金をもらって解決したり、不動産を売却してその代金をみなでわけあうなどといった方向性が考えられます。
相続には、相続税や贈与税の問題も密接不可分に関係してくるので、全体的な解決を目指すためには、幅広い知識が欠かせません。
適切な解決を目指すため、ぜひ、弁護士にご相談ください。
質問: どうも、他界した母と同居していた兄が、母の財産を遣い込んでいたようです。母の老後のための貯蓄だったのに、許せません。責任を追及する方法はないでしょうか。
回答:
遣い込まれた金額は、本来お母様のものだったのに、不当にお兄様のところに移動してしまったということになります。お母様は、不当利得返還請求権の行使として、お兄様に対し、遣い込まれた金額を返せという請求ができました。ご相談者様は、この請求権を相続していますから、相続分に応じて、お兄様に対し、不当利得返還請求ができます。
問題は、そもそも遣込みを立証できるかどうかです。お兄様は、お母様の財産を、お母様自身の介護費用として利用していたにすぎず、正当な理由があると反論してくることが予想されます。
お母様の通帳は、誰がどのようにして管理していたのか。預貯金は、いつ、いくら引き出されているのか。使途は説明できているか。その説明は合理的か。その説明に裏付けはあるか。さまざまな事情を考慮して、遣込みの事実を立証しなければなりません。
技術的なお話もたくさんありますので、まずは一度ご相談ください。一緒に解決の方法を模索しましょう。
企業・経営にまつわるお困りごと
質問: 契約書をつくりましょう、とよくいわれます。でも、相手はよく知った業者ですし、これまでもつくっていなかったので、結局、つくらずじまいです。必ずつくらなければなりませんか。
回答:
契約は、当事者の合意で成立するものですから、本来、契約書は必須ではありません。ただ、まさに、「どんな契約だったか」が争いになりやすいため、契約内容をあらわす書類(契約書)を作成するよう、強くおすすめします。相手方の反応を考えると、言い出すのは躊躇されるかもしれませんが、きちんと契約書をつくって、きちんと手続を踏んでいけば、結果として、「この人はきちんとした人だ」という信頼につながる可能性もあります。
とはいえ、いつも契約書をつくるのは、実際上困難ということもあるでしょう。そのような場合も、契約がどういった内容だったのか、その契約は、どういうやり取りをした結果結んだものなのかを、書類で残しておくべきです。見積書、発注書、請求書に明細を付けるなどの工夫はよく行われているところですが、たとえば、電話でのやり取りで話をする場合、念のため録音しておいたり、詳細なメモを残すなどはした方がよいかもしれません。相手方に、面倒だからといって断られるような場合は、こちらから文案を示して、契約書/見積書/請求書などをいただくといった方法も考えられます。覚書程度でもよいので、書面をくださいとお願いすることもあるでしょう。
要は、契約内容がわかる証拠が残っていればよいわけです。どのような書類を残せばよいかわからない、相手方に文案を示したいがつくりかたがわからないなどといった場合には、ぜひともご相談ください。
質問: 契約をして、こちらは納品をしたのに、いつまでたっても、代金を支払ってくれない人がいます。こちらも資金繰りが厳しいので、はやく支払ってほしいです。代金の回収はどうすればよいですか。
回答:
まずは口頭、電話連絡での督促でしょう。話合いの余地があれば、相手方に無理のない支払計画に応じて、和解することも考えられます。このとき、和解契約書を公正証書にしておけば、万が一のとき、裁判を起こさずに、相手方の財産の差押えができます。
書面による督促も検討してみましょう。内容証明郵便で督促や警告をすることもあります。それでも応じない場合は、裁判所を利用した手続になりますが、支払督促など、訴訟提起まではいたらない手続もあり、選択肢はいろいろあります。
仮に、公正証書、判決、和解などをもらえたとして、やはり相手が支払ってくれないという場合は、強制執行を行う必要があります。よく行うのは、預金の差押えや給与の差押えですが、それぞれ、預金口座(支店名まで必要)や就業先などの情報が必要になります。
執行はかなり技術的な手続ですし、単に法的な話だけでなく、費用対効果も考えながら行わなければなりません。悩ましい問題です。ぜひ、弁護士にご相談ください。一緒に解決の方法を模索します。
質問: 個人事業主です。事業を息子に承継させようと思っていますが、どのようにすればよいですか。
回答: 事業承継にあたって、事業用財産を息子さんに贈与することになると思います。しかし、よく考えて行わないと、多額の贈与税がかかったり、将来ご相談者様がなくなった後、相続における特別受益の問題で、ほかのご兄弟と紛糾する可能性もあります。せっかく贈与した財産が、相続に際し、遺留分減殺請求されるおそれもあります。とても多くのことを検討しなければなりませんから、ぜひ弁護士にご相談ください。
高齢の方にまつわるお困りごと
質問: 母は、すでに80歳になる高齢ですが、認知症がはじまり、財産管理ができずに困っています。ひとまず、私が、母のお金を切り崩して、身の回りの世話を行おうと思っていますが、兄弟から、心外にも、私が遣い込んでしまうのではないかと心配されているようで、お金の取り扱いをするのが不安です。どうすればよいでしょうか。
回答:
ご本人様(お母様)が財産管理をできなくなったとき、ご本人様の利益を守るべく、適切な財産管理を行うための制度が、後見等の制度です。ご本人様の判断能力の度合いに応じて、後見、保佐、補助の3つの類型があります。
4親等以内の親族であれば、申立てが可能です。ご親族の利益を守るため、適切な財産管理の必要性を感じた場合は、ぜひ弁護士にご相談ください。ひいては、献身的にお世話をしている、ご相談者様への、いわれのない非難を防止することにもつながると思います。
手続の流れなど、わからないところもたくさんあるかと思います。ご相談の際には、懇切丁寧に、ご説明いたしますので、ご安心ください。
質問: 母のために、後見の申立てを考えています。どんな人が後見人になるのでしょうか。赤の他人に、母の財産を任せるのは、なんだか不安です。
回答:
後見人は、裁判所が、さまざまな事情を考慮しながら、決定します。申立てのとき、後見人候補者を記載して提出することができますから、これも考慮した上で、決定することになります。親族が後見人なることをお望みであれば、まずは、その旨記載しておきましょう。
ただし、希望を出せばそのとおりになるわけではないので、注意が必要です。目安として、後見の対象となる者(被後見人)の財産が多い場合や、その財産をめぐって紛争が生じている場合、または将来紛争が生じると見込まれる場合(相続争いが見込まれる場合など)は、財産の管理、処理が大変になるとともに、不適切な管理が行われると、横領などの疑いをかけられてしまいがちであるため、専門家後見人がつくことが多いようです。
専門家後見人とは、主に弁護士、司法書士、社会福祉士などの士業をさします。
ご相談者さまの希望が受け入れられるかは、さらにくわしい事実について確認していく必要がありますが、後見人候補者につき、希望がある場合には、まずはその希望を裁判所に適切に伝えることが、とても重要になってきます。申立て1つとっても、考えなければならないことは、たくさんありますので、ぜひ、ご相談ください。弁護士と一緒に検討しましょう。
質問: 高齢の方の支援者です。最近、高齢者の消費者被害が多いと聞きます。支援者として、アンテナを張っておきたいと思っていますが、どのようなところに気を付ければよいのでしょうか。
回答:
ご高齢の方の特徴として、加齢に伴い、判断能力が低下しますので、自分では被害に気付けないことが多いということが挙げられます。そのため、支援者による「見守り」「気づき」が必要不可欠です。
消費者被害の兆候としては、
・節約をはじめた(→消費者被害でお金がなくなっている可能性)
・見知らぬ人の出入り(→ターゲットにされている可能性)
・見慣れない商品や段ボール(→消費者被害で購入している可能性)
・手帳やカレンダーへの金額の記入(→消費者被害における支払日のメモの可能性)
・督促状や請求書(→消費者被害で購入したものがまじっている可能性)
などさまざまなものがありますので、気を付けておくとよいと思います。
消費者被害の事例では、気付いたころには相手が逃げているなど、事後的な被害の回復が困難なケースが多いです。事前に察知できることが望ましいでしょう。どのような支援をすればよいのか悩んでいたり、支援をしながら「おやっ」と思った方は、ぜひ一度ご相談ください。
男女の関係にまつわるお困りごと
質問: 夫とは性格があわないので、別れたいと思っています。離婚できますか。どんな手段をとればよいのでしょうか。
回答:
まず、手段から説明いたします。離婚には、①協議離婚、②調停離婚、③裁判離婚、の3つの方法があります。
①は、ご夫婦の合意のもと、離婚届に署名・押印の上、役所に届け出ることによって、離婚を実現する方法です。1番簡単な方法ですが、相手方が同意しない場合は、使えません。②③は、裁判所を利用して、離婚を目指す手続です。②は、裁判所が間に入り、男女1名ずつの調停委員がご夫婦それぞれの意見を聞きながら、法的な助言を加えつつ、話合いによって解決を目指す手続です。それでも、双方が合意にいたらなかった場合は、訴訟を提起して、厳格な手続のもと、離婚ができるかどうか、審査することになります。判決で離婚が認められ、それが確定するか、訴訟上の和解で、離婚にいたった場合には、離婚ができます。
離婚の合意があれば、離婚はできますが、合意ができない場合、判決で離婚を認めてもらおうとすると、民法で定められている事由(離婚原因)があることが必要になります。おおまかにいえば、法的に、婚姻関係が破たんしていたかどうかがメルクマールになります。破たんしていたかどうかというのは、評価の問題ともいえますので、判断は容易ではありません。性格の不一致が、法的に、婚姻関係の破たんと評価できるかは、別居の有無や期間、性格の不一致の内容、その他の事情などを具体的に検討する必要があります。
離婚をしたいけれど、自分が離婚できるかどうか、不安があるという方は、ぜひ弁護士にご相談ください。
質問: いまはもう、とにかく、一刻もはやく離婚したいという気持ちです。お金もいりません。なにを決めれば、離婚ができるものなのでしょうか。
回答:
最低限、離婚の合意があること、子どもがいる場合は親権を定めることが必要です(協議離婚の場合と仮定します)。
離婚の際には、あわせて、養育費、財産分与、慰謝料、年金分割、あるいは婚姻費用など、さまざまな点が問題になり得ますが、離婚の合意と親権の定めがあれば、離婚そのものは可能です。
ただ、(もちろんご相談者さまのご意向は尊重いたしますが、)本当に、その他の事項について定める必要はないのか、もう一度検討してみることをおすすめします。離婚の際は、感情的になってしまって、とにかく別れることを優先してしまいがちですが、離婚しても、今後の人生は続いていきますので、当面の生活をどうするかは、どうしても、検討しておかなければなりません。むしろ、別れた後に、どのような生活を送るかが重要ともいえるでしょう。そのためにも、きちんと権利は主張して、適正な金額の支払いを受けられるのではないかと、検討することが必要なのではないでしょうか。
養育費、財産分与については、財産に関する資料の収集や、額の計算についての検討など、技術的な問題を多く含みますので、適正な金額を検討したい方は、ぜひ弁護士にご相談ください。
質問: 夫が、浮気しているようです。許せません。夫に対しても、浮気相手の女性に対しても、責任を追及したいと考えています。なにか方法はあるでしょうか。
回答:
夫と女性の浮気(性行為を伴うものとお見受けしましたので、その前提でお話します。)は、ご相談者様の、夫婦共同生活の平穏を害するものですから、違法な行為です。夫と浮気相手の双方が、ご相談者さまに対して、損害賠償義務を負うことになります。ここでいう損害は、ご相談者さまの精神的な苦痛、つまり慰謝料です。
その金額が気になると思いますが、いつから、どれくらいの期間、どれくらいの頻度で、どのような内容の浮気をしていたのかなど、具体的な事情によって変わってきます。相場というものを示すのがなかなか難しいですが、数十万円の場合から、数百万円になることもあるようです。~千万円になるような高額の慰謝料が認められることは、日本では、ほとんどありません。
適切な金額の慰謝料を受けるためには、適切な資料の収集と、その金額になる適切な説明が必要になってきます。ぜひ、弁護士にご相談ください。
仕事にまつわるお困りごと
質問: 会社から、突然、クビだと言われました。どうしていいのか、わかりません。明日からどうやって生活していけばよいのか、とても困っています。
回答:
会社は、いったん雇った人を、簡単にはクビ(解雇)にできません。解雇には、相応の理由が求められます。厳しい要件を充たす必要がある上、解雇の予告をするなど、しっかりとした手続も踏まないといけません。その解雇は法律上許されるのか、一緒に検討してみましょう。
ご依頼者様が、復職を望むのか、金銭的な解決を望むのかなどによって、対応が大きく変わってきます。考えなければならないことがたくさんあるなか、当面の生活に直結する問題であり、すみやかな解決が求められます。非常に複雑でデリケートなお話ですので、ぜひ弁護士にご相談ください。
質問: 残業つづきで、とても忙しい毎日を送っています。こんなに頑張っているのに、会社は、残業代を、払ってくれません。会社ともめたくもないので、控えめに申請をしてみたところ、「残業手当を払っているんだし、十分じゃないか。」と言われました。残業手当といっても、月1万円をもらっているだけです。生活も苦しいので、できるだけ払ってもらいたいのですが、どうすればよいですか。
回答:
残業代は、法律で定められた時間を超えて働いたり、休日に働いたり、特定の時間(深夜)働いたりした場合、会社が、必ず払わないといけないものです。支払わないという合意はできません。
会社は、残業手当で支払っているとのことですが、①法律上本来支払われるべき残業代が、手当のなかにおさまっていること、②本来の残業代部分と、そうでない部分(通常の労働時間)が明確にわけられること、などを満たしていないと、会社の言い分は通りませんので、ご相談の件では、①②を満たしているのか、検討する必要があると思います。
解決の手段としては、裁判外で交渉をして残業代を支払ってもらう、労働審判を申し立てる、訴訟を提起するなど、さまざまな方法があります。
地方の中小零細などの労働者においては、ほかの地域よりも特に、雇用主との関係を悪化させたくないという配慮も働くでしょうから、交渉も、一筋縄ではいきません。適切な解決を一緒に模索しますので、ぜひ弁護士にご相談ください。
質問: 残業代を請求したいのですが、手元にほとんど資料がありません。会社に、資料が残っているのは間違いないのですが。なにも持ち出せなかったので、あきらめるしかないのでしょうか。
回答:
相手がどのような会社かにもよりますが、話合いが見込める会社であれば、任意で証拠を開示するように求めるということも考えられます。
一方で、開示しないであろう、または、開示を求めなどすれば破棄・改ざんしてしまうだろうと思われる会社に対しては、裁判所を利用して、証拠保全の申立てを行うという手段があります。この手続は、会社にとって不意打ちに近い形で行うため、破棄・改ざんする間もなく、残業の証拠が得られる可能性が高いです。
あきらめず検討をするためにも、ぜひ弁護士にご相談ください。
お金にまつわるお困りごと
質問: クレジットカードで買い物をしすぎて、気付いたら、数百万円の借金になってしまっていました。とても払えません。督促の電話もたくさんかかってきて、日々の生活にも支障をきたしています。どうすればいいかわかりません。
回答:
仮に、弁護士に、借金の整理を依頼した場合、弁護士は、債権者に対し、受任通知(弁護士が代理人につきましたというお知らせの通知)を送ります。これにより、債権者は、ご依頼者様には請求ができなくなり、弁護士とやり取りをするようになります。借金がチャラになったわけではないですが、当面、督促が気になって眠れないなどといった事態などからは、解放されます。
これを前提に、どのように借金を整理するかについては、まず、ご相談者様の、現状を振り返るところからはじめてみましょう。だれから、いつ、いくら借りて、いつ、いくら返さなければならないのか。貯金はあるのか。いつ、いくら、収入が見込めるのか。それ以外に財産はないのか。どれくらいのお金があれば、生活ができるのか。無駄遣いはないか。これらを確認し、弁護士と一緒に検討していくことで、借金の整理の方針だけではなく、その後の生活まで見据えた処理を考えることが、きわめて重要と思います。
その上で、借金の整理の方法は、大きく、①任意整理、②再生、③破産という、3つの方法があります。
検討の結果、①債権者と交渉すれば、返済が可能と思われる場合、支払期限の調整・交渉をして無理のない返済計画を立て、これにそって返済していくことで、ご相談者様のお困りごとを解決することができます。
検討の結果、②全額を返済は無理だが、借金をいくらか圧縮(一部を免除)してもらって、返済の期限を調整・交渉をすれば返済が可能と思われる場合、裁判所を利用し、小規模個人再生手続の申立てをするという方法があります。これは、債務を一定額に圧縮し、それを3年間で返済するという形で調整する手続です。住宅ローンがある場合、住宅は残したまま借金の整理ができるような特則もあります。
検討の結果、③どうしても返済が困難という場合は、最終的な手段として、裁判所の手続を利用し、破産するという方法があります。
いずれの方法をとるにしても、手続をとっておわりというわけではなく、その後、新たなスタートを切るための環境を整えることが重要です。手続のあとまで見越して、弁護士とともに、一緒に考えてみませんか。
質問: 小規模ですが、会社を経営しています。当初は順調に経営できていたのですが、不景気の影響か、売上が減少してきています。このまでは、資金繰りが危ういです。ギリギリまで頑張りたいですが、破産も覚悟しないといけないかもしれません。いずれにせよお金がないのですが、それでも破産はできますか。
回答:
日々経営にいそしんでおられるということ、大変なご苦労があるのだと思います。経済活動においては、ときに、破産という選択をせざるを得ない局面もあります。つらい選択です。
しかし、破産をするにも、相応のお金が必要になります。たとえば、弁護士に依頼して破産の申立てをしようと思えば、弁護士費用がかかりますし、破産を申し立てるにあたっては、裁判所に対し、数十万円、場合によっては数百万円、それ以上の予納金をおさめなければなりません。
法人の破産というのは、いわば企業の葬式です。葬式を無料では行えないように、破産も無料では行えないのは、やむを得ないことだと思います。
自助努力によってなんとかしようとするのか、一定のお金が残っているうちに破産を申し立てるのか、それ自体が高度な経営判断を含むものだと思います。しかし、はやめの対応が望ましいことは間違いありません。ぜひ一度ご相談ください。どうするのが最善の選択か、一緒に考えましょう。
質問: お話しにくいのですが、実は、ヤミ金に、手を出してしまいました。取立てがひどく、怖いです。借りてしまったのは間違いないのですが、このままでは夜も眠れません。なんとかなりませんか。
回答:
よく、「トイチ」(10日で利息1割という意味の隠語)などといったりもしますが、この例のように、高すぎる利息をとるような貸金は、いわゆる「ヤミ金」であり、公序良俗に反するものとして、契約自体が無効になります。契約が無効なのですから、返済する義務もなくなります。借主がヤミ金から受け取ったお金も、貸主に返す必要がないとされています。
ヤミ金からの取立てがひどい場合も、多くの場合、弁護士が介入することで、弁護士がヤミ金に対し、法律上そのお金は返済する必要がないと粘り強く説明し、ヤミ金を撃退することができます。
犯罪にまつわるお困りごと
質問: 息子が逮捕されてしまいました。なにがなんだかわかりません。どうすればよいのでしょうか。
回答: なによりもまず、息子さんご本人にお話を聞きにいくことが必要だと思います。お母様でも息子さんとの面会はできますが、土日や遅い時間だと対応してもらえなかったり、面会時間が限られていたり、警察官の立会いがあったりと、かなりの制限があります。その点、弁護士であれば、立会いなく、基本的には時間の制限なども受けずに、息子さんと接見することができます。息子さんが、いわれのない嫌疑で逮捕されているとしたら、事実を争いつつも、身体の拘束を解く方法を模索しなければなりませんし、本当に犯罪をしたのだとすれば、被害者への謝罪や示談交渉などをすみやかに行う必要があるのではないかと思います。わからないことばかりなのはやむを得ないことですから、まずはご相談ください。わからない部分は、きちんと説明いたします。
質問: 逮捕された息子を、とにかく留置場から出してあげたいです。どうすればよいのでしょうか。
回答:
逮捕は3日間、その後の勾留は10日間、さらに10日までなら勾留を延長できるということになっており、法律上、厳格に期間が定められています。検察官は、この最大23日の間に、息子さんを、裁判にかけるのか(起訴)、かけないのか(不起訴)、判断することになります。起訴されると、多くの場合には、裁判がおわるまで、さらに勾留されることが多いです。
長期間拘束される息子さんのことを案じ、身体拘束から解放してあげたいと思うのは当然です。弁護士が、そのための活動を行うことができます。
逮捕・勾留については、準抗告という手続があり、認められれば、身体拘束から解放されます。残念ながら、認められる例はあまり多くはないようですが、警察官に慎重な取調べをうながしたり、検察官が勾留延長に慎重になるなど、副次的な効果もあると思います。
万が一、起訴されてしまった場合には、保釈という制度があります。裁判所が認めれば、一定金額を用意することで、身体拘束から解放される手続です。仮に、そのまま逃げてしまったら、用意したお金は没収されてしまいます。どういった事情を主張すれば保釈が認められるのか、どのような事情が保釈の金額に影響するのかなどを検討する必要があります。お金がない方には、日本保釈支援協会による保釈金の立替えの制度の利用なども検討しなければならないかもしれません。
身体拘束からの解放に向けた活動も、弁護士は行うことができますから、ぜひご相談ください。
質問: 被害者です。被告人の裁判が開かれるようですが、私は蚊帳の外です。裁判に関与したいと思っているのですが、なにか方法はありませんか。
回答:
被害者参加という制度があります。裁判所が認めた場合、公判期日(裁判)に出席したり、被告人に質問をしたり、裁判所に意見を述べたりできます。
これまで、裁判というのは、被害者を蚊帳の外にして進んでいき、被害者が登場するのは、証人尋問のときだけという扱いでした。いわば、被害者は証拠としてみられていたに過ぎなかったのです。こうした扱いに対する反省から、法改正により、被害者参加制度がつくられました。ここでは、被害者も、裁判に、積極的にかかわることができます。
裁判にかかわることで、いやなことを思い出すなど、二次被害が出てしまう可能性がありますから、慎重な判断が必要ですが、制度の利用にあたっては、弁護士が助力をすることができます。ぜひ、ご相談ください。
その他お困りごと
質問: 取り扱っている業務は、ここに記載のあるものだけですか。その他の相談に対応していただくことはできますか。
回答:
もちろん、できます。ここに記載している取扱業務例は、あくまで、代表的なものを記載しているに過ぎません。
たとえば、最近、家事事件が増えているように感じます。これに限っても、子の引渡しを求める審判の申立て、親権者指定審判申立て、監護者指定審判申立て、審判前の保全処分申立て、養子縁組無効確認請求訴訟、子の氏の変更許可申立てなど、多様な裁判手続がありますし、その経験もあります。
そのほかにも、よくある紛争として、不動産をめぐる争いでは、たとえば、賃借人が、賃貸人から、建物を出て行けといわれているような事案があります。この場合、自分の生活の拠点をめぐって、深刻な争いになりやすく、適切な対応が求められます。逆に、問題がある賃借人に対し、賃貸人が、どのように対応すればよいのか、賃貸人が、頭を抱えている事案もあります。
医療過誤、建築関係紛争、消費者紛争など、専門性の高い案件も取り扱っており、その経験もあります。
人生にふりかかる紛争は、本当にさまざまです。弁護士が、ご相談者さまの気持ちに寄り添って、一緒に解決の方法を模索しますので、ぜひ、お気軽に、ご相談ください。
ただし、当事務所では、顧問契約は、お断りしております。
当事務所は、市民のアクセス向上を目指す事務所です。当事務所が、特定の者と顧問契約をむすび、特定の者に肩入れすることで、利益相反のおそれを生じさせ、その他の方々が相談する機会を奪ってしまうことは、当事務所の趣旨に反するからです。ご了承ください。顧問契約はできませんが、複数回、継続的に、ご相談いただくことは、もちろんできます。
なお、取扱業務の参考としての意味合いをもつ、解決事件の紹介も行っておりません。弁護士には守秘義務がありますし、ご依頼者様の大事な人生の1頁を、宣伝のために利用すべきではないと考えているからです。秘密はかたくお守りしますので、安心してご相談ください。
質問: 弁護士さんに、記事の執筆をお願いできないかと思っています。そのようなことは、できますか。
回答:
もちろん、できます。ぜひ、お気軽に、お問合せください。
市民に対し、法的サービス提供の一環として、暮らしに役立つ法的知識を提供できることは、当事務所の趣旨にも沿うものと考えています。
なお、私は、これまでも、コラムの執筆などを行っています。ご参考までに掲載させていただきますので、ご一読いただけると幸いです。
質問: 弁護士さんのお話をきく機会も少ないので、一度お話をきいてみたいと思っています。たとえば、講演会の依頼などはできますか。
回答:
もちろん、できます。ぜひ、お気軽に、お問い合わせください。
私は、高齢者の分野や、消費者の分野には、力を入れて活動しています。たとえば、これまで、高齢者の消費者被害についての講演などを行いましたが、高齢者を支援する方々が、どのような点に注意すれば、高齢者を対象とする消費者被害を防げるのか、その知識を習得することで、事前に、トラブルが生じることを、防止することができます。
内容面の充実だけでなく、面白い講演になるよう、事例の紹介など、興味を引くような工夫も凝らしています。興味がある方は、ぜひ一度、お問合せください。