私(西村幸太郎)の一連のブログ記事です。私がどういう人間なのか、どういう活動をしているのか、どんなことを考えているのか、どんな知識やスキルを持っているのか、信頼に足る弁護士か、などなど、たくさんの疑問をお持ちの方もおられると思います。そのような方々は、是非こちらの記事を御覧ください。
元最高裁判所裁判官 櫻井龍子先生 講演会
元最高裁判所裁判官・櫻井龍子先生のご講演を拝聴する機会を賜りました。先生は,主に労働関係の行政経験が豊富で,その経験が極めて有効に機能し,8年4か月の任期(本人いわく,刑期(?!))をまっとうできたとのことです。
いろいろなお話をいただきましたが,最後に,司法に残された課題等に関して,先生のお考えなどもお話しいただいたので,こちらを中心に,紹介させていただきます。
最高裁は,変わった(変わりつつある)と思っている。なんといっても,裁判員裁判の導入がもたらした変化は大きい。最高裁も,国民のためのサービス機関ということに目覚めた節がある。主文だけでなく,裁判官の裁量で,要旨も伝えよう。裁判員に対し,裁判終了後,所長名入りの感謝状をお渡ししよう。国民のためにわかりやすい判決にしよう。こういう努力もされはじめたところである。最高裁がやるべきことはやる。違憲立法審査権の行使についても,従前より,積極性がみられるようになった。
一方,民事訴訟制度については,第2の司法制度改革ともいうべき,新たな改革が必要ではないかと思われる。たとえば,欧米のアミカス・キュリエ(法廷助言人)制度を導入してはどうか。現行法でも専門委員制度はあるものの,十分かどうか検証が必要である。本人訴訟についてはどうか。最高裁にあげられる本人訴訟の比率は多い。最高裁は法律審なので,法律専門家の助力が望ましいのではないか。諸外国のIT化の波に比べ,日本はIT化が進んでいない。IT化を図るべきだ。
統計上,過払金訴訟の減少以上に,民事裁判の数は減少していない。しかし,それを手放しに喜べるわけではない。この間,弁護士の数は激増している。法テラスが設立され,市民は格段に法的手続を利用しやすくなっている。それなのに,どうして,裁判利用者は横ばいなのか。問題意識があるところである。市民における司法へのアクセスの問題をどう改善していくか。
最後の問題意識は,地方で活動する私も常に考えている問題意識です。なんでも訴訟をすればよいわけではないにせよ,法律という物差しを使った紛争解決という基盤をつくることは必要と思います。今回の講演で学んだことを,業務にも生かしながら,よりよい地方での司法サービスの提供に努めたいと思います。