私(西村幸太郎)の一連のブログ記事です。私がどういう人間なのか、どういう活動をしているのか、どんなことを考えているのか、どんな知識やスキルを持っているのか、信頼に足る弁護士か、などなど、たくさんの疑問をお持ちの方もおられると思います。そのような方々は、是非こちらの記事を御覧ください。

5時に帰るドイツ人,5時から頑張る日本人

「メメント・モリ」とは,ラテン語で,「自分がいつか必ず死ぬことを忘れるな」という意味です。ドイツ人は,この言葉を噛みしめ,若いころから,休暇を十分に楽しむ風習があるそうです。

ドイツと日本の働き方を比べながら,日本の労働環境に警鐘を鳴らす,興味深い本を読みました。熊谷徹「5時に帰るドイツ人,5時から頑張る日本人」。三波春夫氏が広めた「お客様は神様」といい言葉があらわすように,過剰ともいえるサービスを競い,顧客もそれを求める日本と,サービスはそこそこでも寛容なドイツ。労働時間の長さが評価されかねない日本の風土と,残業を許さないドイツの風土。ドイツは,1日10時間を超える労働は法律違反で,管理職も,徹底して,退社を推進しています。日本も「働き方改革」として,労働時間の制限を検討しているものの,とても十分な内容とは思えないのが現状ですが,ドイツのように法律で強制力をもって長時間労働の禁止を徹底するぐらいではないと,これまで築いてきた日本の風土を破って改革をするのは,難しいのかもしれません。

日本でNHK記者として働いたのち,実際にドイツで暮らしてきた経験を踏まえ,比較法的に働き方について考えていきます。日本においても長時間労働,残業を許さない風土,社会的合意を形成するためにどのような取り組みが有効か,考えていく上でのヒントになるかもしれません。高橋まつりさんの事件の教訓を風化させないよう,労働者皆が,そして使用者も,きちんとした関心をもって議論していく上で,このような本は大変参考になるのではと思いました。


ブロガー: 弁護士西村幸太郎

豊前の弁護士です。