私(西村幸太郎)の一連のブログ記事です。私がどういう人間なのか、どういう活動をしているのか、どんなことを考えているのか、どんな知識やスキルを持っているのか、信頼に足る弁護士か、などなど、たくさんの疑問をお持ちの方もおられると思います。そのような方々は、是非こちらの記事を御覧ください。

生命保険の効用等

弁護士が活動していく上で,いろいろな方々とのからみがあります。税理士,司法書士,社労士などの士業の方々はもちろんですが,交通事故事件では損保の関係者とのからみも多い。建築事件やIT事件などの専門性の高い事件であれば,設計士やプログラマーなどの専門性の高い方々とからみがあることも。企業・経営にかかわる事件や債務整理事件などではバンカーさんとのやりとりも欠かせません。さらに,結構身近なアイテムとして多くの人がかかわっている生命保険。個人・法人問わずさまざまな活用がされています。生命保険の営業マンにアドバイスいただいたり,実際に生命保険の利用を検討したりすることもあります。今回は,生命保険の効用について,検討してみたいと思います。(いろいろと検討できるテーマですが,思いついたままつらつらと書き連ねてみます。脈絡はないかもしれませんが,ご容赦ください。)

人生には,いろいろなお金が必要です。教育資金,子どもの結婚資金,家賃・ローン,住宅購入資金,老後の生活資金,緊急予備資金,長期療養資金,遺族の生活資金,死後の整理資金,生活立て直し資金,相続対策資金…こうした「お金」に関する問題については,生命保険が活用できます。生命保険には,①死亡に備える,②入院に備える,③三大疾病(就労不能)に備える,④介護に備える,⑤資産を形成する…などといった目的に利用できるという効用がありますので,多くの人がこれらを検討されていると思います。私なりのおおざっぱな分類だと,「保障」と「貯蓄」/「資産形成」ができる,と考えておけばよいのかなと思っています。生命保険はうまく使えば節税もできるので,必要な保障・資産形成をしつつ,副次的効果として節税の恩恵も受けるという発想で利用していけばよいのではないかと思っています。

ところで,複雑怪奇な生命保険も,おおざっぱに分類すると,①養老保険,②定期保険,③終身保険の3つに分類できます。①養老保険はいわゆる貯蓄型で,保険料を支払って貯蓄していく感覚で保険を利用できます。解約返戻金が出る代わりに,保険料は比較的高めになることが多いです。②定期保険は,いわゆる掛け捨ての保険の多くがこれで,安くて高い保障が得られるのが特徴。保障に特化しているため貯蓄性はないのが一般です。そして③終身保険はその名の通り加入すれば一生涯保障が受けられるのが特徴で,保障を志向したものということができます。複雑な生命保険も,基本はこの3つで,この組み合わせで商品ができているのですね。仕組みがざっくりとでもわかっていれば,商品の特徴を把握するのに,役立ちます。

多少の基礎知識はもった上,「必要な」保障や資産形成ができるのがよいのかなと思っています。安心のために,といって,なかみがよくわからないまま,必要性に疑問なものも含めてパッケージで加入してしまうこともあるようです。日本は,健康保険制度が整備されているため,医療保険については,相対的に必要性が高くないとも聞きます(もちろん,貯金だけでは補えないようなリスクには備えを検討する必要がありますが。)。むしろ,年金制度が危ない時代なので,将来の備えの必要性は高いといわれます。なにもかもを備え・資産を形成できればよいですが,保険料の負担との兼ね合いで,優先順位を付けつつ,必要な限度で加入を検討せざるを得ないでしょうから,内容をよく吟味して,必要な限度の内容で,必要な時にお金が受け取れるような内容の保険を利用していくのがよいのかなと考えています。

保障の関係でよく取り上げられるのは「ガン」(悪性新生物)ですが,ガンは自分の努力で防ぎやすいものでもあるそうです。また,よく2人に1人はガンで死亡するなどといった統計なども紹介されますが,男性は50代からリスクがグンと上がるものの,若いうちはそうでもないなどという話もあります。他方で,女性の場合はというと,乳がんや子宮頸がんなどの特有のリスクに気を付けなければなりません。上皮内新生物と悪性新生物では,厳密には後者のみがガンであって,前者の場合は保障の対象になっていないなどといったことでトラブルになることもあったようです。いずれにせよ,内容をよく吟味して,必要な時期に必要な保障が受けられるようにするよう検討するしかないのかなと思います。

貯蓄については,銀行預金という手段もありますが,長期的なスパンで検討できるのであれば,保険は1つの選択肢になるでしょう(数年程度の短期間における貯蓄・資産形成については,保険は向いていないと思います。)。長期間で物事をみるとなると,人口の増減,少子高齢化,物価の上昇・下落,教育費の増大,消費税の増税など,さまざまな経済的な要素も考慮して検討していかなければならないという面があります。経済の勉強も必要で,なかなかに大変ではありますね。

資産運用については,GPIFという機関において,運用のプロフェッショナルが,年金をいかに増やすか苦心しながら運用しており,参考になります。長期運用,資産分散,時間分散(ドル・コスト平均法)などといった考え方で運用しているようで,参考にしたいところです。

節税の関係では,生命保険料控除があることや,相続の場面では「500万円×法定相続人」の非課税枠があるなどといったこともよく知られており,活用ができると思います。

お金の関係では,他にも,銀行預金,共済,株式,投資信託…といろいろな制度・機関がありますから,それらも活用し,ベストな組み合わせを探っていきたいものです。

生命保険も,法人向けのものでは,最近,退職金の積み立てを保険を利用して行うという商品がはやっているのだとか。小規模の個人事業主などは,いわゆる中退共の利用などはされていると思いますが,これから保険の利用という選択肢も増えてきそうですね。

保険を私生活で,業務において活用するための方法は,現在進行形で,私も考えているところですので,また考えが変わったり纏まったりしたら,備忘のために記載していきたいと思っています。保険は,人生で2番目に大きな買い物などとも言われ,金額が大きい割には,内容がよくわからず,納得感の少ない商品とも言われているようです。せっかくなので,自分で納得して,必要な時に必要な分だけ必要なお金が出て,日々の保険料が家計を圧迫しない,それでいて節税などの恩恵も受けられる,そんな利用を目指していきたいですね。

とりとめもないことをつらつら書いてしまいましたが,本日はこの辺で失礼します。


ブロガー: 弁護士西村幸太郎

豊前の弁護士です。