私(西村幸太郎)の一連のブログ記事です。私がどういう人間なのか、どういう活動をしているのか、どんなことを考えているのか、どんな知識やスキルを持っているのか、信頼に足る弁護士か、などなど、たくさんの疑問をお持ちの方もおられると思います。そのような方々は、是非こちらの記事を御覧ください。

許すな!パワー・ハラスメント

セクシュアル・ハラスメントは,英語圏で使われるれっきとした英熟語であり,アメリカ判例法も形成されてきたものです。一方,パワー・ハラスメントは,日本人によって英単語を組み合わせてつくられた造語です(弁護士になって初めて知りました。)。

バブルのころ。企業は目覚ましい発展を遂げ,労働者もその波に乗っていたといえます。ところが,バブルが崩壊し,リストラの波がおそいます。上司からのプレッシャーもきつくなってきます。メンタルヘルスのバランスを崩す社員が増え,社会問題化されました。そんななか,2003年,岡田康子著「許すな!パワー・ハラスメント」が出版されます。同氏は,「パワハラほっとライン」という電話相談を主宰する㈱クオレ・シー・キューブの代表取締役です。同氏が,パワハラの名付け親と言われており,本の出版から,徐々に言葉が浸透していき,いまではその言葉を知らない者はいないといってもよいでしょう。

その後,2012年,それまでの議論の蓄積を踏まえ,厚労省が,パワハラを再定義します。

2003年の本ですから,その後の議論は踏まえられていませんが,さすが原点ともいうべき,示唆に富む事例が多数掲載されています。電話相談の事例の蓄積をもとに記載されているため,説得力があります。「なぜ,この上司はパワハラをするのか」という背景事情,「もし,あなたがパワハラ被害に遭ったら」という対処法に至るまで,具体的に書いてあり,一読の価値ありです。

興味がある方は,ぜひ一読してみてください。

平成30年8月28日,ハラスメントに関する講演会のご依頼をいただいています。この機に,私自身が改めて学びなおし,身のある講演会にしていきたいです。


ブロガー: 弁護士西村幸太郎

豊前の弁護士です。