私(西村幸太郎)の一連のブログ記事です。私がどういう人間なのか、どういう活動をしているのか、どんなことを考えているのか、どんな知識やスキルを持っているのか、信頼に足る弁護士か、などなど、たくさんの疑問をお持ちの方もおられると思います。そのような方々は、是非こちらの記事を御覧ください。
孤高のメス
連続ドラマW「孤高のメス」(2019)。
医療界の複雑で特殊な人間関係について描写するドラマは,医療ドラマの金字塔である「白い巨塔」第一部でも描かれていますが,今回のドラマも教授選などでそうした描写がふんだんに見られました。
時は1980年代後半。私が産まれたばかりの頃です。妻が「今は看護師さんあんな帽子かぶらないよ。昔の話なんかな。」と言っていたのが思い出されます。未だ脳死についてコンセンサスが得られていなかったころ。地方の病院では中央の病院の医師の派遣に頼らざるを得なかった状況(弁護士過疎偏在問題と似たようなところがあるかもしれません。),目の前の患者が苦しんでいるのに慣例を重視する背景など,医療にはびこるさまざまな問題を描きながらストーリーは展開されていく。窮屈な医療界を変えたいという野心を燃やす中,当初は反発していた慣例主義,体裁や建前に取り込まれていく実川教授と,最初から最後まで一貫して目の前の患者を救うことだけを考えて行動する当麻医師を対比させながら,医療の在り方を問うように物語は進んでいきます。ジャーナリストの報道姿勢についても考えさせられるところがありますね。
ラストは,主人公にとってハッピーエンドとは言い難く,あえてサクセスストーリー的に更生していないところも好感が持てます。医療を取り巻いていた問題の根深さを象徴しているのではないでしょうか。
もちろん,当時より医学は進歩し,また脚色が過ぎるような部分もあるのでしょうが,医療を取り巻く問題について考える題材として,大変勉強になりました。
タッキー(滝沢秀明さん)が引退前の最後のドラマとしてこちらに出演したというのも面白いですね。最期のドラマがこの作品ということで,どのような思い入れがあったのかなど,ぜひ聞いてみたいものです。
医療問題に携わる方,医療について考えたい方におすすめの一作。