私(西村幸太郎)の一連のブログ記事です。私がどういう人間なのか、どういう活動をしているのか、どんなことを考えているのか、どんな知識やスキルを持っているのか、信頼に足る弁護士か、などなど、たくさんの疑問をお持ちの方もおられると思います。そのような方々は、是非こちらの記事を御覧ください。
感染対策について
緊急事態宣言が解除されるも,比較的近しい北九州市では立て続けにクラスターが起こっているとのこと,不安な日々が続きます。宣言解除後も,手指消毒,マスク,アクリルボード,Webを活用した打ち合わせ,ペーパーレス&IT化の試みなど,対策は続けています。ここで改めて,感染対策について勉強してみたので,まとめてみます。
感染に至る簡単なモデルを示すとすれば,「病原菌→感染→感染症」という流れをたどると思います。「病原菌→感染」の流れを食い止めるために手指の消毒,マスクなどの対策をとることになります。「感染→感染症」の流れを食い止める意味では,規則正しい生活により免疫を上げることも重要です。
上述の感染について,感染経路の三パターンが,①接触感染,②飛沫感染,③空気感染です。
①接触感染について,結核菌以外の多くの菌,たとえば疥癬(要はダニ),ノロウイルス感染症,緑膿菌感染症,MRSA(メチリン体制黄色ブドウ球菌)などの感染経路は接触感染です。接触の主役は「手」になります。結核菌以外のほとんどの菌は手を介してうつります。床や壁を消毒してもほとんど役立たず,手洗いが重要になってきます。洗浄・消毒が不十分な医療器具から病原体がうつってしまうこともあるので気を付けます。
②飛沫感染について,「飛沫」とは,咳やくしゃみのしぶきのことです。たとえば,一般の風邪のウイルス,インフルエンザウイルス,風疹(三日はしか)ウイルス,流行性耳下腺炎(おたふく風邪)を起こすムンプスウイルス,マイコプラズマ,溶結性連鎖球菌,髄膜炎金,百日咳金などがこれにより感染します。飛沫が付着したものに手で触ってそれを介して感染することもありますので,飛沫感染するものは,接触感染にも気を付けなければなりません。サージナルマスクなどによる対策が効果的です。
③空気感染について,たとえば,結核菌,麻疹(はしか)ウイルス,水痘(水疱瘡)・帯状疱疹ウイルスなどはこれによる感染です。飛沫と違って同じ空間にいるだけで感染しますので,隔離などの措置が必要になります。
その他,B型・C型肝炎,梅毒,エイズなどは,粘液や血液中の病原体が別の人の血液に入って感染します。
新型コロナウイルスは,空気感染はしないようなので,飛沫感染・接触感染に気を付けることになります。
アメリカの専門組織から提唱されているスタンダード・プリコーション(標準予防策)が参考になります。基本として,病原体は,「しっとり,ヌルヌル,べちょべちょ」の①血液,②体液・分泌物(汗を除く),嘔吐物,排せつ物,③傷害のある皮膚,④粘膜に含まれることが多いので,これを扱う時こそ,「感染のリスクがあるもの,感染する可能性があるもの」として注意をするように促しています。素手で触らない,手袋をする,すぐに手を洗う,手袋をしていても外した後は手を洗う,マスクやゴーグルの活用,使い捨てガウンの活用,使用後の注射針はリキャップせず,所定の容器に捨てるなどです。咳エチケットももちろんですが,スタンダード・プリコーションでは,手洗いは,「ほかのいろいろな予防策とは独立した,もっとも重要な感染防御手段である」と述べられています。しっかり手洗いすれば20~30秒はかかるでしょうし,溜めた水ではなく流水を使う,固形石鹸ではなく液体せっけんを使う,手首や親指の付け根は意識してあらう,よく拭くなど細かい点も気を付けるべきとのことです。手袋,うがい,マスク,エプロンなどの活用も図るべきです。
洗浄(汚れを洗い落とす),消毒(病原菌を殺したり弱らせたり),滅菌(完全な無菌状態)の区別があります。消毒なき洗浄はあるが,洗浄なき消毒はない。注射針や手術道具には滅菌が必要。昔からやられていた①消毒薬を服や靴に噴霧する,②部屋の前などに粘着マットを敷く,③グルタールアルデヒドやホルマリンによる人体や部屋の消毒は効果がないんだそうです。
これを機に感染対策について勉強してみましたが,なかなか奥が深いです。さらに理解を深めていきたいと思います。