私(西村幸太郎)の一連のブログ記事です。私がどういう人間なのか、どういう活動をしているのか、どんなことを考えているのか、どんな知識やスキルを持っているのか、信頼に足る弁護士か、などなど、たくさんの疑問をお持ちの方もおられると思います。そのような方々は、是非こちらの記事を御覧ください。
マスク 意思疎通に壁(令和2年9月12日(土)西日本新聞)の記事を読んで
2020年(令和2年)9月12日(土) 西日本新聞 20面 北九州京築 「マスク意思疎通に壁」(石黒雅史記者の記事)を読みました。
聴覚障害者にとっての「コロナ禍」は,マスク着用により口の動きが読み取れないで意思疎通が困難になることなのだそうです。聴覚障害者にとっては手話が母語。日本語は第2言語。手話には「てにをは」がなく,単語の連続なので,つながりは動作や唇の動きを読んで解釈する。感染防止のためにマスクをするなとも言えないし,どうしたら…という趣旨の記事でした。
私も,たびたび,聴覚障害者の相談をお受けします。コロナ禍でなくとも,意思疎通の難しさを感じました。手話には助詞がないということも,通訳さんに教えてもらって初めて知りました。私は,一般の方にもわかりやすく,「腑に落ちる」説明と解決を心がけています。しかし,これが難しい。紛争の解決というのは,単発のアクションをどうするかより,適切な見通しを立てた上,トータルプランニングすることが重要です。単語の連続ですと,この全体像を示すのがとても難しいのですね。通訳のことも考え,ひとフレーズごとに,1つずつ話していくことが多いです。しかし,途中で流れがわからなくなってしまうのか,話がかみ合わなくなることも多い。ホワイトボードを利用し,視覚的に説明を試むと,比較的わかりやすいようです。しかし,板書と説明の対応関係を把握するのは難しいようです。そもそも,難しいものを難しいままで説明しようとしていないか,よりかみ砕いたシンプルな説明ができないかも,よくよく検討しなければなりませんね。
唇の動きや表情が読めないとなると,より情報が制約されて,上手く伝わらないということもあるでしょう。弁護士側でも,伝える努力を怠らないようにしたいです。
インタビューに答えていたのは,京築手話協会(豊前市)の理事長先生。会社員を辞めて通訳者を派遣する団体を設立,10年前に一般社団法人にしたというその軌跡に感銘を受けました。現在20人が登録しているそうです。コミュニケーションは人間関係の基本。人間の根幹ともいえる営みに尽力いただいているというのですから,尊敬に値する活動だと考えます。
私の妻は,言語聴覚士(ST)です。コミュニケーションを専門に扱っています。現在,障害を持った児童の支援にも取り組んでおります。改めて,妻とともに,コミュニケーションのあり方に理解を深めながら,社会に情報発信したり,我々にできるお手伝いをしたりして,よりよい地域をつくっていきたいと思いました。