私(西村幸太郎)の一連のブログ記事です。私がどういう人間なのか、どういう活動をしているのか、どんなことを考えているのか、どんな知識やスキルを持っているのか、信頼に足る弁護士か、などなど、たくさんの疑問をお持ちの方もおられると思います。そのような方々は、是非こちらの記事を御覧ください。
陽はまた昇る
※スタッフ投稿です※ 先日,所長の勧めで,「陽はまた昇る」(2002年,東映)を鑑賞しました。
「陽はまた昇る」は,VHS誕生にまつわる物語です。 VHSを知らない世代の方には,DVDをイメージしていただけると分かりやすいと思います。私の幼少期は,週末にVHSがずらりと並ぶレンタルビデオショップに行っては,大好きな映画を借りてくるというのが楽しみでした。
この物語には,突然の人事異動や人員・コスト削減の指示,信頼していた部下の退職など,一難去ってまた一難の中,懸命に生き抜いた人々が描かれています。 DVDパッケージ裏側には,大きな文字で「VHS誕生に隠された奇跡の逆転劇」とあります。確かに,結果的には逆転劇だったのかもしれませんが,間違いなく言えるのは,本物の志を持った人間の生きざまを観ることができるということです。 基本的には主人公の加賀谷静男(西田敏行)が中心の物語ですが,周囲の人々の様子も細かく表現されており,大変引き込まれました。 かっこいいのは,主人公だけではないのです。
鑑賞後,ぜひ感想を書きたい!という気持ちになりました。というのも,日々当たり前のように生きているが,そこに志はあるのだろうか,と強く自問する機会になったからです。 事業部長という立場である主人公のように,自ら決めた計画や目標に責任を持つということ。そして,主人公を支えた人々のように,与えられた役割に責任をもって,熱意をもって,一生懸命に取り組むということ。 どちらも,まだまだ足りないと感じています。 まだまだ,できることがある。
主人公の加賀谷事業部長の姿は,とても素敵でした。 突然の配属に動揺しながらも,241人の部下全員の名前を懸命に覚えたり,「下請け会社」ではなく「協力会社」と呼ぶよう指示したり,数値・数字ではなく人脈や社員プロフィールなどの「財産」をまとめた資料を作るよう指示したり,とにかく人を大事にしています。 気が弱く,決してセールストークが上手なわけではない,それでも,熱意がたくさんの人に伝わっています。それは言葉だけではなく,行動が伴っていることも理由でしょう。
主人公の他に誰かひとりを挙げるなら,大久保次長(渡辺謙)です。 この映画の中で,最も変化の大きい人だったと思います。 大久保次長は,当初は主人公が何を言っても「できません」「無理です」と即答していました。確かに,大変厳しい状況のなかで,できない理由がいくらでもあったというのは納得です。それでも「やる!」と決めた主人公を,とても苦悩しながら支えていました。 そうしてついに,主人公が社員に提案をするとき,驚いて固まっている社員の中で真っ先に拍手をするまでになりました。クライマックスの逆転劇のきっかけも,大久保次長のひらめきがあってのことです。 当然,人はそう簡単に変われるものではありません。それでも,静かに,諦めず,ふてくされず,一生懸命生きてきたのだと思うと,本当に尊敬しかありません。
どんどん移り変わっていく時代のなか,本当に大切なものは何か。 それを考えさせてくれる,大変すばらしい映画です。