私(西村幸太郎)の一連のブログ記事です。私がどういう人間なのか、どういう活動をしているのか、どんなことを考えているのか、どんな知識やスキルを持っているのか、信頼に足る弁護士か、などなど、たくさんの疑問をお持ちの方もおられると思います。そのような方々は、是非こちらの記事を御覧ください。
いままでの投稿: 2018年9月
幣所事務員の司法試験合格
幣所で勤務しておりました松本(豊前市出身)が,司法試験に合格しました。おめでとうございます。記事として取り上げていただいたので,紹介いたします。
以下、記事文章の引用です。
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豊前出身・松本さん、司法試験合格 「困っている人に寄り添う法律家に」意欲 バイト先 市内の法律事務所もエール
今年の司法試験に豊前市出身で、7月から市内の豊前ひまわり基金法律事務所で調べ物や書類作りを手伝うアルバイトをしていた松本尋規さん(25)が合格した。名古屋大法科大学院を修了して2回目で難関を突破。「困っている人に寄り添う法律家になりたい」と意欲いっぱいだ。
松本さんは、同市の八屋小、八屋中、青豊高校を卒業し、鹿児島大法文学部に進んだ。高校で、法学部出身だった社会科の先生の話の面白さや考え方に共感し、法学関連の学部を志したという。大学3年のとき、法科大学院を修了すれば就職にも有利だとのアドバイスを受けて、名古屋大法科大学院の法学既習コース(2年)へ。講師を務める弁護士や検事らと懇親を深めるうちに、法を通じた責任ある仕事で社会貢献をしたいと思い、本格的に司法試験をめざしたという。
大学院の2年間は、24時間使える自習室を朝9時から夜の12時まで利用した。授業や食事、休憩以外は出ず、1日10時間以上の勉強が続いた。盆や正月に帰省することもほとんどなかったという。
それでも、大学院を修了した昨年は不合格だった。「論文の説得力が弱かった。知識があれば何とかなると思っていた」と振り返る。その後は名古屋の法律事務所で午前中にアルバイトし、先輩らの助言を受けて論文対策も進め、今年の試験に臨んだ。「親や周りの人にいろいろ負担をかけているので、合格を報告している自分を思い描きながら勉強を進めた」
豊前ひまわり基金法律事務所の西村幸太郎所長は「短い間だったが、実務に興味深く取り組んでくれた。依頼者の立場で頑張ってほしい」とエールを送る。今年の司法試験の合格合評は11日にあった。法務省の発表では5238人が受験して1525人が合格。合格率は29.11%だった。新試験が始まった2006年以降では受験者数も合格者数も最少だった。(小浦雅和)
朝日新聞 2018年9月28日 朝刊 29頁 京築
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松本さん、頑張ってください。
幸い,その他にも,幣所で勤務している事務は海事代理士の資格を有するなど,多彩な才能の持ち主が集まっています。幅広いサービスを目指して今後も頑張っていきます。よろしくお願いいたします。
なかつ・こどもいきいきプレイルーム
地域における親子のふれあいの場・面会交流候補場所に関する記事の第2弾です。
先日,サンリブ内・なかつ・こどもいきいきプレイルームに行ってきました!子どもの年齢によって,入れる場所が分かれており,元気な子供が小さな子どもを踏みつけるなどの事故防止策をしっかりしています。子どもがなんでもおもちゃを口に入れることを見越して,消毒もしっかりしており,口に含んだものを未消毒の箱に入れておけば,これを定期的に消毒してくれるようです。壁にさまざまな仕掛けを用意したおもちゃが埋め込んであり,つかまり立ちしだしたお子様にも人気がありそう。コンセント差込口が好きな子どもさんの危険防止のため,穴はふさいでいます。絵本読み聞かせのスペースもあり,動き回る年齢のお子様のためには,広々とした遊戯スペース。外側から遊戯スペースはのぞけるよう,透明の仕切りになっています。ランチスペースもあり。親子で楽しい時間が過ごせそうです。
面会交流の場所としても,他人の目が届くなかで,子どもと楽しい時間を過ごせるということ,室外からのぞいて様子を見ることも可能な点などで,1つの候補場所になるのではないでしょうか。
ドライブレコーダーの効用
交通事故で揉める事件の典型は,過失割合=事故態様でもめるケースです。そんなとき,ドラレコの映像=客観的証拠があれば,グッと解決に近づきます。弁護士としては,せひともつけてもらいたいと思うのですが,少なくとも私は,ドラレコを付けていた依頼者に出会うことがほとんどありません。地方だからかそうでないのかわかりませんが,まだまだその程度の普及率なのだと思います。
かくいう私も,ドラレコをつけたのは,最近です。ドラレコをつけると,事故が起きてしまったときの証拠になるという効用だけでなく,そもそも,録画されているという意識から,運転に慎重になるという効用も期待できます。事故が予防できれば,それに越したことはありませんね。さらに,「ドライブレコーダー 録画中」などといったステッカーを,後部などに張り付けておくと,煽り運転防止に役立つそうです。みなさん,他人の目があり,形に残っちゃうと,非常に慎重になるようですね。
価格も,せいぜい数万円ですし,ぜひとも活用を広めていければと思います。少なくとも,私が話す機会のある方には,広めていこうと思いました!
北九州市立 子育てふれあい交流プラザ 元気のもり
地方の離婚でも,例に漏れず,面会交流で紛糾することは,よくあります。なかでも,「面会場所」に頭を悩ませることも。監護親が,非監護親と子どもが密室(相手方の自宅)で面会することに拒否反応を示したり,相手方と同居する親族との面会を嫌がったり,自宅での面会が困難なことが多いです。とはいえ,近くの公園は閑散としていて,なんとなく危ない気がしますし,大型ショッピングモールなどでの面会も難しそう(そのような施設がなかったりします。)。面会交流のための専用の施設・機関もないですし(北九州市であれば,たとえば,通称「こふれ」と呼ばれる機関もあります。),どうすればよいのか…と悩むことが多いです。
地方での適切な面会場所候補は,妙案があれば教えてほしいくらいですが,少し足を伸ばして,中津方面や小倉方面まで出てくれば,いくつか,候補となる場所がありそうです。
先日,息子と,北九州市立 子育てふれあい交流プラザ 元気のもり に行ってきました。夫婦でちょっとした外出したいときは,子どもの一時預かりもしてくれます。さらに,中には,親子で触れ合いができる設備がてんこもり。子どもが落書きしてOKの壁とか,おおっと思う工夫がいっぱい。たくさんの方が利用されていて,お友達もできるかもしれませんね。
面会交流でこういう場所を利用するのもありかなと思います。他の人の目がありますので,そう無茶なことはしないでしょうし,親子の触れ合いを楽しくできるので,楽しい経験を積み重ねていけば,非監護親と子どもが,良い関係を維持していけるかもしれません。
他の人へのプライバシー保護のため,あえて写真は控えますが,公式HPにも様子の一部が載せられていますので,ご参照ください。
大人のためのマッサージチェアなどもあるそうですから,今度は使ってみようかと思います。
税務研修に参加してきました!
税務研修に参加してきました!
地方に限られないかもしれませんが,相続事件における相続税,贈与税の取扱い,離婚事件や破産事件での不動産処分に係る課税など,税法の知識が必要となる場面があります。相談の中で,税に関する質問がされることもあり,税務について勉強しておくことは有益です。もちろん,自分の事務所経営にも役立ちます。前事務所の企画で,九州北部税理士会福岡支部の税理士でもある金谷比呂史弁護士より,貴重な研修をいただきました。
先生は,教科書的なお話にとらわれない,独自の視点,経験に基づき,「弁護士として」税の法学にどう向き合っているかをお話しいただきました。実際の業務に関するところでは,たとえば,以下のような部分が大事なのかなと思いましたので記しておきます。
・事業所得は必要経費控除を認めるが,給与所得や一時所得は認めない。
・事業所得は損益通算を認めるが,給与所得や雑所得は認めない。
・税法の世界では,損も価値がある場合がある。
・土地の所有権移転の原因が,和解条項において,売買(譲渡所得)か,時効取得(一時取得)かで課税関係が変わる。
・財産分与の場合,分与「した」側に多額の課税がされることがある。含み益に課税するという発想だから。
・遺産分割をするときは,換価分割にはしないこと。譲渡所得税が発生してしまう。現物分割か代償分割がよいが,現物分割は現実にはほとんどないだろうから,代償分割がよいだろう。
・未払い賃金があるとき,それが複数年にわたる場合,源泉分の処理をどうするかは問題になり得る。使用者側としては,源泉した上で支払うことになろう。
・とにかく租税特別措置法が出てくるが,措置法という割に恒久法のようなものもあり,税理士は補助金みたいなものという先生もおられる。本職の税理士にしっかり確認すべし。
・弁護士報酬は,事業所得であっても,支払者が源泉徴収納付義務を負うので,要注意。自分が支払う報酬につき,源泉徴収義務があるかどうか気になったら,所得税法204条を確認する。
・固定資産税や印紙税は,税理士の業務にも入っておらず,面白い世界。
・和解で現金を受け取った場合は,当事者名義の領収書なら印紙税が発生するが,弁護士名義の領収証であれば,収入印紙を貼る必要がない。
話はつきませんが,税の世界の面白さに触れたように思いました。引き続き勉強したいです。
モンテッソーリ教育のすすめ
家事事件関係で特にですが,ご依頼者様から,家族のなんたるか,教育のなんたるかなどを学ぶことも多いです。藤井聡太七段の活躍によって広く知られるようになったと言われる,モンテッソーリ教育についても,ご依頼者様から教えていただく機会がありました。
モンテッソーリ教育は,マリア・モンテッソーリという女性医学者・科学者により,イタリアで始められた教育です。
このたび,多少なりとも,子育てについて学ぶ機会がありましたので,メモ程度に記しておきたいと思います。
モンテッソーリ教育を行うために大切なのは,①子どものことをよく知ること,②子どもをよく観察して,見守ること,③環境を整え,必要なときだけ助けること,だといいます。
同教育のなかでは,「敏感期」という時期を提唱していますが,これは,「ある目的のために,あるときにだけ,何かに対して,非常に強く反応する」という時期をさすことばです。特に男の子はこだわりのある子が多く,親にとってみると不可解な子どものこだわりの中に,子どもの能力を大きく伸ばすヒントが隠されているといいます。イヤイヤ期と重なるその時期を,イヤイヤ期として対処するか,敏感期と知って子どもに適切に接するかで,その子のその後の能力は大きく変わっていく。目からうろこの話でした。
具体的なお話がないとわかりづらいと思いますが,にわか勉強の私では,適切に紹介できるか不安があるので,いくつか感心したお話だけピックアップさせていただき,まとめとしておきたいと思います。
モンテッソーリ教育を理解すると,子どもに「かける言葉」が変わり,結果,子どもさんはぐんぐん伸びるといいます。たとえば,私たちは,なにか子どもさんが成し遂げると,「すごい」と言いがちです。しかし,この言葉は,結果に重きが置かれています。それが悪いというわけではありませんが,親としては,「過程」や「努力」に目を向けるべきと言います。結果に注目していると,結果をあげたときしかほめてあげられない。しかし,過程や努力に注目していると,いつだって子どもをほめてあげられる。私たちは,子どもが何かできた時は,「良かったね」というべきです。これは,共感の言葉。言葉の裏側には,頑張っていたのを知っているよ,見ていたよというニュアンスが含まれています。結果が伴わなかったときは,「頑張ったね」「頑張ってたね」。「すごい」ばかり言っていると,子どもはプレッシャーを感じるかも。「良かったね」であれば,そのような無駄なプレッシャーは感じなくなります。
才能が育つ環境の話も魅力的。大小の図鑑を用意するという話は感心しました。大きな図鑑は,「読む」ことを学ぶことができる。小さな図鑑は,出掛ける時に持って行って,図鑑と本物の動物を見比べるようにします。1度本物を見ておくと,図鑑の見方が変わりますので,1段深い学びになるのです。
ほかにも目からうろこの話がたくさんありました。子育てのヒントが見つかるかもしれません。ぜひともご参考ください。
ハイ・クライムズ
軍事法廷モノの映画です。「ハイ・クライムズ」。
女性弁護士の夫が突然殺人容疑をかけられ逮捕されてしまったことをきっかけに,軍事法廷へ。妻自ら代理人として弁をふるいますが,軍事法廷の特殊性の壁に戸惑います。軍事法廷を得意とする弁護士(モーガン・フリーマン)とともに裁判を闘うが,事態は思わぬ方向へ…
テンポのよい進行で,サスペンスが展開されます。若干,展開が読めるところ,伏線があからさまなところもありましたが,全体としては比較的よくまとまっていたのではないでしょうか。
法曹の立場からすると,軍事法廷の特殊性にもっとスポットライトをあてて,法廷シーンをもっと多用していただければ,さらに興味を惹かれたかもしれませんね。
外国法,特定分野の特殊な法制度につき,少し勉強してみようかと思った作品でした。
ディスクロージャー
先般,ハラスメントの研修を担当させていただきました。その際,「ディスクロージャー」という映画を紹介させていただきました。
日本でも,歴史的に,セクハラは男性から女性にされるものとされてきましたが,次第に,女性から男性のセクハラもあると認識されるようになり,均等法の改正により,定義にも盛り込まれました。遡って,セクハラは,れっきとした英語圏発祥のことばですが,女性から男性のセクハラもあることは,マイケル・クライントン原作の「ディスクロージャー」によって広まったと言われているそうです。女性から男性へのセクハラ(見方によってはパワハラとも理解できます。),その背景にあった陰謀を描いた作品です。
この映画をみると,男性からのハラスメントだけでなく,女性からのハラスメントも恐ろしいなということがよくわかります。ご参考ください。
あさかぜOB・OG会
平成30年9月8日~9日,@雲仙市・旅館 東園にて,私の前事務所=あさかぜ基金法律事務所のOB・OG及びその家族が集い,設立10周年を記念して,同窓会が開催されました。同事務所は,九州管内のうち,弁護士がいない/少ない地域へ人材を輩出するための事務所として,活動を続けております。その成果として,20人あまりの弁護士が,弁護士のいない/少ない地域へと赴任をしており,OB・OGの数もつながりも密であって,旧交をあたためるにとどまらず,諸先生方の赴任時の状況,現在の活動状況,司法過疎偏在問題の現在的な課題,これに対する種々の意見などにつき,報告・検討・議論をする機会とできました。地方過疎偏在問題に取り組むプロフェッショナルとの交流の機会があり,これを活かして情報を収集したり,アイデアを得たり,事件処理・事務所経営のヒントとできることは,同じく司法過疎偏在地域で活動する幣所の大きな強みと言えると思います。
雲仙市での開催ということで,隣接する島原市にて活動を続けておられる,島原中央ひまわり基金法律事務所の事務所訪問もさせていただきました。事務所の立地,内部のレイアウト,事務局との関係構築,事件処理,事務所敬愛など,種々にわたって,状況を具体的に教えていただくことができ,大変参考になりました。さまざまな地域の事務所をみて参考にできるところも,幣所の強みと言えるでしょう。
弁護士間のつながりも大事にしながら,今後も,良質なリーガルサービスを続けていきたいと思います。
お昼にいただいた,平野鮮魚店でのスペシャル海鮮丼,あら汁は絶品でした。島原の食は大変おいしゅうございましたね。
これからも九州各地をまわりながら,九州の弁護士過疎偏在問題について考えていき,ひいては自分の活動している地域,お客様に還元していきたいと思います。
【東園 とても素晴らしい旅館!】
【島原中央ひまわり基金法律事務所 事務所訪問】
【平野鮮魚店 絶品の海鮮屋さん】
ほどよく距離を置きなさい
「九州第1号の女性弁護士」として,60年を超える弁護士人生を活躍する,湯川久子弁護士。先生のご著書,「ほどよく距離を置きなさい」を読んで,大変感銘を受けましたので,記しておきたいと思います。
先生は,民事裁判の世界の法は,「裁く」のではなく「ほどく」ための法だと言います。裁判の「勝ち」「負け」で評価されがちの弁護士の世界において,はっとさせられる言葉です。エッセイ風に記述がされており,読み進めるとその章ごとに,短くまとめられた含蓄あるフレーズが示されます。たとえば,「『期待どおりにならない』のが子育て。でも,子どものために流した涙が 親も子も育ててくれる -子は言うことを聞かないが,親の姿を見て学ぶ」「人生は自分だけのもの。でも,その命は,誰かにもらい,活かされ,ここにあるもの -「1人で生きていくなんて,おこがましいことです」「『人に助けてもらうこと』『自分でできること』その境目は自分で見つけるという自立 -気品のある老い方をする」といった感じ。さすが,言葉の深みが違うなと思う内容です。弁護士の活動だけでなく,人生の指針としても,大変参考になります。
私も,先人に負けないよう,日々精進していきたいと,改めて決意を新たにしたところです。