私(西村幸太郎)の一連のブログ記事です。私がどういう人間なのか、どういう活動をしているのか、どんなことを考えているのか、どんな知識やスキルを持っているのか、信頼に足る弁護士か、などなど、たくさんの疑問をお持ちの方もおられると思います。そのような方々は、是非こちらの記事を御覧ください。

円満調停について

私が扱う業務のなかで,男女関係に関する業務,たとえば離婚調停や離婚訴訟なども,メインの業務のひとつです。

これら業務においては,個人とは,夫婦とは,親子とは,性とは,家族とはといった,人間の営みの根幹にかかわる部分を取り扱います。時代の動きとともに考え方も変わっているところであり,奥深い問題です。

弁護士が離婚事件を扱っていると,①法的に離婚できるかどうか,②親権や面会交流等,子どものことについてどうするか,③財産分与等,お金の面についてどうするか,といった点を整理していって,いったんは一緒になったご夫婦を,再び個々の生活として再スタートするための支援をしていくことが多いわけですが,弁護士は決して離婚させるために存在するものではありません。確かに,弁護士に委任するような事案は,相当にこじれていることが多いですので,離婚に進む割合が圧倒的に多いですが,たとえば夫婦関係調整調停の結末は離婚に限らず「円満調停」という結末だってあり得るわけでして,実際にそのような経験もございます。人の心ですから,揺れ動いて当然です。数は少ないにしても,私も最近数件の円満調停を経験し,思うところがありましたので,記事にしてみることにしました。

弁護士は,ご依頼者様の利益を尊重いたします。私は,「その人にとっての最大の利益」が大事だと思っていますので,その方が迷っていればじっくりとお話をお聴きし,決して結論を急がず,しかしその方が気になっている・不足している知識については,問われればしっかりと補うという役割を果たしていきたいと思っています。とはいえ,弁護士は,法的な解決,ことに財産関係の清算に関する処理には強いと思いますが,円満調停を目指すにあたって,どのようにすれば幸せな家庭を築けるか,問題が再燃しないようにできるかなどについては,法的な物差しでスパッと解決できるような問題ではなく,何をどこまで弁護士としてサポートできるのか,非常に悩ましいところです。特に,DV事案等,生命・身体の危機等が切迫している場合などについては,本人の意向に寄り添いつつも,その意向について客観的な状況に即したものになるように働きかけるべきと思われる場面もあるわけでして,対応は容易ではありません。

離婚に誘導するようなことも,修復の途を閉ざすようなこともしたくありませんが,ご依頼者様が弁護士に求めているニーズには応えたい。実際に,円満調停を目指す際には,「弁護士さん,やり直したいという気持ちもありますが,不安な気持ちもあります。どうしたらいいでしょうか。」「私は家族関係を修復したいと思っていますが,家族には反対の意見をもっている人もいるみたいです。何とかうまくできませんか。」といった質問もよくあります。弁護士の主観的なアドバイスが,変な方向に向かうことになってしまうのは避けたいですが,せっかくアドバイスを求められているのに,何も答えないのも心苦しい。非常に悩ましい問題です。ほかに,「正直,別れたい気持ちは強いですが,生活も大事ですので,今回は私が折れます。」といったやや後ろ向きなお気持ちを話される場合もありますが,このような場合,何がご依頼者様の利益なのか,非常に悩まざるを得ません。もちろん,ご依頼者様の意向に最大限添うように進めていくわけですが,(円満に解決する上で)よりよい解決はないかという悩みも尽きないところです。

こうした悩みを背景に,少しでも付加価値を付けられればと思い,家族関係にまつわる心理系の勉強も始めました(具体的に形になったら改めてご報告いたします。)。

ここでは,離婚を考えた場合に,離婚という結論を出す前に,考えていただきたい視点について,書いてみたいと思います。

まず,女性の場合。

やはり,離婚後の生活設計は重要です。生活費を稼ぐだけの職に就いているか,または就くところができるか。仮に離婚後は無職でも不動産賃貸や年金などの定期収入のほか,預金はあるか。財産分与,慰謝料,年金分割の見込みがあるかなどが重要になると思います。こうした経済面の考慮しつつも,離婚して独りになって生活しても,精神的に苦痛でないか。離婚し世間体が悪くなっても気にすることがないか。離婚した結果,絶対に後悔しない自信があるか,などといったことを考えてみてください。これは個人的な意見ですが,離婚を選択するのであれば,「離婚して必ず幸せになってみせる」という確固たる意思を持つことが重要と思います。

次に,男性の場合。

男性の場合,経済力うんぬんというより,足元の生活にどれだけ支障が生じ得るかということが目下の課題になることが多いと思います。炊事,洗濯,生活費の支払関係などをすべて自分でこなすことができるのか。親の介護が必要になった時,責任をもってそれに対応することができるのか。別れて養育費,財産分与,慰謝料を妻に払っても,経済的に余裕があるか。こうした点が問題になりやすいと思います。前半部分は,妻お家政婦のように考えているのか!と怒られそうですが,むしろどれだけ妻に助けてもらっているのかを自覚する機会をもつべきではないかということです。また,会社にもよるでしょうが,まだまだ日本の企業が,従業員の私生活にまで完全に配慮できているとは言い難い面は否定できないでしょうから,こうした現実を踏まえ,自身の勤務先との折り合いがつけれそうかどうかなども検討をせざるを得ないと思われます。生活面についてある程度検討出来たら,以下も検討してみましょう。離婚という世間体のまずさが,出世を阻むようなことはないか。又は阻むことに抵抗はないか。離婚して独りになっても食生活に気を付け,身だしなみもきちんとできるか。離婚して独りになっても,何のために働くかなど,自分なりの生きがいを見つけることはできるか。

私もさらに考えていきますが,ご参考ください。

以下は,どちらかの立場で活動する弁護士としては,少なくとも事件処理の際は,表立って言うことはできないのかもしれませんが…

「離婚は結婚の●●倍も大変だ」とはよくいったもので,離婚事件を扱う弁護士としては,離婚がいかに大変かというのも身にしみて感じています。やむなき事情でどうしてもさよならしなければならないという場合には,(理想論と言われるかもしれませんが,)ぜひとも,お互いに幸せになれるような,前向きな離婚を目指してほしいと思いますし,夫婦関係を修復するという道も立ち止まって考えていただくことも十分にあり得ると思います。

最も身近な人間の営みであるがゆえ,深く,難しい。そんな離婚事件ですが,今後も研鑽を深めて頑張っていきたいと思います。

新型コロナウイルスの面会交流への影響について

離婚の際の大きなテーマと言えば,「子ども」と「お金」です。

なかでも,お金と違って,子どもの話は,妥協がしにくく,間をとるということもしにくいため,非常に紛糾することが多いです。親権が争われると紛争が泥沼化することがありますが,セットで検討されるのが面会交流です。親子の触れ合いは,自分のルーツを知るという意味でも,子どもの心の成長においても重要とされており,裁判所も,面会交流原則実施論をベースに動いていると言われています。

新型コロナウイルスは,こうした面会交流にも暗い影を落としているようです。外出制限,感染リスクの回避などから,実施できていない例が多くあるようです。

イギリスでは,面会交流は非常に重要だとして,外出制限の例外に当たると明示しているそうです。アメリカではオンラインの面会交流が20年ほど前から行われているそうですが,日本でもこうした取り組みが始められるべきなのかもしれません。

裁判所は,緊急性が認められない事案は,ほぼ一律に,緊急事態宣言が解除されるまで,期日を実施していないようですが(地域差などあると思いますので,あくまで実感です。),面会交流に関しても緊急性なしとして協議を延長するのでしょうか…

弁護士側でも,よりより親子の触れ合いを目指して,創意工夫をこらして対応していくべきですね。

DV パンデミック

昨日(4/19)の西日本新聞16版2面。「DV パンデミック」というセンセーショナルなタイトルが目を惹きました。新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出制限により,DVが世界で急増しているとのことです。国連も警鐘を鳴らしています。

日本でも,DV相談のためのサイトが整備されるなど,対応が進んでいます。

我々法曹は,こうした問題に対応できるだけのノウハウを持っているわけですから,適切に対応できるようにしたいものです。

そもそも,DVとは,親密な関係における一方パートナーから他方パートナーに対する暴力のことです。身体的暴力,性的暴力,経済的な暴力,精神的な暴力など,さまざまな種類があります。加害者側にまま見られる行動として,①暴力を正当化,否定または過小評価しようとする,②暴力の原因が被害者にあったと主張して被害者を非難する,③非常に冷静で関係者には協力的であるかのごとく装う,④被害者について公的機関に不利な通告をしようとする,などの特徴が認められ,こうした特徴を踏まえた対応も必要になってきます。

DVに対応するにあたって,重要な役割を担うのが,配偶者暴力相談支援センターです。保護命令を申し立てる要件に,同センターか警察に対し,相談等をしておかなければならないというものがありますから,その意味でも重要です。警察の生活安全課に相談するのもよいでしょう。

DVから離れるには,物理的に距離をとるのが最も有効でしょうから,家を出ることを検討することになりますが,避難するに際しては,ある程度の現金,本人や子ども名義の預金通帳と印鑑,実印,印鑑カード,クレジットカード等の財産上の重要書類や,健康保険証や常備薬,運転免許証やパスポートなどの身分証明書,暴力を受けた証拠になる写真や日記,住所録や昔の手帳,携帯電話などの加害者が被害者の交友関係を知り得るもの,子どもにとって重要なものなどはできるだけ持ち出すとよいでしょう。避難後の離婚に伴う財産分与まで見越せば,財産分与で必要になってくる各種資料(のコピー)も持ち出せるとよいでしょう。子どもがいる場合,必ず一緒に非難します。いったん子どもと離れて自分だけ避難すると,後から子どもを取り返すのは,法的にも事実上も非常に困難です。

DV対応の際,非常に有用な対応手段として,保護命令があります。簡単に言うと,「更なる」暴力により生命身体に「重大な危害を受けるおそれ」が大きいときには,被害者への接近禁止命令等の強い効果を伴って裁判所が命令を出せるという制度です。

注意点として,配偶者相談支援センターか警察に相談が必要です。宣誓供述書を作成するという方法もありますが,スピードが求められる保護命令では,相談する方がよいと思います。DVの一般論として,被害者において住所地を知られたくないというニーズがある場合が多いので,バレないように,工夫して,必要な部分は抽象化して,申立書を起案することになると思います。モザイクアプローチ(いくつかの情報を組み合わせると居場所がわかってしまう)にも気を付けます。仮に,子への接近禁止命令を求める場合は子の同意書が,親族等への接近禁止命令を求める場合は対象者の同意書が必要になるとともに,これら親族の戸籍が必要になったり,親族も警察等に相談していなければならなかったりします。つまり,求める効果が幅広くなればなるほど,収集しないといけない書類が増えるわけですが,迅速に申し立てる必要がある手続ですので,すみやかに手続がとれるよう,段取りよくやるか,本当に欲しい中核的な部分に絞っての申立てをするなど,迅速さと求める効果を比較しつつ,適切な対応をすべきです。また,仮に,裁判所の心証が芳しくない場合は,保護命令を認めない決定が加害者の免罪符とならないよう,あえて取下げも検討した方がよい場合もあります(保護命令の効力が発生する前までは取下げが可能です。)。(なお,逆に,相手方の立場としては,裁判所から保護命令という形で効果が生じないよう,相手方の方から,DV保護命令の効果と同内容の誓約書を差し入れて対応するということもあります。)

離婚調停・訴訟においても,物理的に接触しないような配慮を欠かさず,手続を進めます。

刑事事件対応としては,暴行罪,傷害罪,脅迫罪,強要罪,強制性交等罪,強制わいせつ罪,DV防止法,ストーカー規制法等について検討する必要があるでしょう。

被害者のエンパワーメントとメンタルケア等も必要になってきます。適切な対応ができるよう,研鑽を積みたいと思います。

以上のように,DV対応は,総合力,柔軟な対応,迅速力というものが求められており,非常に法曹の力量が試されている者と思います。私も,事案がきたら,適切な対応ができるよう,これまでの経験も踏まえ,今こそ適切な対応を重ねていきたいと思っています。

お子様向けサービスを導入しました

弊所にもキッズルームが!……できればいいのですけど,基本的に狭い事務所なので,個別のキッズルーム・スペースを作るのが難しい現状がありました。

とはいえ,お客様のなかには,一定数,お子様連れの方もおられます。ソファーを用意してお待ちいただけるというだけでは,少し不親切かなと感じ始めておりました。一方,キッズスペースを作ることにより,ただでさえ狭い事務所がいっそうせまくなり,ごちゃごちゃした感じを与え,動線が不便になり,他のお客様に不自由を強いるのもよくないと思いました。

そこで,キッズスペースをつくる代わりに,お子様向けのマット・遊具・オムツ等のベビーグッツなどを取りそろえ,いつでも取り出せるように常備することにしました。お子様連れの方がご来所いただけたら,即席でマットを敷いてスペースをつくり,遊具などを提供して,お話し中に遊んでもらうなどすることができるようなイメージです。

子どもの世話はしないといけない。しかし,相談もしっかり聞きたい。…そんな方に喜んでいただけるのではないかと期待して,活用していきたいと思います。

ちなみに,漫画の設置も少し行いました。法律事務所なので,業務に関係なくもない,ためになる系の漫画で,面白いものという基準で選別しています。法曹界では評価が高いと聞いてます,「イチケイのカラス」も設置しました。

新サービス,上手くいくといいなと思います。 enter image description here

↑本棚の上にしまっておき,必要に応じて取り出すようにします。

離婚の決め手はDNA

本日の日経新聞を読んでいると,「離婚の決め手はDNA」(1面)という記事が目に留まりました。

どういうことかとなかみを読んでみると,「遺伝子検査の相性判定サービス」に頼り,その相性スコアから,「(この遺伝子パターンでは)長続きするカップルは少数」という説明を受け,「生物的に合わないならと吹っ切れた。妻も納得した」といいます。

離婚の決め手となる後押し・材料になるということだと思われましたが,そのような考え方もあるのですね…

弊所では離婚事件も多いですが,離婚事件においては,離婚に至る経緯をひととおりお聴きします。このような過程を経て離婚に至るご家庭もあるのだなと,参考にさせていただきます。

不貞相手に対し,夫婦が離婚に至った責任を問うことができるか

昨日,19日,注目を集める最高裁の判例が出ました。報道など見ると,誤解されやすいようなタイトルで紹介している記事もありますのでご注意いただきたい内容です。

判例の要旨:

「夫婦の一方は,他方と不貞行為に及んだ第三者に対し,特段の事情がない限り,離婚に伴う慰謝料を請求することはできない」

これだけ見ると,「えっ,不貞しても責任問われないの??」と誤解されそうですが,この判例も,不貞相手に対し,「不貞行為に対する」責任追及をすることは,否定していません。

今回,判断の対象になったのは,不貞相手に,夫婦が「離婚に至ったこと」の責任を問えるかということです。これについては,原則としてできないということです。

離婚の原因はさまざま,それは夫婦間の問題という考え方が基礎とされているようです。

法律用語ではないですが,不貞行為などの個別の行為に対する責任追及の場面では,離婚「原因」慰謝料,離婚そのものの責任追及の場合は,離婚「自体」慰謝料などと呼ばれています。この整理で判例を理解するとわかりやすそうです。今回は,不貞相手の責任について,離婚「原因」慰謝料を追及することができるのは前提とされていると思われるが,離婚「自体」慰謝料については,原則として認められないとした,と整理ができます。

夫婦間の問題だから,離婚に伴う慰謝料については,(元)配偶者に対する責任追及によって解決するということになるのでしょうね。

実務上の影響は,これから検討され,事例の蓄積を待つとされるものと思われますが,予想されるのは,特に以下の2つの事項についてです。

まずは,損害額の考え方。これまでは,不貞相手へ責任追及する際に,夫婦が離婚にまで至っていれば,より精神的苦痛が大きいとして,比較的高額の慰謝料が認められる傾向にあったといってよいと思います。ところが,今回の判例を前提にすると,夫婦が離婚に至っているかどうかは,慰謝料算定の基礎としては考慮しないということにもなりかねません。慰謝料請求を専門に取り扱っているような弁護士にとっては,かなり痛手の判例なのではないかと思います。

次に,消滅時効との関係。理論上,離婚原因慰謝料については,その原因行為(不貞行為等)があったとき以後が,時効の起算点になりやすいかと思います。ところが,離婚自体慰謝料は,離婚そのものの慰謝料ですので,起算点は,離婚の日以後ということになりやすそうです。通常,不貞行為があって,その後,タイムラグがあって,離婚に至るという経過をたどるでしょうから,時効の関係では,離婚自体慰謝料で考えた方が,時効にかかりにくいということになりそうです。ところが,不貞相手に対しては,離婚自体慰謝料が請求できないとなると,離婚原因慰謝料の消滅時効(3年)については,より気を付けておかなければならないとなりそうです。

個人的に興味があるのが,離婚に至っている夫婦において,不貞相手と元配偶者の両方に対し,請求を掛ける場合,不貞相手には離婚原因慰謝料を,元配偶者には離婚原因慰謝料を含む離婚自体慰謝料を請求し得るように思えますが,どれくらい金額が変わってくるか,どの範囲で両者が連帯して責任を負うかですね。

実務上のさらなる事例の蓄積に注目していきたいです。

だいじょうぶ!親の離婚

子どものためのガイドブック―「だいじょうぶ!親の離婚」という本があります。

たとえば,いまや弁護士向けの離婚に関する本,より一般人向けの離婚の本は多数あります。離婚を背景として,子どもを主人公とする絵本や物語もあるでしょう。

ところが,「子どもに向けて」親の離婚について考える,教える,教材として適切な本というのは,多くないようです。本書は,もとはアメリカの本を翻訳したものですが,夫婦の離婚を解決するために,「子どもに」向けて話をすべきことがよくまとめられていると思います。アメリカと日本では制度が違うので,ラストに「子どものための解説」として,日本の制度の説明もあります。

日本の離婚調停では,夫婦が一生懸命にお互いの主張を言い合っている様子が一般的に思うのですが,どことなく子どもが登場することが少ない。裁判所も,子の福祉,子の福祉というわりには,子どもに会ったこともないのに,子どものためになるからと言って面会させようとするということがしばしばです。きちんと会って,話して,子どもともコミュニケーションをとって,夫婦子どもともに勉強をして,将来に向けて,新たに良い関係を築いていくというのが理想だと思うのですが,なかなかそうはいかないようです。しかし,弁護士として,理想を実現できるよう,さまざまな工夫を凝らして,これからも,家族の在り方を模索していかなければならないのだと思っています。

本書は,子どもに対する説示,勉強に,とても役立つツールとなり得ると思います。私も,さまざま勉強して,よりよい弁護活動につとめていきたいです。

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なかつ・こどもいきいきプレイルーム

地域における親子のふれあいの場・面会交流候補場所に関する記事の第2弾です。

先日,サンリブ内・なかつ・こどもいきいきプレイルームに行ってきました!子どもの年齢によって,入れる場所が分かれており,元気な子供が小さな子どもを踏みつけるなどの事故防止策をしっかりしています。子どもがなんでもおもちゃを口に入れることを見越して,消毒もしっかりしており,口に含んだものを未消毒の箱に入れておけば,これを定期的に消毒してくれるようです。壁にさまざまな仕掛けを用意したおもちゃが埋め込んであり,つかまり立ちしだしたお子様にも人気がありそう。コンセント差込口が好きな子どもさんの危険防止のため,穴はふさいでいます。絵本読み聞かせのスペースもあり,動き回る年齢のお子様のためには,広々とした遊戯スペース。外側から遊戯スペースはのぞけるよう,透明の仕切りになっています。ランチスペースもあり。親子で楽しい時間が過ごせそうです。

面会交流の場所としても,他人の目が届くなかで,子どもと楽しい時間を過ごせるということ,室外からのぞいて様子を見ることも可能な点などで,1つの候補場所になるのではないでしょうか。

北九州市立 子育てふれあい交流プラザ 元気のもり

地方の離婚でも,例に漏れず,面会交流で紛糾することは,よくあります。なかでも,「面会場所」に頭を悩ませることも。監護親が,非監護親と子どもが密室(相手方の自宅)で面会することに拒否反応を示したり,相手方と同居する親族との面会を嫌がったり,自宅での面会が困難なことが多いです。とはいえ,近くの公園は閑散としていて,なんとなく危ない気がしますし,大型ショッピングモールなどでの面会も難しそう(そのような施設がなかったりします。)。面会交流のための専用の施設・機関もないですし(北九州市であれば,たとえば,通称「こふれ」と呼ばれる機関もあります。),どうすればよいのか…と悩むことが多いです。

地方での適切な面会場所候補は,妙案があれば教えてほしいくらいですが,少し足を伸ばして,中津方面や小倉方面まで出てくれば,いくつか,候補となる場所がありそうです。

先日,息子と,北九州市立 子育てふれあい交流プラザ 元気のもり に行ってきました。夫婦でちょっとした外出したいときは,子どもの一時預かりもしてくれます。さらに,中には,親子で触れ合いができる設備がてんこもり。子どもが落書きしてOKの壁とか,おおっと思う工夫がいっぱい。たくさんの方が利用されていて,お友達もできるかもしれませんね。

面会交流でこういう場所を利用するのもありかなと思います。他の人の目がありますので,そう無茶なことはしないでしょうし,親子の触れ合いを楽しくできるので,楽しい経験を積み重ねていけば,非監護親と子どもが,良い関係を維持していけるかもしれません。

他の人へのプライバシー保護のため,あえて写真は控えますが,公式HPにも様子の一部が載せられていますので,ご参照ください。

大人のためのマッサージチェアなどもあるそうですから,今度は使ってみようかと思います。 

モンテッソーリ教育のすすめ

家事事件関係で特にですが,ご依頼者様から,家族のなんたるか,教育のなんたるかなどを学ぶことも多いです。藤井聡太七段の活躍によって広く知られるようになったと言われる,モンテッソーリ教育についても,ご依頼者様から教えていただく機会がありました。

モンテッソーリ教育は,マリア・モンテッソーリという女性医学者・科学者により,イタリアで始められた教育です。

このたび,多少なりとも,子育てについて学ぶ機会がありましたので,メモ程度に記しておきたいと思います。

モンテッソーリ教育を行うために大切なのは,①子どものことをよく知ること,②子どもをよく観察して,見守ること,③環境を整え,必要なときだけ助けること,だといいます。

同教育のなかでは,「敏感期」という時期を提唱していますが,これは,「ある目的のために,あるときにだけ,何かに対して,非常に強く反応する」という時期をさすことばです。特に男の子はこだわりのある子が多く,親にとってみると不可解な子どものこだわりの中に,子どもの能力を大きく伸ばすヒントが隠されているといいます。イヤイヤ期と重なるその時期を,イヤイヤ期として対処するか,敏感期と知って子どもに適切に接するかで,その子のその後の能力は大きく変わっていく。目からうろこの話でした。

具体的なお話がないとわかりづらいと思いますが,にわか勉強の私では,適切に紹介できるか不安があるので,いくつか感心したお話だけピックアップさせていただき,まとめとしておきたいと思います。

モンテッソーリ教育を理解すると,子どもに「かける言葉」が変わり,結果,子どもさんはぐんぐん伸びるといいます。たとえば,私たちは,なにか子どもさんが成し遂げると,「すごい」と言いがちです。しかし,この言葉は,結果に重きが置かれています。それが悪いというわけではありませんが,親としては,「過程」や「努力」に目を向けるべきと言います。結果に注目していると,結果をあげたときしかほめてあげられない。しかし,過程や努力に注目していると,いつだって子どもをほめてあげられる。私たちは,子どもが何かできた時は,「良かったね」というべきです。これは,共感の言葉。言葉の裏側には,頑張っていたのを知っているよ,見ていたよというニュアンスが含まれています。結果が伴わなかったときは,「頑張ったね」「頑張ってたね」。「すごい」ばかり言っていると,子どもはプレッシャーを感じるかも。「良かったね」であれば,そのような無駄なプレッシャーは感じなくなります。

才能が育つ環境の話も魅力的。大小の図鑑を用意するという話は感心しました。大きな図鑑は,「読む」ことを学ぶことができる。小さな図鑑は,出掛ける時に持って行って,図鑑と本物の動物を見比べるようにします。1度本物を見ておくと,図鑑の見方が変わりますので,1段深い学びになるのです。

ほかにも目からうろこの話がたくさんありました。子育てのヒントが見つかるかもしれません。ぜひともご参考ください。