私(西村幸太郎)の一連のブログ記事です。私がどういう人間なのか、どういう活動をしているのか、どんなことを考えているのか、どんな知識やスキルを持っているのか、信頼に足る弁護士か、などなど、たくさんの疑問をお持ちの方もおられると思います。そのような方々は、是非こちらの記事を御覧ください。
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「同性婚のリアル」‐人権講演会を聴いて2‐
以前書きましたが,豊前市の人権講演会で,東京ディズニーリゾートで初の同成婚式を挙げた東小雪さんの講演を聴くことができました。その際に購入した「同性婚のリアル」。せっかくなので,法制度面にしぼって,書いてみたいと思います。私なりにQ&Aでまとめてみました。
Q 日本の同性のパートナーシップに関する法律は?
A なにもない。
Q では,同性婚の結婚って??
A 法律上は,残念ながら,「ルームシェアしているおともだち」ぐらいの意味しかないと言わざるを得ない。実態はふうふなのに。
Q 法律上の婚姻と認められないことによる不都合は?
A 同性パートナーに相続権がない。所得税の配偶者控除が受けられない。子どもの共同親権が持てない。特別養子縁組で子どもを迎え入れることができない。 そのほか,多くの公営住宅に家族としては入れない,外国籍のパートナーに配偶者ビザが下りない,などの不都合がある。
Q 民間サービスで不都合を感じることは?
A 民間サービスなので,お店・サービスによって取り扱いはさまざま。ただし,多くの場合,不動産購入時に2人の所得を合算してローンが組めない,不動産を共有名義にできない,賃貸契約を結びづらい,病院で家族として面会できない不安がある,同性パートナーの手術同意書へサインできない不安がある,企業の福利厚生が同性パートナーに適用されない場合が多い,などの不都合がある。
Q 2015年11月5日から東京都渋谷区で認められたパートナーシップ証明書には,どんな意味があるの?
A 残念ながら,法的な意味はない。しかし,たとえば,生命保険の死亡保険金受取人に同性パートナーを指定できるようになる方向で業界が動き出すなどの事実上の効果があった。大手通信会社でも,同性パートナーに家族割引を適用できるようになるなどした。家族向け区営住宅への入居が認められるようになったところもある。ただし,あくまで,証明書をもっているカップルの扱いについては,事業者の判断にゆだねられているところが大きい。
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そのほか,生の声がてんこ盛りでしたが,やはり,現状では,同性でパートナー関係を築いているふたりには,住みにくい社会と言わざるを得ないようです。引き続き,この問題について,勉強し,考えていきたいと思います。
LGBTを理解する
平成28年11月26日13:00~,豊前市市民会館にて,人権講演会「LGBTを理解する」が開かれました。東小雪さんを講師として,大変興味深いお話をうかがうことができました。
LGBTとは,L=レズビアン,G=ゲイ,B=バイセクシャル,T=トランスジェンダーの略で,「性的マイノリティ」の総称の1つです。LGBTは人口の7.6%,実に13人に1人,学校のクラスに2人くらいの割合になるとのことです。それほどまでに身近な存在なのに,まだまだ広まっていないのは,「声をあげる」ことができない人々が多数いるのかな,と思ったところでした。今後の生活において,自分がかかわる方々に関しても気を付けていきたいと思いましたし,自分の子ども達にも伝えていってあげたいと思えるお話でした。
話のなかでは,学校教育において,先生自らが加害者にならないこと,積極的に関連書籍を備えることなどのお願い,「ホモ」「オカマ」「ニューハーフ」「オネエ」「レズ」「オナベ」などの言葉は用いず,「ゲイ」「レズビアン」「同性愛者」「バイセクシャル」「トランスジェンダー」「性同一障害」などのニュートラルな言葉を使うのがおすすめなどのご指摘,アウティング(カミングアウトしてくれた内容の言いふらし)をしないようにとの注意など,具体的なお話をいただいた上で,今後の生活上の指針になりうる示唆を多数いただいたように思います。
「性」とはなにか,「家族」のかたちは,といった,根源的でありながら難しい問題について,改めて考える機会をいただいたのは,とてもよかったと思います。 帰りがけに,販売されていた「女どうしで子どもを産むことにしました」「同性婚のリアル」も購入。ひとまず前者を読んでみました。東小雪さんと増原裕子さんの「妊活」についてのエッセイですが,そこで,多くの方々が,家族に大事なのは「Honest(誠実)」であると指摘していたところが印象深かったです。内容について詳細を知りたい方は,ぜひ1度読んでみることをおすすめします。
豊前市で,今回の講演会ような素晴らしい活動が行われていることを嬉しく思います。私も,これからも引き続き,積極的に参加していきたいと思います。