私(西村幸太郎)の一連のブログ記事です。私がどういう人間なのか、どういう活動をしているのか、どんなことを考えているのか、どんな知識やスキルを持っているのか、信頼に足る弁護士か、などなど、たくさんの疑問をお持ちの方もおられると思います。そのような方々は、是非こちらの記事を御覧ください。
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発達障がいと犯罪・非行
令和3年1月23日(土)午後5時~7時 @吉富フォー・ユー会館研修室 NPO法人まど 支援者育成セミナー「発達障がいと犯罪・非行」
夫婦で興味関心がある分野であること,知人が主催していることなどから,参加して参りました!
講師は,一般社団法人おかえり基金理事長土井高徳様。
内容はとても興味深いものでしたが,深淵なテーマでしたので,内容を完全に理解できているのかも自信がございません。内容のリマインドではなく,私の感想・備忘的なものとさせていただき,今後も学びを深めていければと思いました。
支援者を悩ます「困った」子どもというのは,適切な理解と支援がないために実は「困っている」子どもたち,という指摘ははっとさせられました。ともすれば,支援者目線で上からの目線になってしまいがちのようにも思いますが,子どもの目線での捉え方をしっかり頭に置いておく必要があると思いました。
発達障害(生まれつきの脳機能の発達のかたよりによる障害。),愛着障害(不適切な養育(虐待)や養育者の一貫性を欠く養育により,深刻な対人不信に陥るなど適切な人間関係を維持することが困難になり感情統制が取れなくなる。),解離(虐待などを原因として直面化しなければならない場面で,心のスイッチを切って乗り切ろうとする自己防衛機能。)という3つの概念を整理しました。なるほど,視点が広がった気がします。
実際に発達障害の子どもとかかわるにはどうしたらよいか。説教するよりしっかりおなかを充たしてあげる。いつまでもいていいんだよ,安心して生活できる場を提供してあげる。いつでも帰ってきていいんだよ,一歩進んで二歩下がるような,ぐるぐるまわるような前進でも,決して見捨てず,子どもによりそっていく。実際に講師が取り組んできた内容のお話を聴いて,なるほどと思いました。安全感のある毎日を保障し,一貫性・継続性のある応答をする。相互性を活かしたたすけあい・支え合いの関係を構築する。すべてを理解できたかはわかりませんが,対応の基本的な視座を得ることができた想いです。
犯罪・非行に走ってしまう,困難を抱える子供にどう対応するか。時間とともに成熟するのを待つ。右肩上がりの回復ではなく,行きつ戻りつの円環的な回復を認め,「支援者の方が自分の感覚で成長を促す」のではなく,「子どもの成長を横に並んで一緒に歩んでいく」姿勢が必要。クスリの処方よりも関係性の処方。ちょっとずつちょっとずつ,できたこと,できるようになったことに目を向ける。ゆっくりじっくり根気強く対応していくことが必要だと感じました。
講師のことばのなかで特に印象に残ったのは,以下の「7つの魔法の言葉」。子どもの心を転換させる言葉として紹介されました。
1 共感 …「ああ,つらいんだね。」
2 愛着 …「ああ,そのままでいいよ。」
3 慰労 …「よくがんばってきたね。」
4 感謝 …「ありがとう。」
5 同意 …「そうなんだ。」
6 安心 …「だいじょうぶだよ。」
7 尊敬 …「きみって,すごい。」
ひらがなの,短い言葉ですが,きれいな日本語であり,かつ,1つ1つにとても深みのある言葉と思います。普段の生活の中で,改めて意識的に利用していきたいと思える言葉です。支援に限らず,子育て全般にも利用したいことばがけではないかと思います。
最後に。講師の方もおっしゃってましたが,「今日はいいこと聞いた。」と思っても,人間すぐに,どんどん,忘れていく。引き続き勉強を深め,今後の活動にいかしていけるよう,益々精進していきたいと,決意を新たにいたしました。
その決意のあらわれとして,現地販売の書籍をすべてゲット。講師の方からのありがたいお言葉もいただきました。まずはここから,学びを深めてまいります。
各書籍、目を通すことができたものから,またレビューを書いていきたいと思います。乞うご期待(?)。
今回は,犯罪・非行などが認められる発達障害の方へのアプローチについてのお話でしたが,そもそも,我々が当人にお会いした時,どうやったら発達障害と「気づけるか」というテーマでのお話もお聞きしたいと思いました。引き続き学びを深めてまいります。
企画・主催いただいたNPO法人まどの皆さま,有意義な時間をありがとうございました。