私(西村幸太郎)の一連のブログ記事です。私がどういう人間なのか、どういう活動をしているのか、どんなことを考えているのか、どんな知識やスキルを持っているのか、信頼に足る弁護士か、などなど、たくさんの疑問をお持ちの方もおられると思います。そのような方々は、是非こちらの記事を御覧ください。
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監査役 野崎修平 レビュー
織田裕二主演「監査役 野崎修平」
もとは漫画の原作らしいです。形骸化しているとも言われていた日本の監査役にスポットをあてて描いた珍しい作品です。やや昔の時代設定で,バブル崩壊後の悪戦苦闘して生き抜いた激動の時代・2000年以前のことが描かれています。株主総会に総会屋がわんさかいて,時代背景を感じさせます。もちろん,脚色しているところはあるのでしょうが…
司法試験で勉強していても,監査役は,ガバナンスのところで少し勉強して,〇✖問題対策で多少知識を入れる程度勉強した記憶しかありません。しかし,実際にどのように会社内で働いてどういうことをやっているかがわからないと,イメージもわかないし,机上の空論で終わってしまいます。脚色があるとはいえ,監査役の業務の様子を垣間見えるところは,なるほど参考になるなあと思いました。
つづきで,「頭取 野崎修平」があるそうですね。 こちらもチェックしておきたいと思います。
弁護士も,社外監査役,社外取締役などに就任してお手伝いをすることもございます。もっと勉強していきたいです。
リーガル・ハート~いのちの再建弁護士~
リーガル・ハート~いのちの再建弁護士~,観ました。
村松謙一弁護士は,企業再建専門弁護士。「会社の生死は経営者や従業員の命に繋がっているから100%再生する必要がある」と説く。
…といっても,面識があるわけではなく,受け売りです。
普段,どちらかというと破産事件を多く扱い,申立人代理人業務・管財人業務に追われている身としては,さきの説諭の耳が痛いです。破産が楽ということは決してないと思いますが,経済活動を止めて清算に注力するよりも,事業は動かしながら,背景では再生のために奔走するという方が,かなりの労力,総合力が必要なのだろうなと想像するところです(最近は民事再生・会社更生の申立て自体少なくなっていると聴きますが,私は,小規模個人再生ならともかく,大規模なそれらは経験したことがありません。)。
私的再建,民事再生,乗っ取り屋対策のための破産申立て,MBO(マネジメント・バイアウト),LBO(レバレッジド・バイアウト),民事再生申立に対する即時抗告申立,スラップ訴訟など,さまざまなエピソードが出てきて,勉強にもなりました。「絶対にあきらめない」「何とかなります」という弁護士の姿は,どうしても安西先生(スラムダンク)を彷彿とさせてしまうところですが,事件処理において,依頼者の利益を最大化させるため,諦めず最大の努力をすることが,どれほど大切か,改めて学んだような気がしました。
法学的なことを措いておいても,企業の人間模様,ピンチを乗り越えて進んでいくストーリーは,ドラマとして十分に面白いと思いますので,どなたにもおすすめの一作です。
北九州空港から京築・北九州の未来を考える~片山憲一氏講演会~
平成30年6月27日,豊前商工会議所全員大会の企画として,北九州エアターミナル㈱ 顧問 片山憲一氏 講演会が執り行われました。大変興味深い内容でしたので,簡単ですが,メモしておきたいと思います。
片山氏は,北九州市入庁後,さまざまな部署の局長等を経験したうえ,市を退職,北九州エアターミナル㈱代表取締役社長として活躍されました。会員大会の3日前,6月25日に,社長を退いて,いまは顧問として活動されています。北九州空港にかかわり,人の動きを見てきた同氏の,説得力ある考察に,圧倒されるばかりでした。
「よいもの」「おいしいもの」だけでは人は来ない,ストーリーをもってその地域を紹介できるか,徒歩でその地域を歩いていきたいと思うか,そういった視点が重要だという話は,目からウロコでした。車で移動する生活に慣れてしまったからか,歩いて地域をめぐるワクワクドキドキといった感覚がなくなっていたような気がします。アウトプット=結果,アウトカム=成果であり,アウトプットから「何か」に気づき,「何か」を成し遂げるのは,主体性を持った人間の仕事であって,アウトカムを得る取り組みが重要という話についても,なるほどなと思いました。
ところで,その前日の26日,西日本新聞京築版において,「北九州エアターミナル 業績好調」という記事が紹介されていました。講演会などでお話をうかがうと,ニュースもぐっと身近に,興味を惹かれるようになりますね。
引き続き,研鑽を積んでいきたいと思います!商工会の皆さん,ありがとうございました。
上毛町商工会講習会(事業承継について)
12月13日,上毛町商工会の講習会に講師としてお招きいただき,事業承継のお話をしてきました。当事務所の開所式にお越しいただいた会長様とのご縁です。ありがたいことですね。
事例中心で検討し,工夫をしたつもりですが,百戦錬磨の経営者方ばかりを相手にしてのお話ですから,非常に緊張して,また悩んで準備・お話しました。内容は,また別の記事でもいろいろ書いていこうと思います。
講習会中にも紹介しましたが,金子コード株式会社の三代目社長,金子智樹氏が書いた「社長ほど楽しい仕事はない」という本によると,事業承継は,「譲られる側が主体だ」と言います。
特に創業者社長などは,最後に大きな事業を成功させて会社を去ろうとする場合がありますが,きちんと譲って,後進がきちんと会社を発展させたということこそが,なによりも難しい経営判断を見事成し遂げ,最も偉大な功績を遺したということになるのではないでしょうか。譲られる側に焦点をあてるという指摘も,的を得ていると思いますが,私としては,「お客様のため,お客様に価値を提供する会社のため」を考えると,「これから会社を発展させていく譲られる側主体の事業承継」になるのかなと思っています。
質問で,なかなか継いでくれる人がいない,年齢的には引退すべき年齢だが,生活のためにいつまでたっても引退できない,そういう経営者も多い,そういった場合,どうお考えかという質問もありました。とても難しい,それでいてとても現実味のある問題です。どちらかというと,備えておいた方がいいですよという形の講習になりがちなところで,現実,こういった場合どうすればよいのかと問われると,考えさせられるところがありました。ありがとうございます。私もさらに考えます。
事業承継は,①後継者確保・選定・育成・承継方法をめぐる問題,と,②財産をめぐる問題,の大きく2つに分かれます。法律家が関与するのは,どちらかというと②の方が多いです。しかし,昨今事業承継の困難性が叫ばれているのは,むしろ①の問題が大きいです。さらに知見を広め,①の問題,さらには質問にあった経営者の引き際の問題などについても,深めていきたいと思いました。
私の財産にもなる講習会でした。受講者にも,なんらか少しでも受け取っていただけるものがあったらいいなと思います。ありがとうございました。
卓話
平成29年3月16日(木)13時~,@築上館,豊前ロータリークラブ例会の卓話(講演)を担当させていただきました。
私がどうして豊前市で開業したのか,弁護士がどんなことをしているのか,豊前市でどのような活動をしていきたいかなど,日常的なことをお話しする中で,地域貢献(ロータリークラブでも「奉仕」活動を行うということを掲げていますね。)の在り方について考えました。
質問の中では,経営者側から見た,そうあってほしい弁護士像のご指摘などもいただき,勉強になりました。
平成29年3月23日(木),午前6時~,@豊前商工会議所,豊前市倫理法人会モーニングセミナーのスピーチも担当させていただきます。守秘義務には気を付けつつも,地域の方々のため,さまざまな情報発信をしていけるといいなと思います。
債権回収の工夫
中小企業のよくある悩みの1つに,「相手方が,なかなかお金を払ってくれない…」というものがあります。この手の悩みは,弁護士としても,悩ましいところがあります。というのも,弁護士は法律にのっとって仕事をするわけですけれども,法的な正攻法によると,以下のように,時間も労力もお金もかかってしまうからです。しかも,債権回収は「はやくやればやるほど回収可能性が上がる,遅れれば遅れるほど回収可能性が低くなる」という経験則があるので,正攻法によると,時間だけがかかって,結局回収ができない…という場合も,少なくないと思います。
【債権回収の正攻法】 ①請求書を送る,②内容証明郵便,③(①②に応じなければ)支払督促・少額訴訟・通常訴訟,④(①~③と併行して,)仮差押え・仮処分による執行財産の保全,⑤(③の相手方の対応に応じて)必要な主張立証,⑥(⑤の相手方の対応と裁判手続の結果に応じて)控訴,⑦(決定や判決が確定したら相手方の対応に応じて)強制執行,⑧(⑦で強制執行が空振りに終われば)さらに強制執行,⑨以後⑧を繰り返す…
では,どんな対応をすればよいか。工夫はいろいろですが,少し紹介させていただきます。
【事前の工夫など】 契約書をつくる。期限の利益喪失条項を盛り込むなど,有事の際の対応を検討しておく。公正証書にする(金銭債権については,いきなり強制執行手続ができるようになるので,面倒な裁判手続を避けられる)。担保(抵当権,質権,連帯保証など)を取る。もちつもたれつでこちらも相手からの債務を負っておき,いざとなったら相殺できる状態を保っておく。時効に気を付ける。時効管理のために準消費貸借契約の締結も考えておく。
【日頃の心がけ】 日頃から債務者の情報に気を付けておく。債務者ファイルを作成し管理する。取引基本契約書→個別契約書→見積書→注文書→注文請書→納品書→受領書→請求書→領収書 その他 などといった,基本的な資料につき,きちんと整理しておく。
たとえば,相手方が,「利益をあげた」という情報を得た場合,「そうすると,債権回収は安心だな」とみるのか,「利益をあげたということは,先行投資でいろいろとお金を使ったりしてるかも。少し気を付けねば」などとみるかで,捉え方がだいぶ異なってくる。情報を多角的に分析する。
【有事の際】 まずは相殺できないか考える。こちらも債務を負っているのであれば,相殺が最も簡単・確実。場合によっては,債権譲渡や債務引受についても検討する。債権譲渡/債務引受と相殺との合わせ技一本という工夫もある。お金で返せないなら代物弁済は検討できないか。相手方が争わなさそうだったら,支払督促でこちらの本気度を伝えつつ,任意の支払いを促し,将来の強制執行も見据えてはどうか。財産があるなら保全を行いつつ正攻法も検討。財産をもってそうなのにのらりくらりやって事業を続けている債務者に対しては,場合によっては,債権者による破産申立て(破産法18条)をちらつかせてプレッシャーをかけることも。いろいろ工夫はするが,犯罪にあたらないようにすることは気を付けないといけない。正当な債権に関する回収でも,やり方が悪いと犯罪になり得る。反社会的勢力の力を借りた回収はNG。あとあと自分の首をしめるだけである。
私は,流動負債を抱えるのが嫌なので,結構すぐに払ってしまうタイプです。債権回収のセオリーからすると,あまりよくないことなんでしょうかね。そうは思いたくないですが,そんなこと言ってるからいざという時に困るんだよと言われることがないよう,祈っています。
以上,簡単な記述に過ぎませんが,参考にされてください。必要があれば,当事務所で,債権回収につき,事前の対策・有事の対応も検討させていただきます。ご相談いただけると幸いです。
「ビジネスパーソンのための 契約の教科書」
みなさまは,日々,契約書をつくっていますか。私たちの日常は,日々の買い物(売買契約)をはじめ,住居の賃貸(賃貸借契約),お仕事の関係(雇用契約,委任契約)などなど,契約で満ち溢れています。法律家の立場からは,「契約書は大事です。契約書をつくりましょう。」とアドバイスするのですが,実際,なんでもかんでも契約書をつくってられないという事情もよくわかります。さて,みなさまに使えるアドバイスをするには,どうすればよいかな…と,日々頭を悩ませているわけですが,最近読んだ福井健策「ビジネスパーソンのための 契約の教科書」がわかりやすく参考になったので,少しご紹介させていただきたいと思います。
著書は,結論として,3つの黄金則をかかげています。
①契約書は読むためにある ②「明確」で「網羅的」か ③契約書はコスト。コストパフォーマンスの意識をもつ。
著者自身は,「あまり新鮮味のない」と謙遜されておられますが,なるほどなと思ったところです。
著者の説明は,本を読んでいただければわかるので,以下は,私なりに解釈・理解したところを記しました。
①契約書は,間違っても,押印するためだけにあるのではありません。民法学者川島武宜の名著「日本人の法意識」(岩波新書)は,「我われ日本人は法律や契約を単なる建前と考える傾向が強く,よって必ずしも重視せず,実際にトラブルがあっても話し合いや人間関係で解決に至ると考えがち」であると指摘しています。日本人の考えは,和を尊ぶものとして,尊重されてしかるべきだとは思いますが,だからといって,後からなんとかなる(する)から,契約書を作らないでよいということにはなりません。むしろ,もめごとを回避したいという日本人の法意識からしても,本来,契約書をつくり,内容をよく練り,納得の上で契約をするというのが大事なのではないか。相手方が,親切にも書面をつくってくれたので,なかみも読まずに「変なことは書いてないだろう」と印を押してしまうのはやめましょう。その行為は,せっかく相手が契約内容を詰めようと考え,手間暇かけてつくった契約書を軽んじるような行為とも言うことができ,逆に相手に失礼とも言えるかもしれません。契約書を読むのです。読んで,理解して,理解できないところがあったら誰かに聞いて,そして困るところがあれば直してもらう。あらゆる契約書は,そのためにあるのです。「読まずにこの場で印鑑を押せ。」という空気を感じたら,遠慮せずに,「では,持ち帰って読ませていただきます。」と言いましょう。これがビジネスシーンであれば,ビジネス相手は,その「空気」を利用しているのかもしれませんよ。
②契約書を作るメリットは,ⅰ)後日の証拠,ⅱ)背中を押す・腹をくくる,ⅲ)手続上の必要,ⅳ)意識のズレ・見落し・甘い期待の排除など,さまざまです。契約書には,取引において交渉漏れはないか,プロジェクトを検討するにあたって見落しはないかなどの「チェックリスト」としての機能もあり(ⅳ),契約書を作成する側からは,この機能も見落とせません。「こんなはずじゃなかった」という場面を防止できるにはよい方法です。似たような取引を今後も行うのであれば,今回の取引で不都合が出たところを,今回の取引の契約書に追加していくことで,ノウハウの蓄積にもなります。そうやって,網羅的に検討した内容を明確に書面化すれば,限りなくもめごとを減らせるのではないでしょうか。「明確に」書面化するのが,契約担当者(契約書作成者)の仕事です。「二義を許さない」(他の意味にはとれない)ような文章を目指しましょう。やり方は簡単です。自分ではない他の人にチェックしてもらって,自分の考えているとおりに読んでもらえるかを見ていけばよいのです。
③契約書を作成するデメリットは,手間・時間・費用といった「コスト」です。契約書をつくるかどうかは,さきに述べた契約書作成のメリットが,コストを上回るかどうかで判断すればよいでしょう。契約書作成のメリット>コスト,です。コストの方が大きいなということであれば,今回は見積書も出したし大丈夫だな,覚書程度は書いた方がいいかな,いやFAXで簡単な書面を送れば十分だろう,ええい金額も小さいしメールで十分だ…など,こうした判断や交渉ができて,力を注ぐべきところとそうでないところが区別できるのが,本当の契約巧者ではないでしょうか。
なるほど。私も,契約書作成にコスト意識をもって,日々の経営や業務に勤しんでいきたいと思います。
企業における不祥事対応
日本弁護士連合会は,月に1度,「自由と正義」という雑誌を発行しています。2017年1月号では,「企業における不祥事対応」という特集記事が組まれており,興味深く読ませていただきました。
不祥事に関しては,弁護士國廣正先生の「それでも企業不祥事が起こる理由 “法令遵守”を超えるコンプライアンスの実務」(日本経済新聞出版社)がおすすめです。パロマのガス瞬間湯沸器一酸化炭素中毒死事件やNHKインサイダー取引事件など,実際の事件にも言及しながら,コンプライアンスの本質に迫ります。難しいテーマでありながら,文章は平易で読みやすく,大変勉強になりますので,ぜひご参照ください。
自由と正義で紹介されていた「不祥事対応のプリンシプル」は参考になると思いましたので,さっそくリンク集に追加しました。不祥事事案などから遡り,日々の経営の在り方を見つめなおしていきたいと思います。
経営者のお話に触れて
㈱グループノーツ代表取締役会長佐々木久美子氏のお話を聴く機会があったので,参考までに記録しておきたいと思います。
佐々木氏は,小学生のころからプログラミングをおこなっており,IT関係業務を手掛けている会社の代表の1人です(代表がもう1人います。)。2児の母でもあります。創業して数年という企業でありながら,大変しっかりしたお考えで経営をされていることが伝わってきて,感嘆しました。ぜひ今後の業務の参考にしたいと思います。
佐々木氏が,経営において気を付けているということを,メモ程度ですが,記載してみます。
・財務と経理の違いを理解する
・データを見る,分析する,活かす
・HPは発信しないと見られない
・経理,財務は知人や家族に任せない,なあなあにしない
・「どうせ無理」という感覚は捨てる
・経済を知る
・出来ないことはやらない
・世界中の気になるニュースを読む
・人を悪く言わない
・勉強する
・無理をしない
・ピンチはチャンスだと思う
・自分が社長だから偉いと思わない
・常識に合わせずジブンたちに合わせる
・問いを立てる→解決する
・答えでなく問いを,解決策でなく討論を,利便ではなく意味を,市場ではなく社会のために(アンソニー・ダン著「スペキュラティヴ・デザイン 問題解決から、問題提起へ。—未来を思索するためにデザインができること」より)
・人の価値が問われている
・起業より経営(継続),誰のための起業なのか,誰が喜ぶのか
・「なぜ,会社を作りますか?」と自分に問い続ける
なるほどと思うものばかりで,耳が痛かったです。 佐々木氏からは,おすすめのツールについても紹介していただきました。
・HPは必須。スマホ対応必須。
・G suite
・クラウド型会計システム free
・クラウド型顧客管理 sales farce
同氏いわく,「唯一生き残るのは,変化できる者である。」(チャールズ・ダーウィン)だそうです。新しいものを取り入れてどんどん変えていくことも必要ということでしょうか。またまた耳の痛いお話でした。
いろいろと参考にさせていただき,私の業務もさらに充実させていければなと思います。
企業/経営について
企業/経営について 今後、書いていきます