私(西村幸太郎)の一連のブログ記事です。私がどういう人間なのか、どういう活動をしているのか、どんなことを考えているのか、どんな知識やスキルを持っているのか、信頼に足る弁護士か、などなど、たくさんの疑問をお持ちの方もおられると思います。そのような方々は、是非こちらの記事を御覧ください。
タグ付け: 弁護士過疎偏在問題
2021年度支部交流会
令和4年2月5日(土)午後1時30分~午後5時,九弁連司法改革問題に関する連絡協議会が運営する2021年度支部交流会が開催されました。
この会は,毎年執り行っています,年に1度の,裁判所支部管内で活動する弁護士の交流会です。その年その年のテーマを設定し,事前にアンケートをとり,情報共有,問題の深掘り,意見交換を行い,その後の運動に生かすための糧としています。
ここ数年は,弁護士業界全体としても関心の高い「民事裁判手続のIT化と支部問題」を連続で取り扱ってきましたが,今年も,いよいよ令和4年7月までには全支部でWebの裁判が導入されるという状況を受け,今一度現在の到達点と改めて問題点の検討を行うべく,テーマとして設定させていただいております。
大阪弁護士会所属・民事訴訟法(IT化関係)部会委員・阿多博文先生をお招きし,1月28日に定まったばかりの要綱案をベースにIT化の議論状況について,わかりやすくご解説いただきました。そのうえで,質疑及び意見交換を行っていきました。活発な意見が出て,有意義な意見交換ができたのではないかと思います。
参加者から出ました,「支部の弁護士として考えていかなければならない問題点」の指摘も,大変示唆に富むものでした。
①裁判官非常駐支部において,本務庁の裁判官がWebで裁判することを求めるか。実現すれば非常駐支部で開廷日が制限されるという問題は解消する反面,そうであれば支部の箱は必要ないとなりかねず,長い目で見れば支部の統廃合を誘発するおそれがある。
②支部裁判官でも,本庁の裁判官2名と組めば,合議ができる可能性がある。そのような形で,支部に合議を組み入れていくことを求めるか。支部機能が拡充する可能性と,支部の箱が必要なくなる可能性の両面を秘めている。
③中心部の大規模事務所が,地方の事件を処理することになる可能性をどう考えるか。中心部では楽観論が多い。地方の弁護士としては,地域に根差す活動をしていきたいと思っているが。
④本人訴訟のサポートが支部にどのような影響を及ぼすか。
⑤支部の機能の縮小の可能性をどう考えるか。長い目で見れば,みながITを活用できる時代が来るかもしれない。そうすると,支部の建物は必要なのかという議論になりかねない。平成初期の統廃合は裁判所主導で勝手にやられてしまったものであることを忘れてはいけない。「ここだけは残してほしい」という守りの活動をしていくべきではないか。
私も,また協議会も,引き続き考えていきたいです。
その後,支部の実情に関する意見交換,そして特別講演として,来年度北九州において九弁連大会が開催されることから,小倉の本庁昇格問題に関するご報告をいただきました。
支部におけるzoomを活用した相談の可能性,法テラスを利用した電話相談の可能性などを知れました。支部の弁護士がいきいきと独特な活動をしているさまを垣間見れて,同じ支部弁護士として非常に励みになりました。小倉の本庁昇格問題は,問題点等を端的に知ることができ,今後の活動の糧としていきたいと思いました。
運営側の事務局長職を拝命しておりますが,今回も機器等の特段のトラブルもなく,滞りなくプログラムが終了し,ほっとしているところです。参加していただきましたみなさま,お疲れ様でございました。運営側のみなさま,ご協力ありがとうございました。
また来年も,充実した会にしていきたいと思います!
2020年度 支部交流会
令和3年2月6日,午後1時30分~午後5時,毎年恒例の九弁連支部交流会が開催されました。初のWebセミナーです!
私は同交流会を運営する協議会の委員ですが,今年から事務局長を拝命しています。その意味でも初めての試み。私にとっては上手く運営できるかどうかハラハラドキドキの交流会でした。
結果がどうだったかは参加者の方の感想に委ねるしかありませんが,終了してほっとしています。
今年は,大きく二部構成で企画しました。前半は,近年被災が目立つ九州において,今後,突然の被災にも対応できるよう,勉強の機会を設定しました。この交流会は,支部弁護士が,支部特有の問題に関する議論をし,その後の運動につなげるための会です。被災地に支部弁護士がいることで,どんなメリットが,よいことがあるのか。そんな最前線で活動する弁護士を,弁護士会としてはどんなバックアップをしていくことができるのか。そんな観点から,熊本県・人吉にて被災された,奥村先生,中嶽先生の2人の弁護士からご報告をいただき,熊本地震・人吉豪雨災害など,被災地支援に尽力された鹿瀬島先生からご報告をいただきました。たくさんの写真を見ながら被災の実際を感じるとともに,自身も被災して疲弊する中,それでも最前線で活動する弁護士の姿を目の当たりにすることができました。それをバックアップする弁護士の立場から,支部弁護士が被災地に存在することで,物理的価値,人繋的価値,継続的価値が発揮されるというようなお話をいただき,なるほどと思いました。そこに弁護士がいるだけで価値がある。弁護士が少ない地域で代えがたい役割を担えると思うと,支部での活動に力をもらったような気持ちにもなります。
後半は,裁判のIT化が,支部弁護士に与える影響に関する議論です。最高裁は,IT化が支部の統廃合にはつながらないというものの,事件の本部集約から支部の事件数が減少し,結果統廃合が進むのではという懸念は尽きません。支部の最前線で活動する弁護士としては,「ハコ」(支部の裁判所)があるということは,いわば象徴的な存在として,市民の司法へのアクセスに関する心理面での促進に寄与していると考えています。ハコをなくすのはぜひとも避けてほしい。でも,過去に大きな統廃合がされたように,どんどん支部のハコもなくなっていくのでは…そんな懸念が尽きないでいるものです。あわせて,現在,日弁連で本人訴訟のサポートをやっていく方向性が打ち出されていますが,司法書士会との業際問題などの背景も知ることが出来ました。IT化も本人サポートも,基本的にその方針としては定まってしまっているようなところもあり,どんな制度をつくっていかなければならないのかという点も含めて,引き続き議論を進めていかなければなりません。
不慣れな運営・司会でしたが,少しでも今後の支部弁護士の活動の糧になると幸いです。
来年度以降も,毎年,やっていき(はず)のものですので,引き続きよろしくお願いいたします。
阿蘇ひまわり基金法律事務所定着式 & シンポジウム「熊本ひまわり公設事務所の歩み」
令和3年1月15日,阿蘇ひまわり基金法律事務所定着式に参加しました!
阿蘇で6年間も地域のために活躍された森あい先生が,ついに定着。熊本の先生方はじめとして,熱烈に歓迎(定着なので,表現がおかしいでしょうか?)されているのが伝わってきました。
私は熊本大学に通って勉強した4年間,熊本で過ごしました。生意気にも普通二輪車を購入して走り回っておりましたので,当時もいろいろなところに行きました。ツーリングで阿蘇にもよく行っていました。大観峰の景色は絶景でしたし,ファームランドでの思い出もあります。熊粋祭(ゆうすいさい)の際は,遠歩(阿蘇のてっぺんから大学までひたすら歩く伝統行事。)の思い出もあります。
そんなことを思い出しながら聞いておりましたが,阿蘇は災害のあおりを受けたり,人口密度が薄かったりと,定着は難しいのではないかと考えられていたようです。「よく決断してくれた!」と喜びの言葉が飛び交っていました。
本当におめでとうございます!
その後にシンポジウムにて,熊本の公設の歩みを勉強させていただきました。
牛深から熊本中心地に何度も足を運んで相談に来ている方を見て,過疎偏在問題に取り組まないといけないと思ったというお話など,興味深いお話もうかがえました。
来月,支部交流会という,年に1度の,支部特有の問題を取り扱う交流会を執り行います。今年度から,私が事務局長を拝命しておりますので,しっかりと有意義な会となるように活動していきたいと思っています。
「民事紛争ネットで解決」日経新聞記事の感想
令和元年7月7日(日)日経新聞の一面に,木になる記事がありました。先般行った支部交流会(裁判のIT化)にもかかわる内容ですので,取り上げます。
記事によると,政府は,離婚や交通事故といった民事紛争を,インターネット上で解決する仕組みづくりに乗り出すとのこと。記事の書きぶりからは,裁判のIT化の話をしているのか,裁判外の紛争解決のための仕組みの話も含むのか,判然としないところがありましたが,おそらく裁判のIT化の話をしているのでしょう。
ネット上で手続ができること自体は,悪いことではないと思いますが,情報管理の問題やシステム構築をどうするのかなど,課題は山積みのように思います。また,紛争を解決するという事柄の性質上,すべてネット上で行って当事者の納得のいく解決ができるのかも,疑問がないわけではありません。ある程度は,出頭・対面なども併用していくことは必要ではないかということも踏まえて,検討していただきたいと思います。
仕組みが出来上がることで,支部機能が縮小し,支部のハコがなくなり,ハコがなくなることでより司法が遠くなり,結局司法的な解決を選択しなくなるという悪循環も考えられますから,そのような問題はないかということも,支部の弁護士から声を上げていかないといけないかもしれませんね。
支部交流会 2019
令和元年6月29日(土)13:30~17:00,恒例となっています支部交流会が開催されました。九州弁護士会連合会の協議会が主催するもので,支部の弁護士が集まり,年1回,本庁にはない支部特有の問題について議論する交流会です。今年で10周年となり,感慨深いものがあります。私も,毎年,参加させていただいております。
今年の大きなテーマは,裁判のIT化と支部機能の縮小の懸念についてでした。そもそも,支部にはなかなか情報が伝わらないところがありますので,まずは情報共有のため,議論状況にお詳しい方々の報告をいただきました。これを踏まえ,支部に与える影響という観点で,活発な意見交換がなされております。最高裁は,IT化が支部の統廃合にただちにはつながらないというものの,IT化によって支部の事件数がさらに減っていけば,必然,統廃合の対象になるのではないかという懸念もあり,みなさん真剣に議論いただきました。大変有意義な意見交換ができたのではないかと思います。西南学院大学の民訴法の先生にもコメントいただくなどでき,大変貴重な機会となりました。
私は,ディスカッションの司会役を仰せつかっております。IT化に関して盛り上がったところで,関連する,支部の非常駐の問題を取り上げて議論いたしました。現在,支部では,平戸,壱岐,佐伯,竹田,山鹿,阿蘇,知覧,八女が,裁判官の常駐しない地域になっています。なかなか期日が入らずに進行が遅延するなどの問題があり,填補の裁判官の負担も重くなるため適切な審理ができるのかという懸念もあります。ここ最近では,中津の簡裁が,これまで常駐の裁判官がいたにもかかわらず,非常駐になってしまい,支部には裁判官がいても,簡裁にはいないという新たな(?)問題も生じているように思います。そのようななかで,運用の改善につき努めている支部もあり,これらを紹介いただくなどして,今後の運動のための参考とすることができました。
その他,現在,中央一極集中の傾向が強まり,過疎偏在地域はおろか,地方都市でも登録者が減っているような現状もあるようで,地方で志をもって活動する弁護士を採用するため,どのような努力・工夫があり得るかなどを議論しました。
毎年,支部の状況について勉強させていただき,最近では運営側にもかかわらせていただいておりますが,これからも,弁護士過疎偏在問題への対応を続けていき,そので学んだことを,豊前での弁護士活動にも還元していきたいと思います。
みやき法律事務所訪問
私の前事務所,あさかぜ基金法律事務所時代の後輩である,服部晴彦弁護士が,故郷みやき町(佐賀県)で独立開業されました。本日,お披露目会がありましたので,「みやき法律事務所」をのぞいてまいりました。
私もまじまじと観察するのは初めてでしたが,行きすがら帰りすがら,みやき町のことを見てみますと,鳥栖や久留米と隣接しているような地域であり,交通の要所としていろいろな企業の拠点・工場などがたくさん散見されました(本当は企業見学もしたかったのですが,土日はなし・要予約というところが多いですね。)。大型ディスカウントショップも多く見られ,生活に必要なものはその地で完結して入手できそうでしたが,聴いていると,福岡・鳥栖・佐賀で仕事をする人のベットタウンになっているようなところもあるようです。人口も増えているというようです。西鉄バスが走っており,公共交通機関はある程度整備されているようですが(私が活動する豊前市では撤退してしまっています。),事故の発生件数などはどのような数字になっているのでしょうか。周辺に,東京海上日動や損保ジャパンなどの看板が散見され,保険代理店やディーラーの方から,交通事故関係で,頼りにされる存在になるかもしれませんね。鳥栖が近いこともあって,鳥栖の方が,地元で相談しにくいという場合の駆け込み寺になるかもしれませんし(人の目を気にすることが多い債務整理や離婚などの事件ではニーズがあるかもしれません。),国選弁護等の需要もあるのではないでしょうか。行政,商工会などの各種団体などともかかわりを深めて,地域の需要をどんどん取り込んでいってほしいですね。
みやき町では初めての弁護士とのこと,隣接地域をあわせても数少ない弁護士ですから,地域の需要に見事応えていただけるものと思います。
みやき町で活動を始めて1か月くらい,相談数はボチボチだそうですが,これから,地域に認知されていくに連れ,どんどん存在感を増していくことでしょう。
アクセスバリアを取り除き,地域に貢献したいという同じ志を持つものとして,ぜひとも頑張ってほしいです。
帰りは,鳥栖のプレミアムアウトレットをのぞいてみましたが,こんなに広大な施設になっているとは存じ上げませんでした。楽しく買い物させていただきました。時間が足りませんでしたが,次回は「中富記念くすりの博物館」など,ほかにもいろいろとまわってみたいと思います。
あさかぜOB・OG会
平成30年9月8日~9日,@雲仙市・旅館 東園にて,私の前事務所=あさかぜ基金法律事務所のOB・OG及びその家族が集い,設立10周年を記念して,同窓会が開催されました。同事務所は,九州管内のうち,弁護士がいない/少ない地域へ人材を輩出するための事務所として,活動を続けております。その成果として,20人あまりの弁護士が,弁護士のいない/少ない地域へと赴任をしており,OB・OGの数もつながりも密であって,旧交をあたためるにとどまらず,諸先生方の赴任時の状況,現在の活動状況,司法過疎偏在問題の現在的な課題,これに対する種々の意見などにつき,報告・検討・議論をする機会とできました。地方過疎偏在問題に取り組むプロフェッショナルとの交流の機会があり,これを活かして情報を収集したり,アイデアを得たり,事件処理・事務所経営のヒントとできることは,同じく司法過疎偏在地域で活動する幣所の大きな強みと言えると思います。
雲仙市での開催ということで,隣接する島原市にて活動を続けておられる,島原中央ひまわり基金法律事務所の事務所訪問もさせていただきました。事務所の立地,内部のレイアウト,事務局との関係構築,事件処理,事務所敬愛など,種々にわたって,状況を具体的に教えていただくことができ,大変参考になりました。さまざまな地域の事務所をみて参考にできるところも,幣所の強みと言えるでしょう。
弁護士間のつながりも大事にしながら,今後も,良質なリーガルサービスを続けていきたいと思います。
お昼にいただいた,平野鮮魚店でのスペシャル海鮮丼,あら汁は絶品でした。島原の食は大変おいしゅうございましたね。
これからも九州各地をまわりながら,九州の弁護士過疎偏在問題について考えていき,ひいては自分の活動している地域,お客様に還元していきたいと思います。
【東園 とても素晴らしい旅館!】
【島原中央ひまわり基金法律事務所 事務所訪問】
【平野鮮魚店 絶品の海鮮屋さん】
卓話
平成29年3月16日(木)13時~,@築上館,豊前ロータリークラブ例会の卓話(講演)を担当させていただきました。
私がどうして豊前市で開業したのか,弁護士がどんなことをしているのか,豊前市でどのような活動をしていきたいかなど,日常的なことをお話しする中で,地域貢献(ロータリークラブでも「奉仕」活動を行うということを掲げていますね。)の在り方について考えました。
質問の中では,経営者側から見た,そうあってほしい弁護士像のご指摘などもいただき,勉強になりました。
平成29年3月23日(木),午前6時~,@豊前商工会議所,豊前市倫理法人会モーニングセミナーのスピーチも担当させていただきます。守秘義務には気を付けつつも,地域の方々のため,さまざまな情報発信をしていけるといいなと思います。
支部交流会
平成29年1月21日(土) 13:30~17:00 福岡県弁護士会館にて,毎年恒例の「支部交流会」(九州弁護士連合会主催)が開催されました。これは,裁判所支部管轄で仕事をする弁護士が,意見交換を通じて,支部特有の問題について考えていこうという会です。私の事務所の所在地である豊前市は,福岡地方裁判所行橋支部管轄です。私も,この会に参加し,いろいろと勉強させていただきました。
支部問題というのは,御幣をおそれずざっくりというと,裁判所支部のインフラが整備されていないため(例:支部に裁判官がいなくて判断をもらえない/判断が遅い、支部で労働審判を申し立てられない、調査官がいないから少年事件ができない…などなど多数)に、市民が遠く離れた裁判所本庁まで移動しなければ法的サービスを受けられない不都合に関する問題のことをさします。
まず、最高裁との協議によって、あたらしく支部でも労働審判ができるようになった長野県の会員から、どうやってそのような成果を勝ち取ったのかのご報告をいただきました。弁護士は、会内で決議をしたり、最高裁に対し意見を述べたりするが、やりっぱなしではダメだ、もっと積極的にアクションを起こしていかなければいけないということでした。耳の痛い話ですが、私も、口先だけにならないよう、活動を続けます。
後半は、支部の会員間でざっくばらんに意見交換をしました。なかでも興味深かったのは、離婚/養育費・婚姻費用に関する判断のバラつきの問題についてです。東京から赴任したある弁護士の話では,東京では,養育費を22歳(大学卒業時)まで請求するのは,当たり前だったそうです。しかし,支部に赴任すると,支部では,当然のように20歳(成人する)までとするような話をされるようです。東京の子どもは大学を卒業するのが普通で,地方の子どもは大学に行かないのが普通だとでもいうのでしょうか。私は,現在は大卒が決して珍しくない時代ですから,子の学歴,子の意欲,親の学歴,その他の事情を考え,特に問題がない場合は,22歳まで請求しています。もちろん事案によりますが,原則22歳まで,大卒の蓋然性がない場合には20歳までとすると考えているといってもよいでしょう。事案に即した結果,判断がわかれるのであればやむを得ないでしょうが,支部というだけで通常20歳までと考えられているのであれば,それはおかしな話なので,きちんと事案に即した検討を求めていくべきかなと思ったところです。養育費は,ひとまずは調停(話合い)で決することなので,相手方の意向にもよるということになるのでしょうけれども,きちんと法的な帰結は意識した上で,代理人活動をしなければなりませんね。
活発な議論があり,大変勉強になりました。ここで勉強したことを活かし,今後の業務にも活かしていきます。
法曹人口増加問題と弁護士の在り方
非常に参考になったので,紹介と感想について,簡単に記載します。
「弁護士は増えたけど・・・ 法曹人口問題について考える市民集会」報告書
この報告書Q3によると,地方の方々の弁護士へのアクセスについては,弁護士の数が増えたことがプラスになっているという意見がありました。ニーズもあるという意見です。大変喜ばしいことです。 一方で,私の実感として,弁護士が増えたから,「さあ,地方に行こう!」という弁護士も増えるかというと,そういうわけでもないのかな,と思います。弁護士の志,生き方の問題ですから,なんともいえませんが,地方でやっていこうとするからには,それなりの勇気,覚悟,根性が必要だと思いますから,そういった人材の育成が課題かもしれませんね(もちろん,私も,そうありたいと,日々努力を続けています!)。
また,この報告書Q2によると,消費者相談の需要はあるのではないかということです。消費者分野は,それ自体が専門的で難しい分野である反面,業者側もいやらしく,弁護士費用や訴訟費用を考えるとペイしないような金額で被害を生じさせる傾向があり,費用対効果面も難しい分野です。弁護士として,関与の仕方が難しい分野といえます。しかし,報告書のとおり,消費者被害に苦しむ方は,現に存在しているのですから,私も,この現実を常に心に留めながら,いかにして弁護士として手を差し伸べていけるかを,日々考えていきたいと思います。
この報告書の末尾には,市民集会という企画が民主的で好感がもてる旨も記載されています。私も,地域の方と弁護士の距離を縮めるための企画を,なんらか考えてみたいなと思いました。