私(西村幸太郎)の一連のブログ記事です。私がどういう人間なのか、どういう活動をしているのか、どんなことを考えているのか、どんな知識やスキルを持っているのか、信頼に足る弁護士か、などなど、たくさんの疑問をお持ちの方もおられると思います。そのような方々は、是非こちらの記事を御覧ください。
タグ付け: 災害
記録的豪雨(豊前市~行橋市)
福岡県は,記録的豪雨に見舞われています。九州北部豪雨のトラウマ再びという印象です。地方の災害対策に少しでも役立つよう,実情をメモしておきます。
豊前市は,災害が少ない地域という触れ込みで,実際に,そのような地域と感じていますが,今回ばかりは,豊前市も,かなりの豪雨を経験しているようです。
私も,本日,豊前市←→築上町→←行橋市を往復する中,地域の被害は,かなり深刻と感じました。
午前中の時点で,東九州自動車道が通行止めになりました。豊前→←行橋間は,基本的に,高速を通らなければ,10号線一本道を通らざるを得ないような,道数の少ない道路です。当然,高速が使えないとなると,車が集中します。おそらく,普段は高速を通っている大型のトラックも多数通っていました。ただでさえ雨で視界が悪いのに,大型のトラックが立ち並ぶと,さらに視界が悪くなります(トラックを責めているわけではありませんので,あしからず。)。この一本道で交通事故が起こると,とたんに交通がマヒし,さらなる混乱が生じますが,幸い,私が通った時間には,事故は生じていなかったようです。
昼間。豊前市は,心なしか,少し雨が引いたように感じました。しかし,それも束の間。おおよそ午後2時半ころ以降から,雨風の激しさを増し,ひっきりなしに避難勧告などの警報が鳴り響きます。築上町,豊前市,行橋市も,避難勧告がなされていたようでした。
夕方,豊前→←行橋の間,25kmほどありますが,大渋滞で,まったく車が動きません。 特に,上りが,ひどかったようです。中津方面から,豊前市舟入の交差点(トライアル豊前店がある交差点)の間は,交通機能がまったくマヒしていたようです。豊前松江周辺・10号線は,やや車の動きがよかったようです。 逆に,下りは,上りにくらべると車が動いていたようですが,それでも通常のようにスムーズには動いていませんでした。
行橋~豊前の間には,今川,祓川,城井川…といった,比較的大きな河川がありますが,いずれも満水。いつ溢水するか,気が気ではありません。新行橋病院付近にある鼻田池は,完全に溢水していました。かろうじて車が進めていましたが,いまは大丈夫なのでしょうか…
※ 鼻田池です。溢水しています。
一転,大分寄りに目を向けますと,吉富町と中津市の間を分ける一級河川,山国川は,どんどん水かさが増し,とても怖い状態だったようです。
花の金曜日ですが,まっすぐ家に帰って(場合によっては移動せずに,),低い場所は通らず,川の近く,崖の近くは避けて,安全を確保してほしいと思います。
今日は,ニュースで,記録的大雨の話(と,オウム真理教7名死刑執行の話)で,もちきりです。ここ数年,地震や豪雨などの災害のニュースが,後を絶えません。もともと災害対策委員会として,災害対策にかかわっていた経験も生かして,なんらか皆様のお役に立てればと思いますが,ひとまず情報提供です。
防災フェス@築上町中央公民館
平成29年8月27日@築上町中央公民館,防災フェスが開催されました。防災に関する講演会と並行して,マルシェも行い,集めた資金を利用して,防災のための原資にするのだということです。築上町中央公民館も,このため,場所を提供するなど,大変協力的だったということでした。地域の暖かさを感じます。
各種お買い物も楽しめましたが,防災の講演も,大変役に立ちました。食料をため込むより,食料をスムーズに購入できるように道具をそろえておく方が有用であるといったお話。トイレの使用に関しては大量の水が必要になるため,水の確保が重要だというお話。真面目な人ほど水を飲んでトイレに行くと迷惑を考え,脱水や各種病気の温床をつくってしまいやすいため,やはり水の確保と,それを自由に利用できる環境づくりが大事であるというお話。トイレは菌のたまり場なので,そこで利用した靴などを避難所に持ち込まないことが重要だといったお話。マスコミが無断で現場を映して回ることについては,「スッピンを写さないでほしい」「寝ているところなど写さないでほしい」といった声を無視しているなどという問題がある反面,報道されないと支援も受けられないという側面もあって,両側面があるというお話。…
さまざまアドバイスいただき,勉強になりました。興味をもっていた,災害時のドローンの利用につき,質問をしましたが,現状,3年ほど前から,利用がされるようになってきており,消防なども利用しているということです。マスコミによる利用なども検討されているようですが,現状では,民間での利用は進んでいないとのことです。ただし,災害時,大量の「災害ごみ」が出るにもかかわらず,これらの処理がうまくいかず,道をふさぐなどして大きな問題になっているところ,災害ごみの処理にドローンを利用するという試みが進んでいるとのことでした。
災害は,いつ起こるかわかりません。豊前市とその周辺は,災害のない安全な地域とされていますが,備えあればうれいなし,しっかり勉強しておきたいと思います。
集中豪雨に関して
このたびの集中豪雨により,被害を受けられた皆様方に謹んでお見舞いを申し上げます。また,ご親族やお知り合いのなかで被害にあわれた方も多いかと存じますが,併せて心中をお察し申し上げます。
私も,福岡県弁護士会災害対策委員会の一員ですので,少しでも参考になる情報発信ができればと思い,寄稿します。
さて,地域における状況ですが,もちろん時間帯,場所にもよるものの,当事務所所在地の豊前市を中心に,おおむね,豪雨といってよいほど,ひどい雨が続いています。昨日,中津市においては,比較的小雨に近い程度でしたが,福岡県と大分県の県境にある山国川(一級河川)は,通常時と比べ物にならないほど水位が上がっていました。本日早朝においては,築上町付近において,極端な水位の上昇までは認められなかったものの,特に築城(自衛隊所在地付近)においては,かなりの豪雨で,前方が確認しがたい状況が続いていました。
本日早朝より,東九州自動車道のうち,北九州JCT⇔みやこ豊津IC間は通行止めだそうです。そうすると,一本道の下道(旧10号線)が 混雑することになりますが,実際,通行車両は多かったように思います。豪雨で前方が確認しづらかったこと,各所に水たまりができており足がとられる場面が多かったことから,事故が生じないよう,十分注が必要だと思います。下道が一本道の関係で,ひとたび事故が生じると,付近の交通は完全にストップしてしまうと思います。二次災害防止も重要だと思います。 JR九州のうち小倉⇔大分の部分も,運行見合わせや遅延があります。豊前市は,最寄り駅宇島駅に,ソニックが停車したりしなかったりという地でもあり,交通に関し受けるダメージは大きいかもしれません。
以下,豊前市-築上町-吉富町-上毛町-中津市-行橋市に関する情報のリンクをしておきます。
【交通状況】
【警報・注意報】
【ハザードマップ】
私のところにもいくつか安否確認の連絡がまわってきましたが,簡単でもよいので,報告をすると,情報もいきわたりますし,支援を考えている側も安心ができます。安否の情報確認の迅速さが,被害拡大を防止できることもあります。低地に行かない,落ち着いて避難するなど,できることから1つずつやっていくしかないのかなと思います。
金融機関は,融資や返済の延期などに関する相談の特別窓口をつくったり,保険会社は,保険料の支払い期限を猶予する検討をしたりなどもしているようで,お金の面での相談も,事情を説明して,可能だろうと思います。まずは,大事に至らないように,情報収集して,災害に対応することが重要かと思います。
今回の被害を巡って,法的にもいろいろと問題は出てくるでしょう。 ひとまず,当事務所HPのリンク集で,(主に熊本地震の際に集めたリンクではありますが,)災害関係で役立つものを集めていますから,必要があればご参照ください。
中津市については,災害救助法の適用もされたようです。条件はありますが,住宅の応急修理制度や「自然災害債務整理ガイドライン」など使える制度が増えるはずです。以下も参考になるかもしれません。
弁護士会の方でも,現在,対応策を検討中です。 当事務所も,豪雨災害に関することを含み,法律相談をお受けしますので,ご活用ください。
あまりまとまりがなくなってしまいましたが,必要に応じ,改めて,情報発信をしていきます。 少しでも参考になれば幸いです。
憲法記念日(災害のことなどについて)
憲法記念日ですね。報道をみると,憲法の平和主義は,押し付けではなく,日本が言い出したものだという説が有力(になった)とか。この美しい憲法を守っていかないといけないですね。仮に,改正を考えるにしても,憲法の基本理念につき,改めてよく確認した上,それを損なわないような議論が必要と思います。
私は,災害対策委員会として,たとえば熊本自身の関係の相談対応を行ってきたりしました。災害に関しては,それなりに興味をもっています。そこで,憲法上の問題として,「緊急事態条項の創設」について述べてみます。
緊急事態条項というのは,戦争などの緊急事態が起こったとき,国家の存立を維持するため,行政に権力を集中させるなど,立憲主義を一時停止させる条項です。つまり,予想の斜め前を行く事態が生じた場合,国を守るため,憲法はさておいた超法規的な措置を可能とする条項です。熊本地震の経験なども踏まえ,地震などの自然災害に対処するため,緊急事態条項が必要という意見があります。
少し考えていただければわかるとおり,せっかく憲法で国家権力をしばっていたのに,それを停止してしまうとなると,権力者が濫用しないか?ということが深刻な問題になってきます。そもそも,地震などの自然災害に対処するためにそんな条項は必要ないという見解が多いです。これまでに,数々の災害を経験し,その度に,場当たり的にではあっても,ある程度の法整備はなされていますし,災害への対処は,事前準備こそが重要で,これがなされていないと,中央集権的な措置をしても,適切な対応ができるかは疑問であるとされています。(話はそれますが,昨年,「シン・ゴジラ」が大ヒットしました。突如現れた天災的な怪獣になすすべもなく右往左往する様子,あれこそが,事前準備のない場合の対応の難しさをよくあらわしているのではないかと思います。ぜひ1度ご覧ください。)緊急事態条項により,権限を政府に集中させるより,むしろ現場の自治体に権限や裁量を与えるべきともいわれています。
したがって,緊急事態条項は必要なく,むしろ,さらなる事前準備を進めていくべきだと思います。幸い,豊前地域は,災害の少ない土地柄ではありますが,引き続き,私も勉強していきたいと思います。
災害関係の第一人者,津久井進先生のご講義を拝聴する機会をいただきました。先生は,「災害のときこそ人権感覚,人権の意識が重要だ」と説いておられ,「憲法をリア充しよう」と言って,以下のような説明をしておられました。感銘を受けましたので,これをご紹介させていただき,締めさせていただきます。
1人ひとりが大事にされ(13条)
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安心して暮らし(平和的生存権)
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望むように住み(13,22,25条)
↓
命が大切にされる(13,9,25条)
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そんな社会を自ら創る(国民主権)