私(西村幸太郎)の一連のブログ記事です。私がどういう人間なのか、どういう活動をしているのか、どんなことを考えているのか、どんな知識やスキルを持っているのか、信頼に足る弁護士か、などなど、たくさんの疑問をお持ちの方もおられると思います。そのような方々は、是非こちらの記事を御覧ください。
いままでの投稿: 2020年
相続プランニング
MDRT/CFPさんと協力して,相続対策に取り組んでいます。
相続対策というと,主に税金対策を思い浮かべますね。私は,相続対策は,大きく,
【相続税額を少なくする対策】
1-1:被相続人の財産を(合理的に)減らす
1-2:財産の評価を(合理的に)下げる
【払うのは仕方がないとして,納税資金をキャッシュで確保する対策】
2:被相続人死亡時にキャッシュですぐにお金が入るようにする
という対策になります,と説明しています。あまり難しくしてもわからないので,これくらいで押さえておけばよいのではないでしょうか。
1-1の財産を減らすというのは,贈与税がかからない年間110万円の限度での生前贈与などが代表的ですね。
1-2は不動産や非上場株など,評価に争いがあるものについて,タイミングを見計らってうまくやれば対策できることもあるようです。
2の典型的な方法は生命保険(死亡保険)を利用する方法。死亡保険金は,例外を除き遺産ではない(受取人固有の財産)と解されるため,受取人が請求手続さえとれば,面倒な遺産分割協議や調停をしなくとも,キャッシュがすぐに手に入ります。10か月以内の相続税申告の強い味方です。うまく使えば。
1-1につき,死亡保険がある場合,その受取人に注意。保険金はみなし遺産にはなりますので,受取人が相続人の場合,その相続人に多額の贈与税がかからないか?なども検討する必要があります。
たくさん保険をお持ちの方については、たくさんありすぎて,いざ保険金の受け取りを請求する手続が面倒と思われる方もいます(各会社に,必要書類の原本を用意して請求しないといけないと思われます。たくさんあると手間です。)。2の対策に逆行するような傾向です。同じような保険があれば,まとめてあげた方がよいかもしれません。無告知型の保険(病気の告知が要らない保険)をうまく使った対策もできます。この保険は,相続対策には便利なように思います。
いま話題のかんぽ生命にも注意。よく見たら,自分が考えたとおりの内容になってない場合もあります(孫にお金を渡そうと思って入ったのに,受取人ではなく被保険者が孫になっている場合など。先般,新聞でも報道されてました。)。その他,告知義務違反が疑われる保険などにも注意。全体的にチェックしていきます。
つらつらと書きましたが,保険,遺言など,複数の方法を横断的に検討して対策するのは,大変で難しいことですが,とてもやりがいのあることでもあります。事前に相続対策をしたいという方,ぜひご相談いただけますと幸いです。
講演「本当にこわいパワハラ問題」
ハラスメントに関する報道が後を絶ちません。昨年はILOがハラスメントを禁止する条約を採択しました。これにあわせて,日本もパワハラの定義,事業主の防止措置などの義務付けなどを法制化しました(R2.6~施行予定)。そうした流れを受け,今年の豊前市人権講演会でも,パワハラに関する講義のリクエストをいただきました。
こうした次第で,令和2年1月23日~,@豊前市役所3階大会議室,「本当にこわいパワハラ問題」をお話しさせていただきました。
実は,昨年も講演依頼いただいており,その際も,(当時はスポーツ関係のハラスメントの報道がさかんだったこともあって)ハラスメントの講演依頼でした。重複するとよくないかなと思いましたので,今年は経験事例や裁判事例を参考にして,法制化については最新の議論状況など(たとえば,ILOでは第三者(取引先・顧客など)との間でのパワハラなども含めて定義されているが,日本ではこの点は議論中であることなど)をお話ししています。
みなさん熱心に聞いていただいたように思います。
人格否定的な言葉は使わない,職場環境を整える,「俺の時代はこうだった」は通用しない,平素の行状が問われる(普段のコミュニケーション・信頼関係が大事)…などなどの話をした上,現在の法制化状況をお話ししたところです。
「今後,我々はどういうことをしていけばよいと思うか?」というなんとも深遠なご質問もいただきました。取り急ぎお応えできるのが,おおむね管理職向けの研修なので,パワハラを発見するための内実のある制度づくり(予備調査制度など),事実を把握した後にどのように対応するかについて第三者が介入して検討できる制度づくりなどに加え,把握した事実をもとにしっかり検討できる体制づくりなどかなあということをお話ししております。
貴重な機会をいただきました。 ご多忙中ご参加いただいた企業の方々,豊前市の職員様,ありがとうございました。
卓話「知らないと怖い法律」
本日,令和2年1月16日,豊前ロータリークラブの卓話において,「知らないと怖い法律」と題して,豊前で開所して以降約3年ちょいの間で実際に経営者及び職員から受けた相談をもとに,知っておいて損しない事柄についてお話しさせていただきました。
内容は,おおむね以下のとおり。 ・よくある架空請求に騙されないようにするためには… ・第三者が従業員の給与を請求してきたら… ・求人広告を作成するときは注意! ・固定残業代性はオススメしない。 ・休暇(生理休暇,年休など)を与えないと… ・団交拒否すると違法です! ・団交対応のコツ ・名ばかり取締役も責任を負う?! ・危機時期における自力救済は許される? ・会社役員の交通事故…休業損害・逸失利益 ・自営業者の交通事故…休業損害・逸失利益 ・休車損-予備車があったら使わないといけないの? ・評価損-愛車の格落ちを請求できない!
(以下時間が足りなかったもの) ・法人への遺贈は税金のトリプルパンチ ・「7人の侍」を放置すると? ・ヤミ金に負けるな!
少し補足します。 訴訟管理センター,民事訴訟通事務局なるものから意味不明なはがきが来ることについては,裁判所からも注意喚起がなされています。 解雇紛争については触れるべきだったかと思いました。日本の解雇法制がいかに厳格であるか,一方で解雇が認められるのはどのような場合か,機会を作って発信していきたいです。 交通事故は取扱件数が多いこともあってかなりお話ししたかったのですが,時間の関係で駆け足でした。交通事故などに遭っても,役員報酬は税務上減額しない場合が多いので,損害がないとして保険会社に争われます。減額があった場合も,1人株主やそれに近い同族企業などは,恣意的に下げたんだろうなどと言われてしまいます。いずれにせよ揉めます。さらに,利益配当部分は賠償の対象にならず労務対価だけが賠償の対象になるという理論があるため,なお賠償を認めていただくハードルが高くなります。個人事業主は,多かれ少なかれ節税のための工夫(売り上げをできるだけ低く,経費をできるだけ多く)をしており,確定申告上の所得が圧縮されていることが多い。これをベースにすると低額の休業損害になりやすく,よく揉めています。賠償額に不満がある人はご相談ください。
最初は簡単に話し終わるかな?と思ってましたが,話始めると結構話せるものですね。それだけ真面目に仕事をしてきたのだと思っておきます。 教科書的にまとめたものでなく,ある特定の方々に役に立つように考えてお話しするのもなかなか面白いと思いました。機会があればまた続けていきたいです。
みなさま,ご清聴いただいていたように思います。少しでもお役に立てると幸いです。
孤高のメス
連続ドラマW「孤高のメス」(2019)。
医療界の複雑で特殊な人間関係について描写するドラマは,医療ドラマの金字塔である「白い巨塔」第一部でも描かれていますが,今回のドラマも教授選などでそうした描写がふんだんに見られました。
時は1980年代後半。私が産まれたばかりの頃です。妻が「今は看護師さんあんな帽子かぶらないよ。昔の話なんかな。」と言っていたのが思い出されます。未だ脳死についてコンセンサスが得られていなかったころ。地方の病院では中央の病院の医師の派遣に頼らざるを得なかった状況(弁護士過疎偏在問題と似たようなところがあるかもしれません。),目の前の患者が苦しんでいるのに慣例を重視する背景など,医療にはびこるさまざまな問題を描きながらストーリーは展開されていく。窮屈な医療界を変えたいという野心を燃やす中,当初は反発していた慣例主義,体裁や建前に取り込まれていく実川教授と,最初から最後まで一貫して目の前の患者を救うことだけを考えて行動する当麻医師を対比させながら,医療の在り方を問うように物語は進んでいきます。ジャーナリストの報道姿勢についても考えさせられるところがありますね。
ラストは,主人公にとってハッピーエンドとは言い難く,あえてサクセスストーリー的に更生していないところも好感が持てます。医療を取り巻いていた問題の根深さを象徴しているのではないでしょうか。
もちろん,当時より医学は進歩し,また脚色が過ぎるような部分もあるのでしょうが,医療を取り巻く問題について考える題材として,大変勉強になりました。
タッキー(滝沢秀明さん)が引退前の最後のドラマとしてこちらに出演したというのも面白いですね。最期のドラマがこの作品ということで,どのような思い入れがあったのかなど,ぜひ聞いてみたいものです。
医療問題に携わる方,医療について考えたい方におすすめの一作。
金色温泉
中津・金色温泉。
八面山に位置する比較的大規模な温泉施設です。行ってまいりました。連休ということもあり,人がたくさん。
ふくろうの神社など,ユニークな施設もあるのですね。家屋風呂はとっても温かく,檜の香りが優しいお風呂でした。受付のおじさんはぶらきっぽうでしたが,忙しい時間帯だったのでしょうがないのかな…
今度は宿泊もしてみようと思います。
秋本治の仕事術
秋本治「秋本治の仕事術」
「こち亀」の作者です。こち亀は40年間無休で週刊連載を続けており,最も発行関数が多い単一漫画シリーズとしてギネス世界記録にも認定されています。
とある新聞。勤労感謝の日。コラムを観ていたら,この本が紹介されていました。そこで興味を持って購入したものの…ようやく目を通せました。
「まあいいや,なんとかなるでしょ」と楽観的に考えるズボラさも必要
時間の約束を必ず守るのは人として当たり前の大鉄則
電話よりもメールよりも顔を見ながら話すのが1番早い
どうしてもできない仕事は例外をつくらず引き受けない
すぐに役立つものでなくとも情報は常にチェックして蓄積しておく
正確性はとりあえず置いておき,叩き台をつくることが肝要
嫌いな運動を無理にやることはない 好きなこととセットにして体を動かす
最短で成功をつかむコツは回り道を厭わず,誰とでも付き合うこと
…などなど,示唆に富むアドバイスが満載。
読んでいて私なりに感じたことは,「好きなことをとことんやる,嫌いなことは好きなこととセットで」「人間として基本的なことを守る(時間を守る,規則正しい生活をする)」「良い意味でこだわらない,変化に柔軟に対応する」などといったシンプルな方針をただひたすら継続しているということかなと思いました。しかし,この「続ける」というのが難しい。馬力で一時対応することができても,ずっと続けるというのは実際至難のわざだと思います。他の筆者を悪く言うつもりは毛頭ありませんが,しばしば休載する,突然休載する漫画も多く,しかも人気漫画でもそのようなことが多いなかで,40年間継続したというのはすごいことだと思います。
継続は力なり。私も,日々しっかりと毎日を過ごしていこうと思いました。