私(西村幸太郎)の一連のブログ記事です。私がどういう人間なのか、どういう活動をしているのか、どんなことを考えているのか、どんな知識やスキルを持っているのか、信頼に足る弁護士か、などなど、たくさんの疑問をお持ちの方もおられると思います。そのような方々は、是非こちらの記事を御覧ください。
いままでの投稿: 2020年
民法改正施行 其の一(消滅時効一般)
本日の日経新聞,西日本新聞を見ていると,民法改正の施行の記事が見当たらない…
いわゆる債権法改正につき,2020年4月1日から施行となっているはずです。それだけ,突如生じた新型コロナウイルスの猛威がものすごく,他の話題がかすんでしまっているような社会情勢なのだと感じました。日本の基本法の大事な転換点のはずなんですが…
それはともかく,今後しばらくは,改正された民法の記事を細切れに挙げていきたいと思っております。弊所において交通事故の取り扱いが多いため,これを中心に。
大きな改正のひとつが,時効です。従来から,時効期間が統一されておらず,弁護過誤の温床などとも言われてきた,複雑でわかりにくい部分です。今回の改正である程度整理されています。
改正民法では,消滅時効の規定は,次のようになりました。
交通事故の際に用いる不法行為に基づく損害賠償請求につき,「被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時」(主観的起算点)から3年,「生命又は身体の侵害による損害賠償請求権」については主観的起算点から5年,さらに,「不法行為の時」(客観的起算点)から20年とされました。 最後の,20年の期間は,従来,除斥期間と解されてきましたが,今回の改正で時効期間に改められました。これにより,時効の更新,完成猶予,あるいは信義則・権利濫用などの適用が考えられるようになり,柔軟な解決が可能になるものと言えます。
他の記事も随時挙げていきます。
教誨師 レビュー
大杉漣「教誨師」
2018年に惜しくも急逝した大杉漣さん。その最初のプロデュース作にして最後の主演作だとか。大杉さんは名脇役(シン・ゴジラでヘリコプターごとゴジラの放射能に吹き飛ばされる総理役とか)としてとても好きな俳優でしたが,とても残念。
6人の癖ある死刑囚と,淡々と話をするだけの内容。ローコストでできていいですねと思う反面,派手なアクションとかで観客を魅了できない分,役者の演技とやりとりだけで観る者に何かを訴えないといけない,難しい作品と思いました。
死刑を回避したいがために,牧師に「さらに人を殺した」などと吹聴する者。とにかく攻撃的で,議論で牧師を言い負かそうとする者。読み書きができず,刑務所で読み書きに励む者…。いろいろな人,いろいろな場面が出てきますね。死刑囚の話を聞きながら,教えを説きながら,自分の過去(兄が殺人を犯し,その後死んでしまった)に向き合う,そういった内容。そんななかで,1人につき,死刑執行が言い渡され,執行を目のあたりにする。死刑のシーンはその音,迫力が怖いほど。
作中,何の結論も出ず,この作品から何を受け取るかは人それぞれなのでしょう。死刑囚に懸命に話をする教誨師の姿は,何となく,一生懸命情状弁護をする弁護人と重なるところもあるように思われました。
「あなたのそばにいますよ」 大杉さんが,ある死刑囚に投げかける言葉ですが,弁護人も,最終的に,できるのはこれなのかなと思いました。
いろいろ考え過ぎると,糖分を使い切ってしまったため,上毛町の名物,レモンタルトをいただきながら,休憩を取りたいと思います(笑)。
私の中のあなた レビュー
ニック・カサヴェテス監督,キャメロン・ディアス主演「私の中のあなた」
家族愛を深めた興味深い一作。
姉・ケイトは白血病。母・サラは,弁護士も辞め,ケイトを救うことに全てを捧げる。ケイトに適合する臓器の移植を可能にするため,デザイナー・ベビーとして人工的に作られた子が妹のアナだ。アナは,ケイトのため,何度も注射を打たれ,ついには臓器の提供をさせられそうに。アナは,11歳にして,キャンベルという敏腕弁護士を携えながら,母を訴え,提供を拒否する。
何とも重い内容です。デザイナー・ベビーという単語も,この映画で初めて認知しました。子が未成年で母を訴えるという内容も衝撃的。娘・ケイトのために全てを捧げる母・サラ,とても仲良しで通じ合っているケイトとアナ(ネタバレ含むためこの程度の示唆にとどめます。),自身がてんかんを持ち自分の体が自分の自由にならないことをよく知っている弁護士・キャンベル,娘を亡くして家族を失うつらさがよくわかっている裁判官・デ・サルヴォ判事など,それぞれがそれぞれの想いを胸に,ドラマが進行していくところから,多角的に「家族」というテーマを考える良作です。
法廷シーンもありますが,あまり本筋ではなかったですね。とはいえ,デ・サルヴォ判事,いろんな人から直接話を聞いて,たくさんの証人尋問をして,最後にはケイトのところに赴いて話を聞くなど,なんてしっかりした裁判官なんだ!と思いました。日本の裁判官ももう少し見習ってもよいのでは…というのは弁護士の小言です。
トランスフォーマー/リベンジと同時期の作品で,比較すると大ヒットというわけではなかったようですが,家族について考えたい人,医療関係者,法曹関係者には特におすすめの一作です。
今後は,BDが私の事務所の本棚の肥やしになる予定です。
海事補佐人
海事補佐人に登録しました。
海事補佐人は,海難審判において代弁活動をいたしますが,当事者らにとっては,戒告や業務停止を出されてしまうと,本来業務を圧迫される大問題になります。
海事代理士と協力しながら,適切な弁護活動ができるよう,活動の幅を広げていきたいです。
「見えない資産」の評価が高まった企業 日経新聞レビュー
2020年2月11日(火)・日経新聞・11面記事
「見えない資産」の評価が高まった企業 信頼が強める成長期待 1位 弁護士ドットコム
記事によると,中堅上場企業(売上高100億円以下)を対象に,2019年末まで3年間のPBR(株価純資産倍率)の上昇率を調べたところ,首位は国内弁護士の4割強が登録する法律相談サイトを運営する,弁護士ドットコムだったそうです。
利用する弁護士,利用する市民がいなければ,成長はあり得ないでしょうから,それだけ弁護士へのアクセスを求めているということが読み取れるのかなと思います。2016年末と2019年末を比べると,約5割増えたそうですが,凄いですね。この3年間でそれだけ認知度が高まったということ?人数の多い新規登録者が軒並み登録しているということ?ほかにもポータルサイトはありますが,ある程度の登録がなければ,本当に比較検討はできませんで,お金払った人が目立つだけで,本当によい先生との出会いというのが望めなくなると思いますから,弁護士の多くが加入しているポータルサイトがあるというのは,よいことだと思います。
とはいっても,私は,どちらかというと,自前のHPを増やしていきたいと考えており,毎年,年に1分野ずつは作りたいと思っています。今年は海事関係のページを作る予定です。
なお,電子契約サービス「クラウドサイン」も注目を集めているのだとか。こちらも動向を注視すべきですね。
今後とも幣所をよろしくお願いいたします。
育徳館高校 消費者被害出前授業
令和2年2月14日,福岡県立育徳館高校にて,消費者被害に関する出前授業を行ってまいりました。
いま,令和元年度巣立ち応援事業が実施されています。2020年4月1日から成人年齢が20歳から18歳に引き下げられることを1つの契機として,高校生が自立した消費者になるために必要な知識や,悪質商法などのトラブルへの対応方法を身に付けるために,実践的な消費者教育講座を実施しています。
時間が限られていますので(高校生の授業は1コマ50分。紹介とか教員コメントとかいろいろやっていると,実質話す時間は40分くらい。),講座で伝えたい内容をしぼって,契約とはどういうものか→未成年の場合どのような保護があるのか→成人したら自衛しないと→もし被害に遭ったらどうする→どんなところに相談したらよいか,というようなことをお話ししました。冒頭,契約内容に争いがある実際の事件の経験をお話しすると,比較的真剣に聞いていただいたような気がしました。不当請求事案(ワンクリック詐欺)などの話も興味をもっていただけたようです。未成年者取消しの一般的知識,動画再生も含めたマルチ商法の例,クーリングオフの概要などを説明の上,社会人になるということが,自由とともに責任も伴う,みなが認識している以上に重大な変化であることをお話ししてしめくくりました。
消費生活センターや法テラスの宣伝も忘れずに。
今回のお話が,少しでも生徒の今後の生活の糧になっていただければ幸いです。
なお,弁護士の仕事に興味がある人は,ぜひ事務所の見学にお越しください!
はちみつ工房 芳苑
はちみつ工房 芳苑(大分県宇佐市山本2083)
宇佐インターから降りてすぐ,雄大な自然の中にたたずむはちみつ工房です。知人にすすめられ,前々から行ってみたいと思っていたところ,ようやく実現しました。
ショップでは,ハニーポットを含むはちみつの販売。ロールケーキやプリンなどはちみつを使った製品も販売していました。プリンは金曜日に入荷してすぐに売り切れるのだとか。ほしい人は予約が必要です。
隣接するお食事処では,昼はおしゃれなパスタやピザなどのランチを,その他はちみつを利用したハニートースト,サンデー,パフェなどの甘味,飲み物も充実していました。
妻も絶賛,女性に大人気の名所でした。
ハニートーストをいただきましたが,これも絶品。珈琲シロップをゲット。これからもおいしく珈琲をいただきます。今度はプリンをゲットすべく,またおうかがいしようと思います。
監査役 野崎修平 レビュー
織田裕二主演「監査役 野崎修平」
もとは漫画の原作らしいです。形骸化しているとも言われていた日本の監査役にスポットをあてて描いた珍しい作品です。やや昔の時代設定で,バブル崩壊後の悪戦苦闘して生き抜いた激動の時代・2000年以前のことが描かれています。株主総会に総会屋がわんさかいて,時代背景を感じさせます。もちろん,脚色しているところはあるのでしょうが…
司法試験で勉強していても,監査役は,ガバナンスのところで少し勉強して,〇✖問題対策で多少知識を入れる程度勉強した記憶しかありません。しかし,実際にどのように会社内で働いてどういうことをやっているかがわからないと,イメージもわかないし,机上の空論で終わってしまいます。脚色があるとはいえ,監査役の業務の様子を垣間見えるところは,なるほど参考になるなあと思いました。
つづきで,「頭取 野崎修平」があるそうですね。 こちらもチェックしておきたいと思います。
弁護士も,社外監査役,社外取締役などに就任してお手伝いをすることもございます。もっと勉強していきたいです。
ボクはやっと認知症のことがわかった レビュー
長谷川和夫「ボクはやっと認知症のことがわかった」
あの「長谷川式スケール」の長谷川さんです。有吉佐和子「恍惚の人」が社会問題を引き起こした頃,長谷川さんは一所懸命に,簡易的に認知症かどうかがわかるテストの開発に明け暮れていたようです。長谷川式スケール開発秘話というのも面白かったですし,これまでの認知症の歴史がよくわかりました。認知症とは何かという本質論について,長谷川さんは,「暮らしの障害」だと言います。「認知症になったからといって,人が急に変わるわけではない。自分が住んでいる世界は昔もいまも連続してるし,昨日から今日へと自分自身は続いている」という言葉も含蓄がある。目に見えない,わかりにくい障害について,第一人者として,自分自身が1人の認知症患者として,淡々と,しかし力強く,考えと想いをつづった一冊と思いました。福祉関係者必読の一冊。
“相続”と“争族”のはなし 税理士セミナー
令和2年2月5日午前10時30分~@みやこホテル,明治安田生命主催の相続セミナーがありました。講師は,豊前市で活躍する高野秀紹税理士です。実務的なお話も多く,要所要所で笑いもとっており,内容的にもセミナーとしても参考になりました。
いわゆる名義預金は税務署の重点調査項目とされていること(調べやすいから)などの話は面白かったですね。
生命保険会社のセミナーですから,保険を使った対策もいろいろとアピール。生命保険料の贈与による相続対策,代償交付金を生命保険金を利用して用意,借金が多い場合も相続放棄しつつ生命保険金を受領,などなど,勉強になりました。
画期的な新商品も開発したとか。相続税対策としてよく使われる年々の生前贈与を,保険を利用して年々保険金を受領するような形にできる商品。私も,適切な事案では,利用してプランニングをしていきたいと思いました。