私(西村幸太郎)の一連のブログ記事です。私がどういう人間なのか、どういう活動をしているのか、どんなことを考えているのか、どんな知識やスキルを持っているのか、信頼に足る弁護士か、などなど、たくさんの疑問をお持ちの方もおられると思います。そのような方々は、是非こちらの記事を御覧ください。

経営法曹会議に入会しました

 この度,経営法曹会議に入会しました。経営法曹の連携協力を図り,労使関係の健全正常な発展に寄与することを目的にした団体で,フォーラム,勉強会,出版などさまざまな活動を行っています。

 弊所は,福岡県豊前市及びその周辺3町において,ほぼ唯一の法律事務所であり,弁護士過疎偏在地域をカバーする事務所です。そのため,地域の相談の受け皿という性質があり,労使いずれの立場からの相談も相応にございました。もともとは,公設の事務所でしたので,どちらかといえば,会社内において弱者とされる労働者側の代理人としてのカラーが強かったですが,地域で活動を重ねるたび,厳しい法規制に悩みながらも精力的に活動する中小零細企業の経営者の方々を支援することが,ひいては労働者の地位改善にもつながり,地域全体の労働環境の改善に資するのではないかと考えるようになりました。ある程度の期間活動を重ねると,法的な又は事実上の利益相反の問題が生じることが多くなり,労使どちらの立場であるか明言して活動することが利用者の安心にも繋がると考えたことも,労使いずれかの立場を意識するきっかけとなりました。

 会社役員又は個人事業主の支援を行うに当たり,これに必要な専門知識が必要であることは言うまでもありませんが,地方においては情報の収集や検討も容易ではなく,この会のように時宜に応じた活動を行う団体に所属し,研鑽を深めていきたいと考えました。

 入会しただけでなく,しっかり勉強させていただきたいと思っていますが,将来的には,地方の現場で労働問題にかかわる事務所として,弁護士会の協議会などでも,「地方特有の」問題に絞った問題提起もしていけたらなと思っています。

 あわせて,企業法務研究会にも入会しました。こちらは,コンサル大手の船井総研の主催する勉強会です。都心部の最先端の議論なども勉強して,地方に浸透させていく懸け橋になれたらなと思っています。

2020年度 豊前市内企業人権研修会

令和3年1月21日午後2時~

2020年度豊前市内企業人権研修会が開催されました!

コロナ禍ではございますが,ソーシャルディスタンスを保持して,検温や手指消毒など,感染症予防対策もばっちり。

内容も,大変勉強になりました。

ここ2年ほどは,私が連続して講師依頼をいただいておりました。しかし,あまり同じ弁護士の話ばかりだと凝り固まってしまうかなと思って,今年度は,別の弁護士に話をしていただくのはどうかと提案しておりましたところ,同期の松﨑広太郎先生が快くお引き受けいただき,豊前に新しい風を入れていただけました。

研修内容は,メンタルヘルス従業員への対応。きわめて実践的で,非常に勉強になりました。毎年松﨑先生でいいんじゃないかとも思いました(笑)。

精神疾患対応の要は,求職時,復職時,解雇時など,重要な局面で医師の診断に基づいた判断を下すことというアドバイス。そのとおりですね。具体的な事例をもとに,大変わかりやすく,楽しく勉強することが出来ました。

就業規則は休職と試用期間の定めをしっかりすべきとか,試用期間の延長の定めを入れておくと柔軟な対応ができるとか,実務的なお話もなるほどと思いました。

私は割と同業の弁護士の講演会なども聴きに行くようにしていますが,他の弁護士がどんな工夫をしているかは,自分が研修・講演・セミナーをするときにも参考になりますね。今回の松﨑先生の講演内容も(パクったと訴えられない程度に)参考にさせていただきたいと思っています。

地域で相談を受けての実感。正直に申し上げて,会社側から「社員が精神疾患にかかってとても仕事にならないから,解雇したい」的な相談は,あまり受けた記憶がありません。精神疾患にかかってしまったという労働者の相談はないわけではないですが,どちらかというと,会社を辞めた後の生活をどうするかとか,仕事ができなくて支払いができなくて困っているといった債務整理の相談が多いです。会社から不当に解雇されたというような相談はあまり記憶になく,おそらく,会社は会社で優しく退職勧奨し,労働者は労働者でお世話になった会社に迷惑かけたくないと退職しているようなケースが多いのではないかと思います。相談で見せていただく資料としても,解雇理由証明書などはほとんど見たことがなく,退職届がほとんどです。私の経験だけなので偏りがあって一般化はできませんが,福岡市で仕事をしていたときに比べると,解雇紛争は圧倒的に少ないような感覚はもっています(残業代請求は多少ありますが。)。

今回のメンタルヘルス対応についても,事前に紛争が予防できるように,後々のことまで頭に入れて,遡って適切な対応ができるようになるとよいですね。予防のためにも非常に参考になる内容でしたので。

今回は,業務起因性のない,私傷病としての精神疾患を取り扱いましたが,今度は業務に起因する精神疾患(労災含む)の内容を聞いてみたいと思いました。

研修の内容面ではないですが,細かく質問の時間をとって,たくさん質問が飛び交っていました。これにも的確に答えており,さすがだなと思いました。私も真似しようと思ったところです。そのときそのときに質問していただいた方が,質問する側としても,タイミングを逃さなくていいですよね。レジュメと話がマッチしていてわかりやすかったですし(私の場合,弁護士なりたての頃ではありますが,レジュメの内容の肉付けや書いてあるもの以外の話(付加価値)を付けた方がよいのかなと思って話していると,どこを見て聞いたらいいのかわからなくて困ったと指摘されたことがあります。聞いてる方がわかりやすく話さないといけませんね。),分量も多すぎず少なすぎず良かったと思います。

こういう時勢で,豊前市をご案内できなかったのは残念ですが,それはまたの機会にといたしたいと思います。松﨑先生,久留米から遠路はるばる,ありがとうございました。

3つのA

企業活動において,メンタル不調の問題が注目されるようになりました。しばらく前から。

そもそも,不調って,どう見分けるんでしょうか。企業側の視点から考えてみます。

この点,「3つのA」ということが言われています。

①アルコール ②アブセント ③アクシデント です。

①アルコールは,お酒も含んではいますが,お酒だけでなく,たばこ,ゲーム,甘い物,衝動買い,ネットサーフィン,過度なメール,過度な趣味などなどといったものになります。その人がちょっとしたストレス解消や気分転換に使っているもの。趣味嗜好と言ってよいと思います。これらに依存的な傾向が強くなると言うことは,ストレス解消や気分転換を頻繁にしなければならない状況ということになります。度を越さなければ問題ないのでしょうが,日常生活に支障をきたすほどの徴候が出てきたら,危険信号です。依存的傾向が強まると,睡眠時間や体調など,生活リズムが乱れていきます。日常生活のルーティンに変調ももたらします。眠れなかった,食事がとれなくなったという症状を訴えるようになります。胃腸に異変が起こっているかもしれません。

②「欠勤」「アブセント」という日常生活の不調行動は,メンタル不調のサインです。遅刻,早退,欠勤…もう少し手前にいくと,普段はやっている服装,髪,お化粧などの身だしなみや振る舞いについても,いつもとは違うだらしなさが出てきます。生活の乱れが,仕事をするにあたっての基本的な事項に影響を与えてくるのです。

その結果,③「ミス」「アクシデント」が増えます。アポの時間を間違える,誤字脱字が多くなる,言ったこと言われたことを忘れる…といった具合です。そのような行き違いから,周囲の仲間や仕事上のトラブルが増えるでしょう。最悪の場合,大きな事故や問題へ発展することもあります。

これらは表にあらわれる「行動」ですので,企業側でも気を付けて見ていれば,「気づき」を得ることはできます。気づいて,声掛けをする。これがメンタル対策の第一歩と思います。

ホンモノ五段活用

面白い考え方をお聴きしましたので,私のメモも兼ねて,ご紹介したいと思います。

「あなたは,ホンモノですか」と聞かれると,多くの人が,いやいやまだまだと答える。「では,あなたはニセモノですか」と尋ねると,多くの人が,ニセモノでもないと答える。「では,ホンモノでもニセモノでもない,あなたは,ナニモノ?」と聴くと,多くの人はポカンとした顔をする。このような人を「未熟モノ」というらしい。未熟モノなのに,何の努力もしていなかったら,「オロカモノ」と言わざるを得ない。オロカモノなのにホンモノと勘違いしていたらもはや「バカモノ」である。

ということのようです。

ここでいう, ホンモノ=人間的魅力 という意味で使われています。

面白いと思いました。

ぜひとも「ホンモノ」になりたいものです。

レビュー コンサル1年目が学ぶこと

大石哲之「コンサル1年目が学ぶこと」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

弁護士の仕事は,コンサルに近い側面もあります。予防法務においては,事前に紛争を防止するため,さまざまな知恵と工夫で対応していく。紛争が起こってしまった場合は,問題点を洗い出し,トータルでスピディーな解決を導くために知恵を絞る。何かの参考になればと手に取ったものですが,内容的には,必ずしもコンサルだからという話ではなく,仕事一般に通用する普遍的な仕事術について書かれており,大変勉強になりました。

いくつか,備忘としてとどめておきたい教えがありましたので,ほんの一部ですが,書き出しておきたいと思います。

経験のない1年目の唯一の武器が,数字。それもほかでは得られない,独自に集めた数字が有効。

セミナー等において,「『無言は理解』ではなく,『無言は無理解』のサイン。」

理解していないシグナル ・こちらが資料をめくって次に進んだのにまだ前の資料を見ている ・こちらを見ず,隣の人の顔を見ている ・「だいたいわかりました」「およそわかりました」などの曖昧な返事をする

究極の伝え方は,徹底的に相手の土俵に合わせて伝えること。相手の言葉,考え方,伝え方のクセを研究し,それに合わせて伝える。文書は,相手の用いるフォーマットに合わせて作成する。

→ここまで徹底してやるべき,やろうと思いました!

ビジネスというのは,突き詰めると,相手の期待を,常に超え続けていくことにほかならない。顧客や消費者の期待を超え続けていくこと。上司の期待を超え続けていくこと

→身に沁みます。私も同感です。

ときには,相手の期待値を下げる,期待値のマネジメントも必要。

指示を受ける側も,出す側も,次の4つのポイントを明確にする。 ①その仕事の背景や目的,②具体的な仕事の成果イメージ,③クオリティ,④優先順位・緊急度

仕事に取り掛かる前に,まずどう考えたら答えが出るのか,その道筋を考える。そのアプローチ方法でいいのか,手順の段階で合意をとってから,作業に入る。

雲雨傘の理論(事実→解釈→アクション)

まず本ありきで,漠然と知識を積み上げるのではなく,まず目的ありきで,本を読む。

→性格的に,どうしても最初から最後までしっかり読もうとしてしまいますが,目的に応じて,やり方を工夫していくべきですね。

他人に対する貢献ができ,相手がそこに価値を感じてくれたとき,その仕事にはヴァリューが生まれる。

学生=対価を支払う消費者 社会人=対価を受け取る生産者 社会人になっても,消費者目線のままでいてはいけない。

会議に出て発言しないのは,テレビに出演してしゃべらないゲストと同じ。価値はゼロ。

→耳が痛いです…

素早く,汚く。完璧でなくてもいいから,早く出す。(Quick and Dirty ⇔ Slow and Beauty)

クライアントとの約束を果たすことが第一。方法は第二。約束を果たすことが大事なのであって,1人でやり遂げることが大事なのではない。自分たちの手に負えないときは,他人にヘルプを求めてでも最後までやり遂げる。

→見極めが難しいですが,自身を磨くことと,必要に応じ上手に「助けていただく」ことをバランスよく取り入れることができるビジネスマンになりたいと思いました。

つらつらと書いてしまいましたが,私のこれからの活動において,たくさんのヒントをいただいた思いです。これを活かせるかどうかが重要ですので,これからも精進していきたいと存じます。

「見えない資産」の評価が高まった企業 日経新聞レビュー

2020年2月11日(火)・日経新聞・11面記事

「見えない資産」の評価が高まった企業 信頼が強める成長期待 1位 弁護士ドットコム

記事によると,中堅上場企業(売上高100億円以下)を対象に,2019年末まで3年間のPBR(株価純資産倍率)の上昇率を調べたところ,首位は国内弁護士の4割強が登録する法律相談サイトを運営する,弁護士ドットコムだったそうです。

利用する弁護士,利用する市民がいなければ,成長はあり得ないでしょうから,それだけ弁護士へのアクセスを求めているということが読み取れるのかなと思います。2016年末と2019年末を比べると,約5割増えたそうですが,凄いですね。この3年間でそれだけ認知度が高まったということ?人数の多い新規登録者が軒並み登録しているということ?ほかにもポータルサイトはありますが,ある程度の登録がなければ,本当に比較検討はできませんで,お金払った人が目立つだけで,本当によい先生との出会いというのが望めなくなると思いますから,弁護士の多くが加入しているポータルサイトがあるというのは,よいことだと思います。

とはいっても,私は,どちらかというと,自前のHPを増やしていきたいと考えており,毎年,年に1分野ずつは作りたいと思っています。今年は海事関係のページを作る予定です。

なお,電子契約サービス「クラウドサイン」も注目を集めているのだとか。こちらも動向を注視すべきですね。

今後とも幣所をよろしくお願いいたします。

監査役 野崎修平 レビュー

織田裕二主演「監査役  野崎修平」

もとは漫画の原作らしいです。形骸化しているとも言われていた日本の監査役にスポットをあてて描いた珍しい作品です。やや昔の時代設定で,バブル崩壊後の悪戦苦闘して生き抜いた激動の時代・2000年以前のことが描かれています。株主総会に総会屋がわんさかいて,時代背景を感じさせます。もちろん,脚色しているところはあるのでしょうが…

司法試験で勉強していても,監査役は,ガバナンスのところで少し勉強して,〇✖問題対策で多少知識を入れる程度勉強した記憶しかありません。しかし,実際にどのように会社内で働いてどういうことをやっているかがわからないと,イメージもわかないし,机上の空論で終わってしまいます。脚色があるとはいえ,監査役の業務の様子を垣間見えるところは,なるほど参考になるなあと思いました。

つづきで,「頭取 野崎修平」があるそうですね。 こちらもチェックしておきたいと思います。

弁護士も,社外監査役,社外取締役などに就任してお手伝いをすることもございます。もっと勉強していきたいです。

秋本治の仕事術

秋本治「秋本治の仕事術」

「こち亀」の作者です。こち亀は40年間無休で週刊連載を続けており,最も発行関数が多い単一漫画シリーズとしてギネス世界記録にも認定されています。

とある新聞。勤労感謝の日。コラムを観ていたら,この本が紹介されていました。そこで興味を持って購入したものの…ようやく目を通せました。

「まあいいや,なんとかなるでしょ」と楽観的に考えるズボラさも必要

時間の約束を必ず守るのは人として当たり前の大鉄則

電話よりもメールよりも顔を見ながら話すのが1番早い

どうしてもできない仕事は例外をつくらず引き受けない

すぐに役立つものでなくとも情報は常にチェックして蓄積しておく

正確性はとりあえず置いておき,叩き台をつくることが肝要

嫌いな運動を無理にやることはない 好きなこととセットにして体を動かす

最短で成功をつかむコツは回り道を厭わず,誰とでも付き合うこと

…などなど,示唆に富むアドバイスが満載。

読んでいて私なりに感じたことは,「好きなことをとことんやる,嫌いなことは好きなこととセットで」「人間として基本的なことを守る(時間を守る,規則正しい生活をする)」「良い意味でこだわらない,変化に柔軟に対応する」などといったシンプルな方針をただひたすら継続しているということかなと思いました。しかし,この「続ける」というのが難しい。馬力で一時対応することができても,ずっと続けるというのは実際至難のわざだと思います。他の筆者を悪く言うつもりは毛頭ありませんが,しばしば休載する,突然休載する漫画も多く,しかも人気漫画でもそのようなことが多いなかで,40年間継続したというのはすごいことだと思います。

継続は力なり。私も,日々しっかりと毎日を過ごしていこうと思いました。

リーガル・ハート~いのちの再建弁護士~

リーガル・ハート~いのちの再建弁護士~,観ました。

村松謙一弁護士は,企業再建専門弁護士。「会社の生死は経営者や従業員の命に繋がっているから100%再生する必要がある」と説く。

…といっても,面識があるわけではなく,受け売りです。

普段,どちらかというと破産事件を多く扱い,申立人代理人業務・管財人業務に追われている身としては,さきの説諭の耳が痛いです。破産が楽ということは決してないと思いますが,経済活動を止めて清算に注力するよりも,事業は動かしながら,背景では再生のために奔走するという方が,かなりの労力,総合力が必要なのだろうなと想像するところです(最近は民事再生・会社更生の申立て自体少なくなっていると聴きますが,私は,小規模個人再生ならともかく,大規模なそれらは経験したことがありません。)。

私的再建,民事再生,乗っ取り屋対策のための破産申立て,MBO(マネジメント・バイアウト),LBO(レバレッジド・バイアウト),民事再生申立に対する即時抗告申立,スラップ訴訟など,さまざまなエピソードが出てきて,勉強にもなりました。「絶対にあきらめない」「何とかなります」という弁護士の姿は,どうしても安西先生(スラムダンク)を彷彿とさせてしまうところですが,事件処理において,依頼者の利益を最大化させるため,諦めず最大の努力をすることが,どれほど大切か,改めて学んだような気がしました。

法学的なことを措いておいても,企業の人間模様,ピンチを乗り越えて進んでいくストーリーは,ドラマとして十分に面白いと思いますので,どなたにもおすすめの一作です。 enter image description here

ビジネスパーソンのための「書く力」

週刊ダイヤモンド・2019年12/21号の特集は,「書く力」です。日々大量の文章を起案し,連絡している我々にとっても役に立つ内容と思いましたのでメモしておきます。

3つの原則を意識する。1 文章は「構造」を意識する。2 文章は「相手」を意識する。3 文章は「語感」を意識する。

1 構造。①誰に何を1番伝えたいのか,②誰に何をしてほしいのか,というそもそもの目的を考える。③相手とのコミュニケーションに必要な「前提」(相手方の知識や関心,メリットの有無など)を考える。④必要に応じ,データ,参考資料,類似例,競合の状況などの情報もそろえる。⑤文章の流れを考える。なお,目的や情報の整理のためには,5W1Hを使うと便利だ。文章の構造を論理的にする「PREP法」(主張→理由→根拠や例→まとめ)や,文章を読みやすくする「3C」(正確に書く,明確に書く,簡潔に書く)を心掛ける。

2 相手。①情報のギャップに配慮する。②誤解されやすい言葉に注意する。③意味をくみ取ってくれるだろうという「甘え」を捨てる。

3 語感。①一文一意。②句読点や記号。③漢字ひらがなのバランス。

なるほど。準備書面を起案する場合も構成は大事です。読む相手である裁判官を説得するために書きます。忙しい裁判官がサーっと読めるよう,語感も気を付けましょう。

準備書面も推敲しますが,そのポイント。ⅰ)人名に誤りはないか。ⅱ)誤字,脱字,変換ミスはないか。ⅲ)文章の目的は明確か。ⅳ)分かりやすい順番で書いているか。ⅴ)無駄に長い文章になっていないか。ⅵ)句読点の位置は適切か。ⅶ)適度に改行をして読みやすくしているか。ⅷ)重複している表現はないか。ⅸ)削れる部分はないか。ⅹ)表記方法に「揺れ」はないか。

ビジネスメールについても,その鉄則につき紹介がありました。こちらは顧問先とのやり取りなどで使えそうですね。

①件名は具体的に。②過不足のない情報。③箇条書きを使う。④要旨から詳細へ。⑤曖昧さを残さない。⑥1通5分以内で作成。⑦無駄なやり取りを減らす。⑧CCは極力減らす。⑨断るときも丁寧に。⑩過度な敬語は不要。

また,比較的新しい問題として,ジェンダーの関係でステレオタイプな表現に要注意という特集もされており,なかなか興味深かったです。「『やっぱり』,クルマの運転って苦手ですか?」という統計的差別で炎上したトヨタのケース,「『コックゥーん』しちゃった」という性的ともとれる表現で炎上したサントリーの事例など,ジェンダーに関する教養も身に着けないといけない。「人数や登場回数が男女どちらかに偏っている」「シンボルマークやマスコットが男女どちらかに偏っている」「特定の年齢の男女しか描かれていない」「服や持ち物の色,服のデザインが性別で固定化」「職業,スポーツ,学術,学びなどで男女が固定化」「仕事は男性,家事,育児,介護の担当が女性」「男性が指導者,女性が相談者など,優劣や上下関係が男女で固定化」「内容に関係なく,人目を引くために女性の容姿,身体の一部を利用」「男女どちらかのみの表現,女性を強調する表現など,男女の扱いが異なる」といったステレオタイプな表現には要注意。

その他,チャットツール&SNS,プレゼンの場合,反転系としてさまざまな言葉,間違えやすい氏,尊敬語・謙譲語・丁寧語,接続詞,慣用句など,さまざまなバリエーションで特集。すべてのビジネスパーソンが一見の価値ありです!