私(西村幸太郎)の一連のブログ記事です。私がどういう人間なのか、どういう活動をしているのか、どんなことを考えているのか、どんな知識やスキルを持っているのか、信頼に足る弁護士か、などなど、たくさんの疑問をお持ちの方もおられると思います。そのような方々は、是非こちらの記事を御覧ください。
阿蘇ひまわり基金法律事務所定着式 & シンポジウム「熊本ひまわり公設事務所の歩み」
令和3年1月15日,阿蘇ひまわり基金法律事務所定着式に参加しました!
阿蘇で6年間も地域のために活躍された森あい先生が,ついに定着。熊本の先生方はじめとして,熱烈に歓迎(定着なので,表現がおかしいでしょうか?)されているのが伝わってきました。
私は熊本大学に通って勉強した4年間,熊本で過ごしました。生意気にも普通二輪車を購入して走り回っておりましたので,当時もいろいろなところに行きました。ツーリングで阿蘇にもよく行っていました。大観峰の景色は絶景でしたし,ファームランドでの思い出もあります。熊粋祭(ゆうすいさい)の際は,遠歩(阿蘇のてっぺんから大学までひたすら歩く伝統行事。)の思い出もあります。
そんなことを思い出しながら聞いておりましたが,阿蘇は災害のあおりを受けたり,人口密度が薄かったりと,定着は難しいのではないかと考えられていたようです。「よく決断してくれた!」と喜びの言葉が飛び交っていました。
本当におめでとうございます!
その後にシンポジウムにて,熊本の公設の歩みを勉強させていただきました。
牛深から熊本中心地に何度も足を運んで相談に来ている方を見て,過疎偏在問題に取り組まないといけないと思ったというお話など,興味深いお話もうかがえました。
来月,支部交流会という,年に1度の,支部特有の問題を取り扱う交流会を執り行います。今年度から,私が事務局長を拝命しておりますので,しっかりと有意義な会となるように活動していきたいと思っています。
レビュー 白い巨塔 1978
田宮二郎主演「白い巨塔」(1978~1979)
先般,2003年版(唐沢寿明主演)や2019年版(岡田准一)についてのコメントをしましたが,今回は1978年版。
古いと言えば古いですが,映像で魅せる形のものではなく,人間ドラマがメインですので,新しいものに見劣りしない出来栄えだと思います。
1978年版,田宮二郎が演じる財前五郎は,名誉心が強く,それがわかりやすく表に出るタイプのキャラクターです(唐沢さんはポーカーフェイスが強いタイプ,岡田さんは二枚目タイプのように思います。)。「登り詰めたい」という欲望がわかりやすく前に出てくるようなキャラクターで,そこがなんとも魅力的です。それでいて強くお母さん想いだったり,時々弱さを見せたりと,そのギャップも素晴らしいです。
内容的には,他と比較しておそらくかなり長時間のドラマですので,特に医療裁判編はボリュームたっぷりで見どころがあります。ただ,ラストで財前の癌がわかってからのドラマのボリュームは最近のものの方が長くて深かったように思います。1978年版は最後まで誰も本人に癌の告知をしませんが,いまではインフォームドコンセントの観点から問題があるのではないでしょうか。劇中でも「やっぱり告げておくべきではなかったかな」という発言も出てきます。
手続上の比較。1978年版は,里見・柳原の対質尋問,財前・柳原の対質尋問の両方があります。新しい2003年版,2019年版はカルテの改ざんが出てきますが,1978年版はカルテの話は出てきません。2003年版では改ざんされた紙カルテの証拠保全がされましたが,1978年版は死亡した患者の異の標本を証拠保全します。病理検索するためにですね。弁護活動の比較をするのも面白い。
弁護士のキャラクターにも作品ごとの特徴があります。1978年版は原告代理人が正義感あふれるキレ者の弁護士。「実費だけもらえれば」なんて,私には真似できそうにありません。私が1番好きなのは2003年版の弁護士。医療裁判に負け続けて腐りかけ,最初は高額な着手金ほしさに依頼を受けるが,次第にこの医療裁判にのめり込んでいく。弁護士の成長ストーリー的な部分が非常に見どころあります。2019年版はやや抜けているところのある弁護士が活躍するといった感じですが,弁護活動がそれほど丁寧に描かれていないように感じます。特に法廷以外の描写について。
被告代理人については,2003年,2019年などについては,少なくとも財前が虚偽供述をしているとは思わず,依頼者を信じて闘っているという点で,許容できる弁護活動と思いましたが,1978年版はひどい。あれは虚偽供述とわかってながら,医局員にその裏付けのための供述を記憶喚起するように求めたり,弁護士自身がお金をもって証人に接触したり(2019年版は主に財前又一の接触)…まるで悪代官のようです。
こうしたところを比較していくところも面白いと思います。
弁護士の視点で,手続き的な部分,弁護士の活動などについて,比較をしてみました。ご参考いただけますと幸いです。
3つのA
企業活動において,メンタル不調の問題が注目されるようになりました。しばらく前から。
そもそも,不調って,どう見分けるんでしょうか。企業側の視点から考えてみます。
この点,「3つのA」ということが言われています。
①アルコール ②アブセント ③アクシデント です。
①アルコールは,お酒も含んではいますが,お酒だけでなく,たばこ,ゲーム,甘い物,衝動買い,ネットサーフィン,過度なメール,過度な趣味などなどといったものになります。その人がちょっとしたストレス解消や気分転換に使っているもの。趣味嗜好と言ってよいと思います。これらに依存的な傾向が強くなると言うことは,ストレス解消や気分転換を頻繁にしなければならない状況ということになります。度を越さなければ問題ないのでしょうが,日常生活に支障をきたすほどの徴候が出てきたら,危険信号です。依存的傾向が強まると,睡眠時間や体調など,生活リズムが乱れていきます。日常生活のルーティンに変調ももたらします。眠れなかった,食事がとれなくなったという症状を訴えるようになります。胃腸に異変が起こっているかもしれません。
②「欠勤」「アブセント」という日常生活の不調行動は,メンタル不調のサインです。遅刻,早退,欠勤…もう少し手前にいくと,普段はやっている服装,髪,お化粧などの身だしなみや振る舞いについても,いつもとは違うだらしなさが出てきます。生活の乱れが,仕事をするにあたっての基本的な事項に影響を与えてくるのです。
その結果,③「ミス」「アクシデント」が増えます。アポの時間を間違える,誤字脱字が多くなる,言ったこと言われたことを忘れる…といった具合です。そのような行き違いから,周囲の仲間や仕事上のトラブルが増えるでしょう。最悪の場合,大きな事故や問題へ発展することもあります。
これらは表にあらわれる「行動」ですので,企業側でも気を付けて見ていれば,「気づき」を得ることはできます。気づいて,声掛けをする。これがメンタル対策の第一歩と思います。
児相の一時保護 見極め長期化
2021年1月6日(水)日本経済新聞12版社会34面「児相の一時保護 見極め長期化」「虐待か事故か 1年超離れ離れも」
虐待関係の事件も扱った経験があります。加害者とされる親側の弁護をしたことも,児相から子どもを返してもらえないと訴えるキーパーソンとともに児相に働きかけをしたことも,いろいろです。
対応していて感じるのは,①児相の権限が強すぎるのではないか(←ここについては,もともと児相の権限強化をはかって法改正をした経緯もあり,批判もあろうかと思います。),②期限がなく先行きがわからない不安に親が悩まされている現状にもっと目を向ける必要があるのではないか,ということです。
記事のなかでは,限られた情報のなかでもすみやかな判断をする必要性に関する指摘と,一方で,短期間では子どもの本心を聞き出せず慎重な判断ができないという現場の声が紹介されています。
子どものこと,しかも生命身体健康にかかわることですので,慎重さは必要ですが,同じくらい幼少期のかけがえのない時間が奪われることの深刻さも感じます。バランスを考えつつも,間違っても重大事件につながらないようにすべきと考える児相のプレッシャーも大きいと思います。
それから,児相のほかに,虐待を「した」とされる側が,さまざまな相談をしたり勉強をしたりする専門の機関があればいいですね。私が知らないだけで,さまざまあるよという場合は,ぜひ教えてください。児相から子どもを返してもらえないと考えている親の中には,児相と話をする以外に方法が思い浮かばず,子どものために何をすればよいかがわからない人もいると思います。自分が子育てについて学びなおすということも重要と思いますが,こうした内容を専門にわかりやすく教育する機関があるといいですよね。
過ちは反省すべきだけど,その後の反省の深まりはしっかり感じられて,本人も改心していると感じている事案などでも,なかなか子どもと会わせてもらえず,返してもらえず,ということも経験しています。そういう場合でも,変えようのない過去に起こった事実については,やはり重視されますから,事後の情状がよいと思われても,なかなか返してもらえない。これに心を板見る親の側の弁護をしていると,それはそれで辛いところがあるものです。
厚生労働省が,2020年9月,一時保護に関する検討会を設置しているそうです。20年度中には,保護を開始・解除する際の判断方法や保護所内の環境づくり,通学の在り方などを幅広く検討して,まとめる予定だそうです。議論の深化を期待したいと思います。
お金に強い弁護士
FPジャーナルの1月号。
FPジャーナルは,AFPやCFP登録者に送付される,FPの専門誌です。
そのなかで,弁護士が,CFP資格を活かして活動する様子が紹介されていました。
「名刺にCFP認定者と記載しているので,金融機関や税理士の方など,FPを知っている人が見ると反応があることが多く,ブランディングにも役立っていると感じます。」
「お金関連にも強いことが証明でき,コンサルティング的な業務にもつながると思います。あとはそれをどうアピールし,仕事に活かしていくかにかかっていますね。」
私も,知識や工夫を深化させ,ブランディングを確立すべく,負けずにやっていきたいと思います!
円満調停について
私が扱う業務のなかで,男女関係に関する業務,たとえば離婚調停や離婚訴訟なども,メインの業務のひとつです。
これら業務においては,個人とは,夫婦とは,親子とは,性とは,家族とはといった,人間の営みの根幹にかかわる部分を取り扱います。時代の動きとともに考え方も変わっているところであり,奥深い問題です。
弁護士が離婚事件を扱っていると,①法的に離婚できるかどうか,②親権や面会交流等,子どものことについてどうするか,③財産分与等,お金の面についてどうするか,といった点を整理していって,いったんは一緒になったご夫婦を,再び個々の生活として再スタートするための支援をしていくことが多いわけですが,弁護士は決して離婚させるために存在するものではありません。確かに,弁護士に委任するような事案は,相当にこじれていることが多いですので,離婚に進む割合が圧倒的に多いですが,たとえば夫婦関係調整調停の結末は離婚に限らず「円満調停」という結末だってあり得るわけでして,実際にそのような経験もございます。人の心ですから,揺れ動いて当然です。数は少ないにしても,私も最近数件の円満調停を経験し,思うところがありましたので,記事にしてみることにしました。
弁護士は,ご依頼者様の利益を尊重いたします。私は,「その人にとっての最大の利益」が大事だと思っていますので,その方が迷っていればじっくりとお話をお聴きし,決して結論を急がず,しかしその方が気になっている・不足している知識については,問われればしっかりと補うという役割を果たしていきたいと思っています。とはいえ,弁護士は,法的な解決,ことに財産関係の清算に関する処理には強いと思いますが,円満調停を目指すにあたって,どのようにすれば幸せな家庭を築けるか,問題が再燃しないようにできるかなどについては,法的な物差しでスパッと解決できるような問題ではなく,何をどこまで弁護士としてサポートできるのか,非常に悩ましいところです。特に,DV事案等,生命・身体の危機等が切迫している場合などについては,本人の意向に寄り添いつつも,その意向について客観的な状況に即したものになるように働きかけるべきと思われる場面もあるわけでして,対応は容易ではありません。
離婚に誘導するようなことも,修復の途を閉ざすようなこともしたくありませんが,ご依頼者様が弁護士に求めているニーズには応えたい。実際に,円満調停を目指す際には,「弁護士さん,やり直したいという気持ちもありますが,不安な気持ちもあります。どうしたらいいでしょうか。」「私は家族関係を修復したいと思っていますが,家族には反対の意見をもっている人もいるみたいです。何とかうまくできませんか。」といった質問もよくあります。弁護士の主観的なアドバイスが,変な方向に向かうことになってしまうのは避けたいですが,せっかくアドバイスを求められているのに,何も答えないのも心苦しい。非常に悩ましい問題です。ほかに,「正直,別れたい気持ちは強いですが,生活も大事ですので,今回は私が折れます。」といったやや後ろ向きなお気持ちを話される場合もありますが,このような場合,何がご依頼者様の利益なのか,非常に悩まざるを得ません。もちろん,ご依頼者様の意向に最大限添うように進めていくわけですが,(円満に解決する上で)よりよい解決はないかという悩みも尽きないところです。
こうした悩みを背景に,少しでも付加価値を付けられればと思い,家族関係にまつわる心理系の勉強も始めました(具体的に形になったら改めてご報告いたします。)。
ここでは,離婚を考えた場合に,離婚という結論を出す前に,考えていただきたい視点について,書いてみたいと思います。
まず,女性の場合。
やはり,離婚後の生活設計は重要です。生活費を稼ぐだけの職に就いているか,または就くところができるか。仮に離婚後は無職でも不動産賃貸や年金などの定期収入のほか,預金はあるか。財産分与,慰謝料,年金分割の見込みがあるかなどが重要になると思います。こうした経済面の考慮しつつも,離婚して独りになって生活しても,精神的に苦痛でないか。離婚し世間体が悪くなっても気にすることがないか。離婚した結果,絶対に後悔しない自信があるか,などといったことを考えてみてください。これは個人的な意見ですが,離婚を選択するのであれば,「離婚して必ず幸せになってみせる」という確固たる意思を持つことが重要と思います。
次に,男性の場合。
男性の場合,経済力うんぬんというより,足元の生活にどれだけ支障が生じ得るかということが目下の課題になることが多いと思います。炊事,洗濯,生活費の支払関係などをすべて自分でこなすことができるのか。親の介護が必要になった時,責任をもってそれに対応することができるのか。別れて養育費,財産分与,慰謝料を妻に払っても,経済的に余裕があるか。こうした点が問題になりやすいと思います。前半部分は,妻お家政婦のように考えているのか!と怒られそうですが,むしろどれだけ妻に助けてもらっているのかを自覚する機会をもつべきではないかということです。また,会社にもよるでしょうが,まだまだ日本の企業が,従業員の私生活にまで完全に配慮できているとは言い難い面は否定できないでしょうから,こうした現実を踏まえ,自身の勤務先との折り合いがつけれそうかどうかなども検討をせざるを得ないと思われます。生活面についてある程度検討出来たら,以下も検討してみましょう。離婚という世間体のまずさが,出世を阻むようなことはないか。又は阻むことに抵抗はないか。離婚して独りになっても食生活に気を付け,身だしなみもきちんとできるか。離婚して独りになっても,何のために働くかなど,自分なりの生きがいを見つけることはできるか。
私もさらに考えていきますが,ご参考ください。
以下は,どちらかの立場で活動する弁護士としては,少なくとも事件処理の際は,表立って言うことはできないのかもしれませんが…
「離婚は結婚の●●倍も大変だ」とはよくいったもので,離婚事件を扱う弁護士としては,離婚がいかに大変かというのも身にしみて感じています。やむなき事情でどうしてもさよならしなければならないという場合には,(理想論と言われるかもしれませんが,)ぜひとも,お互いに幸せになれるような,前向きな離婚を目指してほしいと思いますし,夫婦関係を修復するという道も立ち止まって考えていただくことも十分にあり得ると思います。
最も身近な人間の営みであるがゆえ,深く,難しい。そんな離婚事件ですが,今後も研鑽を深めて頑張っていきたいと思います。
レビュー 損害保険代理店の教科書
有限会社プリベント代表取締役森和彦著「損害保険代理店の教科書」
弁護士業と保険代理店業というのは,結構共通点があるんですね。最低限,パソコンと電話があれば開業できますし,会社や組織などに顧客がつくというより,営業マン個人にお客がつくといった特徴も類似していると思います。隣接業といってもよいかもしれません。そんな異業種の活動を知っておくのは,必ずや弁護士業にとってもプラスになると考えており,いろいろと勉強しています。私の場合,交通事故事件を受任することも大変多いですので,その意味でも,勉強する価値は大きいでしょう。そんなあけで,ジャケ買いしたとある本についてのレビューを書いてみます。
全体的には,やはり,共通点が多いからか,ふむふむなるほどという業務の工夫も多く,ぜひ参考にしたいと思いました。
仕事は楽しくやるべきという自論,そのとおりと思います。著者によると,「ほぼ残業がない」「周囲の人や環境に恵まれている」「ノルマとの付き合い方を知っている」ということですが,楽しく仕事をしていれば周りに人は集まってくるし,よいときも悪いときもある人生においては長期的な視野でみて,イチイチくよくよしないということでしょうか。
仕事を楽しむためのセルフマネジメント。①遊び心を持つこと,②短所を克服するより,長所を伸ばすこと,③自分のやり方を見つけたら,その手法に磨きをかけること,などが紹介されています。P・F・ドラッカー博士も,「マネジメント」のなかで,「人のマネジメントとは,人の強みを発揮させることである」と述べています。この点は,長所をさらに伸ばすのには相当のパワーが必要という面もあり,短所は比較的(そこそこのレベルまでは)克服しやすいという面もあるとは思いますが,楽しく仕事をする上では,長所に磨きをかけるのは大事なことですね。
著書のなかでは,繰り返し,「クライエントへの情報提供の重要性」が述べられています。情報提供するだけではなく,手厚くフォローする必要性も。弁護士は,「紛争の解決」を商品とする仕事であるがゆえ,こちらから働きかけるのがはばかれる面があります。こちらから,紛争をたきつけるようなことがあってはいけませんし,余計なおせっかいは厳に慎むべきと考えています。とはいえ,人の役に立つ,有益な情報であれば,それを発信する社会的な意義も大きいことでしょう。売り込み営業は厳に慎みつつも,有益な情報発信のため,日々努力しておられるというのは,非常に共感を覚えたところです。営業の仕方は,「嫌われる迷惑訪問」から「感謝される情報提供」へ。肝に銘じてやっていきたいと思います。著書のなかでは,業界に特化した情報を極めて,それを情報提供するという方法(たとえば,美容室業界の情報を極めて,美容室の開業資金の作り方から,有利な店の立地,美容室の雇用環境問題のことまで,とにかくありとあらゆる美容室の困りごとを解決する方法を知り尽くしている税理士のことが紹介されています。)が述べられています。私も見習いたいところです。業界でいうと,介護・医療業界(地方でニーズが高いと思われる高齢者関係のもの)についての勉強を進めていますが,私もこの税理士のように活躍できるよう努力したいと思います。
年賀状よりもバースデーカードを,という点には,はっとさせられました。生命保険の営業マンですが,毎年誕生日にはがきに一言添えて送ってくださる方がいます。やばり,その方が,生命保険関係で1番親しくしている営業マンですね。その他,何かのきっかけでランチ等ご一緒したり,契約をさせていただいたりした場合に,必ず,はがきを送ってくださる損保代理店の営業マンもいます。この方の場合,毎回「ありがとうございます」と大きく印字されたはがきで,それ自体は毎回同じなのですが,やはり一言付していただいた上でいただくので,非常に印象に残ります。私も真似しようと思いつつ,はがきの準備さえしないまま過ぎて行ってしまっていますので,今年こそ始めようと思います…
SNSは,ソーシャルセリング(SNSで見込み客と会話をしたり,コンテンツを提供したりするすることで,購買を促していく手法)ではなく,既存顧客との関係強化のために使うべき,という考え方も,参考になります。何かと宣伝がましい記事を書いてしまいがちになりますが,慎んだ方がよさそうですね(笑)。
商品説明はわかりやすさが命。できるだけ身近な例で説明する。などといったことも非常に共感できるところ。業界紙に目を通そうという考え方も,非常に参考になりました(ちなみに,保険関係の専門誌は,「全国紙新日本保険新聞」「保険毎日新聞」などだそうです。)。
私も,幣所も,ますます進化するため,隣接業種の取り組みも参考にしていきたいです。
2021年 新年のご挨拶
あけましておめでとうございます。
コロナを始めとして,激動の時代となった昨年もあけ,また新たな年が始まりました。
新たな生活様式の普及とともに,われわれ企業としても,どうあるべきか,現在進行形で考えていかなければなりません。
といっても,幣所がするべきこと,根本的な営みというのには変わりはないでしょう。弁護士がいない・少ない地域において,最前線で,リーガルサービスを提供し続ける。法的な解決や予防について,地域に浸透させていく。幣所の存在によって,地域が活性化し,個人に笑顔が戻っていく。変わらずにそんな事務所を目指して努力していきます。
1年の計は元旦にあり。従業員満足度を上げるための努力を怠らず,足元のマネジメントを強化していきたいと思います。まずは人を増やしたいですね…IT化をはじめ,所内の業務管理体制の改善を進めているところですので,さらにすすめていきます。
業務に関しては,昨年もそうでしたが,対象地域は経営理念に応じて,弁護士がいない・少ない地域に特化した対応とさせていただいております。現在は個人のお客様が大変多いですが,企業の方々のサポートに力を入れていきたいと思っていますので,ご興味がある方はぜひお声掛けください。
今年もよろしくお願いいたします。
レビュー 劇場版 鬼滅の刃 無限列車編
劇場版 鬼滅の刃 無限列車編
勢いのある映画です。興行成績も,本日現在,既に325億円を超えているとか。
ご相談者様から聞いた話では,「キメハラ」なるものが横行するほどの人気ぶりだそうで(キメハラ=鬼滅ハラスメント。鬼滅の刃の話についてこれない人が輪に入れなかったり,自分の意見を押し付けたり押し付けられたりといった現象のことを指すようです。)。私もはぶられないように,例に漏れず漫画・アニメ・映画と鑑賞させていただきました。
鬼滅の刃全般についていうと,もともとポテンシャルのあった作品なのでしょうね。キャラクターも個性的。物語そのものも魅力的。なのはもちろんとして,しかし,当初はそれほど著名というわけではなかったようです。アニメ化をきっかけとする「売り方」も非常によかったんでしょうね。
【以下は,ある程度なかみを知っている,映画を見ている人でないとわからない内容かと思います。ネタバレもおおいに含みますので,必要のない方は読み飛ばしてください。】
首はとぶし,血ははねるし,やたらと主要メンバーが死んでしまう本作。ハッピーエンドかと言われればそうとも限らないわけで,なんとなく,ここまでヒットするような作品とは想像もしていなかったのですが…アニメ化によるプロモーションがよほどすごかったのでしょうね。ヒットの要因を,さまざまな方が分析していますが,自分なりにこれを分析するのも面白そうです。
本作は,単純な勧善懲悪モノというわけではありません。敵とされる鬼ももともとは人間で,それぞれ,過去に理由があって鬼舞辻無惨(ラスボス)の血を得て鬼になっています。そういう意味では,少年漫画にありがちな勧善懲悪もの,正義が悪をやっつけるといった単純な構図ではない。そういった複雑さも,今時なのでしょう。それぞれの人間模様,群像劇が,物語に深みを与えているのでしょうね。
そういった作品は,キャラクターの心理描写,回想シーンなども物語に深みを与えるポイントになっていると思います。しかし,こうしたシーンが増えれば増えるほど,一方のヤマ場であるバトルシーンや物語全体の躍進感が削られるといったジレンマが生じがちだと思います。しかし,本作に関しては,むしろ,アニメ化により一層の躍進感を演出することに成功しているように思われます。これがヒットの要因なのかもしれませんよね。
映画は,原作の途中部分であり,何の説明もなく始まるため,原作を知らない者にとって不親切と言えば不親切です。そこは,ある程度予習してくる人が多数と踏んでいるのでしょう。原作もチェックしている私としては,おおむね原作に忠実だったのではないかと思いました。
列車モノは映画になじむと言われますが,冒頭,SLが走り出し,全方向からその様子が映し出されるワクワク感から始まるのはよかったです。乗り物好きのお子さんには特に喜ばれるのではないでしょうか。といっても,戦闘シーンの多くは車内又は脱線後になるため,列車モノのよさが完全に生かしきれていたわけでもないのでしょうが(よく見られる車両切り離しなどの演出もありません。),十分楽しめます。
前半は,各人の「幸せな」夢の中の話。どこまでも透き通った炭治郎の精神世界,正義の炎が埋め尽くす煉獄の精神世界など,心の中が対比されるように描き出されており,戦闘シーンだけでない見どころが描かれます。そこで,あえて幸せな夢の中ではなく,過酷な現実世界に,しかも自分の首を切り落としてまで帰るという炭治郎の複雑な心の中が,見事に描き出されていたように思います。一方で,鬼の甘言にのって,各人の精神世界の「核」を破壊しようとする者たち。これらとの対比によって,炭治郎の心の動きがより際立っています。彼らと自分は紙一重。そんな心の叫びが聞こえてきそうです。
夢から覚めてからは,下弦の鬼との対決です。戦闘シーンも見どころ。
そして最大の見どころといってよいのは,後半,SLの脱線後,突如襲来した上弦の鬼と煉獄との対決でしょう。
正直,文脈なく突如鬼がやってきて,???という部分もなくはなかったですが,一部分を切り取った映画ということもあり,この点はやむを得ないのかなと思います。
ここで,上弦の鬼・猗窩座(あかざ)は,煉獄の強さを認め,「お前も鬼になるべきだ」と,スカウトします。さながら大企業の優秀な社員の引き抜きのごとくです。しかし,これに全く応じず,母との約束を胸に,自分の責を全うしようとする煉獄。目頭が熱くなります。
力をもつ者は弱きものを守るべき。私利私欲のためにこれを使ってはいけない。
絶命しようとしているその時でさえ,鬼になることを拒んで闘う煉獄の闘志は必見です。
くだんの猗窩座(あかざ)も,弱き者を嫌うのに理由があるのですが,これは原作のかなりラストのあたりまでいかなければ明かされないものです。そういった意味ではきちんと完全に描かれているわけではないですが,これもやむを得ないですかね。
煉獄は,冷静に考えれば,劇中でもラストを除いてほとんど戦闘シーンが描かれていませんし,原作においてもおおむねメインで登場したその日のうちに死んでしまうという役回りになるわけです。当時描かれている柱としては初めて死んでしまうキャラクターになると思います。それでも人気のあるキャラクター。それも納得の内容でした。
全体としては,ストーリーを大まか把握していても,目頭が熱くなるのを抑えきれないシーンが多数。戦闘シーンも見どころがありますし,心理描写も巧み。もちろん好き嫌い,趣味嗜好はあるでしょうが,多くの人を魅了しているだけあって,完成度の高い作品だったのではないでしょうか。
名言,名シーンも多いですが,日常生活や仕事でも活かしたいものがたくさんありましたね。
煉獄の,後に続く者を信じて闘う姿,経営者として見習いたいと思います。
2020年の仕事納め
いつもはギリギリまで仕事仕事で尽力していますが,今年に限っては,私的な都合によるものでありますが,事務所は12月25日までとさせていただきました。とはいっても,常に仕事のことは算段しながらやっていかざるを得ない超零細の個人事業主ですので,日々,仕事のことは考え,対応しております。
以下,乱文ですが,思いつくままに,今年の振り返りを。
今年も,よく働いた1年でした。
多数事件,共犯事件,否認事件,連日多数人の尋問にかかる裁判員裁判を担当するなど,重い事件もたくさんございましたが,(守秘義務の関係で詳しくは書けませんが,)非常に得難い経験をすることができました。全力で取り組み,私自身も成長できたのではないかと思います。ご依頼者様にも,何か伝わるものがあれば,こんなに嬉しいことはありません。
改めて,今年の初めに立てた年度目標や計画を見直しました。今年は,何と言ってもコロナの影響により,業務環境から私生活まで,さまざまなものの見直しを図られた1年でしたので,達成できた目標も,持ち越しの目標も,目標自体見直しが必要と思われるものも,いろいろとございます。
2級ファイナンシャル・プラニング技能士やAFPなど,目標としていた資格が取得できました。たとえば,離婚事件に取り組む際,特に女性の依頼者の悩みとしては,今後の生活設計ができるかどうかという点が非常に大きなウエイトを占めることが多いです。この点も踏まえた上でのアドバイスができれば,単に離婚の法的問題のみにつきアドバイスするよりも,付加価値を感じていただけるものと思います。相続事件でも,税務の知識や保険の知識は必須ですが,幅広い知識を得ることができ,業務に活かすことができるものと考えています。交通事故においても,リスク管理に関する保険の知識は活かされますし,不動産関連事件においても,住宅ローンや保険の知識を活かすことができると思います。特に,今年は,私生活でも,自宅建築の経験を得ましたので,実体験として,不動産に関して,格段に知識が深まっているものと自負しています。建築関係の紛争の対応力も上がっているのではないでしょうか。実際,とある管財事件で建築請負が問題になった際も,従前よりも確度の高い見通しを立てることができ,対応ができたものと自負しています。債務整理では,家計の分析・見直しが必要になることも多いところ,深い分析ができるようになります。資格を取るだけでなく,これをきっちりと業務に活かしていけるよう,今後も精進してまいります。
なお,相談業務の対応力向上のため,心理系の資格の取得を試みたり,業務に関連の深い不動産関係の資格,企業関係の資格などにも挑戦してみようと思っている次第です。益々精進してまいります。
海事関係のHPも立ち上げました。これにより海事関係の事件がどんどんくる…なんてことは,残念ながらございませんが,HPに興味を持っていただいて,(海事に限定されるわけではないものの,)相談につながった例もございます。少しずつ対応力を広げていければと思っています。
なお,HPに関しては,毎年1つは,分野又は業界に特化したHPを作成して情報発信していきたいと考えています。次回は介護業界にかかわるHPか,企業法務分野にかかわるHPなどを作成していきたいと思っています。
業務環境に関しては,コロナ禍に対応するためのさまざまな工夫(マスク,アクリルボード,消毒液,検温,トレー,ペーパーレス化,ウェブ会議,社内コミュニケーションアプリの導入,事務局も含めたノートPCの完備などなど)を推進していき,今年の初めからすると,随分環境が変わったと思います。IT化・ペーパーレス化は,非常に煩雑で,心が折れそうになりますが,来年も引き続き前向きに対応していきたいと考えています。社外コミュニケーションの向上も図りたいところですが,地域の特性上,顧客の平均年連も非常に高い傾向にあり,これにこだわり過ぎると,逆にご依頼者様への負担が大きくなってしまうため,様子を見ながら手探りで,できるところから手を付けていきたいと思っています。
私が所属する中津YEGでは,年間最大のイベントであるラブファンタジアにて,ドライブインフェスという新たなイベントの形をもって,地域を盛り上げていきました。こうした知恵と工夫を見習って,私も業務の幅を広げていきたいものです。
業務量も増加しており,幅広いサービスの提供のためにも,事務局の増員を検討しています。といいつつも,目標を確認すると,今年の初めにもそのような目標を立てていたのですが,この目標については持ち越しということになります。もし,どなたか適切な方がいれば,ぜひお声掛けをいただけますと幸いです。やる気がある方に一から教育しながら…というのもよいですし,対応力との兼ね合いでは既に何らかの資格をもっていてこれを業務に活かしていけるといった方(たとえば社会福祉士の資格をもっていて後見業務等につきこれらの資格を活かしながら業務をすることができる,中小企業診断士の資格を持っていて企業法務に対応する際にこれを活かしながら業務をすることができるなど)ももちろん歓迎です。
おかげさまで,顧問契約を締結いただける企業の方々も,少しずつ増えている状況です。地域の経営者の方々と一緒に,地域の活性化のお手伝いができるということは,これほどうれしいことはございません。ぜひとも,ご興味がある方は,お声掛けをいただければと思います。
私生活では,第二子にも恵まれ,自宅建築の機会も得ました。仕事と私生活を一体として,家づくりを通してライフスタイルを形作っていくという過程は,とても得難い経験であったと思っています。紛争というのは,結局,1人1人の生活の延長に生じるものですから,足元の生活で得られる経験の1つ1つが仕事に活きると思いますし,弁護士という仕事は,それができる仕事だと思っています。私生活を楽しみながら,それを仕事にもフィードバックし,仕事で得た活力をもって,また私生活を楽しんでいくという好循環を作っていきたい。ワーク・ライフ・シナジーを目指します。
つらつらと振り返ってきましたが,がむしゃらに働いてきたここ数年,顧客満足度の向上,処理スピードの向上,ノウハウの蓄積(アウトプット),労働環境の整備,私生活の充実など,改善すべき課題は山積みです。来年からも,少しずつでも,事務所もスタッフも私も成長できるよう,ますます精進してまいりたいと存じます。
コロナ禍という殊更に厳しい環境下でも,何とか1年終えることができたのは,ひとえに,支えてくださったお客様,地域の方々のお陰だと思っています。恩返しができるよう,経営理念であるリーガルサービスの地域への浸透の実現を目指して,来年も頑張っていきたいと思います。